発表年:2007年
ez的ジャンル:音響系フォーキー
気分は... :カタルーニャのDNA・・・
Prefuse 73ことGuillermo Scott HerrenのプロジェクトSavath & Savalasの3rdアルバム『Golden Pollen』(2007年)です。
マイアミ生まれ、アトランタ育ちのアメリカ人プロデューサー/クリエイターGuillermo Scott Herrenによるアコースティック志向プロジェクトSavath & Savalasの紹介は、2ndアルバム『Apropa't』(2004年)に続き2回目となります。
前作『Apropa't』(2004年)では、父のルーツであるスペイン、バルセロナで制作し、カタルーニャ人のEva Puyuelo Munsをパートナーに迎えていましたが、本作ではScott Herrenのソロ・ユニットとなっており、彼自身のヴォーカルも大きくフィーチャーされています。
アルバムには前作にも参加していたJohn McEntire(ds、vibe)(Gastr Del Sol、The Sea And Cake、Tortoise等)、On!Air!Library!やScott HerrenとのユニットA Cloud Mireyaでも知られるClaudia Deheza(vo)、アルゼンチンにルーツを持つスエディッシュ男性SSWJose Gonzalez(vo)、US女性SSWのMia Doi Todd(vo)、USジャズ・フルート奏者Nicole Mitchell(fl、vo)、USエクスペリメンタル・ロック・グループBattlesのメンバーでもあったTyondai Braxton(vo)ソロ活動に加え、シカゴ音響派のインストゥルメンタル・カルテットTown & Countryの活動でも知られるJoshua Abrams(double bass)、オーストラリアのポストジャズ・ユニットTrioskのLaurence Pike(per、p)、US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、Greg Ward(clarinet、tp)、Renee Baker(viola)が参加しています。
アルバム全体としては、カタルーニャ人のDNAを感じるエクスペリメンタルな音響系フォーキー作品に仕上がっています。
派手さはありませんが、今の時期にフィットとする音世界だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Intro - An Ode To Luiz Bonfa (Introspection Era)」
US女性SSWのMia Doi Toddをフィーチャー。幻想的な雰囲気でアルバムは幕を開けます。
「Apnea Obstructiva」
オーストラリアのポストジャズ・ユニットTrioskのLaurence Pike(per)、John McEntire(vibe)、USジャズ・フルート奏者Nicole Mitchell(fl、vo)参加。このユニットらしい音響フォーキーを楽しめます。幻想的な終盤も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=gNX0mngKPY0
「Paisaje」
トリップ感のある仕上がり。パーカッション、カリンバの神秘的な響きが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=aId3RffmxlY
「Concreto」
エクスペリメンタルな中にもフォーキーな味わいが漂います。新しい試みと伝統的な音を巧みに融合させているのがいいですね。
「Mi Hijo (Alejandra Elias Deheza-Herren)」
チェロを交えたフォーキー・サウンドが印象的です。
「Te Amo...¿Por Que Me Odias?」
US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、John McEntire(ds)が参加。本作らしいエクスペリメンタルな音響フォーキーを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=q49vePA7fp0
「Estrella De Dos Caras」
アルゼンチンにルーツを持つスエディッシュ男性SSW、Jose Gonzalezをフィーチャー。Laurence Pike(p)、Greg Ward(clarinet)も参加しています。本作のハイライトかもしれませんね。スパニッシュの語感が似合う味わい深いフォーキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JLGDhRRrqIo
「Olhos」
自らヒューマン・ビートボックスに挑戦しているフォーキーな小曲。
「El Solitario」
Town & CountryのJoshua Abrams(double bass)、Renee Baker(viola)、Greg Ward(clarinet)が参加。哀愁モードのスパニッシュ・フォーキーが秋らしくていいですね。
「Faltamos Palabras」
Laurence Pike(ds、per)、Greg Ward(tp)、Joshua Abrams(b)が参加。シカゴ音響派がお好きな人は気に入るのでは?
「Era Tu」
Scott HerrenとユニットA Cloud Mireyaを組み、公私のパートナーでもあったClaudia Dehezaのヴォーカルをフィーチャー。Joshua Abrams(double bass)も参加しています。ミステリアスなフォーキー・チューンです。
「Vidas Animadas」
ヴォーカル、演奏のすべてをScott Herren自身で手掛けています。ヒューマン・ビートボックスも駆使しながら、彼の目指すフォーキー・ワールドを楽しめます。
「Tormenta De La Flor」
前曲同様、ヴォーカル、演奏のすべてをScott Herren自身で手掛けています。ヘタウマな味わいがいいのでは?
「Ya Verdad」
USエクスペリメンタル・ロック・グループBattlesのメンバーでもあったTyondai Braxton(vo)が参加。淡々としたオルタナなフォーキー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1DkbzPf-bvc
「Tiempo」
幻想的な小曲。
「Outro」
アルバムの余韻を楽しむアウトロ。
国内盤にはボーナス・トラックとして、「Jodido」、「Versos Sencillos」、「Mejores Dias」の3曲が追加収録されています。特に、「Versos Sencillos」、「Mejores Dias」の2曲は本編に負けない僕好みのフォーキー・チューンです。
Savath & Savalasの他作品もチェックを!
『Folk Songs for Trains, Trees and Honey』(2000年)
『Apropa't』(2004年)
『La Llama』(2009年)