2018年12月07日

Tha Dogg Pound『Dogg Food』

大ヒットを記録したG-Funk作品☆Tha Dogg Pound『Dogg Food』
Dogg Food
発表年:1995年
ez的ジャンル:西海岸G-Funk
気分は... :彗星の如く・・・

今回は大ヒットを記録したG-Funk作品Tha Dogg Pound『Dogg Food』(1995年)

Tha Dogg Poundは、1992年に西海岸の人気ラッパーSnoop Dogの従兄弟であるKuruptDaz DillingerDat Nigga Daz)がロングビーチで結成したHip-Hopユニット。より広義にSnoopらの準メンバーも含むユニットを指すこともあります。

当時Snoop Dogが所属していたDeath Row Recordsと契約し、Snoopの弟分ユニットといったポジションでレコーディング活動を開始します。

Dr. DreSnoop Dog等の作品での客演を経て、1995年にデビュー・アルバムとなる本作『Dogg Food』をリリース。アルバムはUSアルバム・チャート、同R&Bアルバム・チャート共にNo.1となる大ヒットを記録し、いきなり大きな商業的成功を収めました。

しかしながら、所属先のDeath Rowでは悪名高きSuge Knightによる支配が強化され、2Pacの射殺、Dr. DreSnoop DogのDeath Rowからの離脱といったトラブルが続発します。

こうした中でKuruptも嫌気がさし、Death Rowから離れてしまい、ソロ・アルバム『Kuruption!』(1998年)をリリースします。一方のDaz DillingerはDeath Rowに止まり、プロデューサーとして手腕を振るうことになります。結果として、Tha Dogg Poundは活動休止の状態となってしまいます。

その後、Daz DillingerもDeath Rowを離れ、独自のレーベルD.P.G. Recordzを設立したことで事態は好転し、再び2人はタッグを組むことなります。こうしてD.P.G.名義でアルバム『Dillinger & Young Gotti』(2001年)をリリースし、復活を果たします。

それにも関わらず、ここでまた予想外の展開が・・・Kuruptが突如として古巣Death Rowに舞い戻ってしまったのです。こうして2人の間には再び深い溝が出来てしまいますが、再びDeath Rowを離脱したKuruptがDaz Dillingerと和解し、元サヤに戻ったグループは2010年までに5枚のアルバムをリリースしています。

G-Funk作品を積極的に聴いてきた訳ではない僕ですが、本作は大ヒット作品ということもあり、キャッチーで聴きやすいですね。

Dr. DreSuge Knightがエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ね、多くのトラックをDaz DillingerDat Nigga Daz)がプロデュースしています。それ以外にDJ Pooh等もプロデューサーとして参加しています。

また、Snoop DogNate Dogg等がフィーチャリングされています。

シングルになった「New York, New York」「Let's Play House」をはじめ、G-Funkらしいトラックを随所で楽しめます。

この時期のアルバムらしく全17曲というボリューミーな構成のため、やや一本調子にも感じてしまいますが、絶好調のG-Funk作品として楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。The Last Poets「The Shalimar」ネタのフレーズが使われています。

「Dogg Pound Gangstaz」
Dat Nigga Dazプロデュース。不穏な空気が支配するギャングスタ・ラップらしい仕上がり。DJ Pooh feat. Threat & Val Young「No Where 2 Hide」、The Graingers「Shine Your Light」、Snoop Dogg「Hit Rocks」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=JtJjVSdC4Dw

「Respect」
Dat Nigga Dazプロデュース。G-Funkらしいダークなファンクネスが印象的なトラック。The Lady of Rage feat. Dr. Dre & Snoop Dogg「Afro Puffs (extended remix)」をサンプリング。Parliament「Flash Light」のフレーズも聞こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=NesmpnK9ONA

「New York, New York」
DJ Poohプロデュース。Snoop DoggをフィーチャーしたG-Funkクラシック。シングルにもなりました。タイトルの通り、東海岸をディスったHip-Hop東西抗争の真っ只中らしいG-Funkに仕上がっています。EPMD「You're a Customer」、Genesis「I Can't Dance」、Grandmaster Flash & the Furious Five「New York, New York」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=vsfzAvOrjrc

Guy「Spend Time」、RBL Posse「Frisco, Frisco」、The Game feat. 50 Cent「Westside Story」、 The Notorious B.I.G.「St. Ides Commercial (Unreleased Heat)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Guy「Spend Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=bMPb0qb5PfU
RBL Posse「Frisco, Frisco」
 https://www.youtube.com/watch?v=STAt4O41mqI
The Notorious B.I.G.「St. Ides Commercial (Unreleased Heat)」
 https://www.youtube.com/watch?v=Sa8AckYbKt8

「Smooth」
DJ Poohプロデュース。Snoop Dogg、Kevin ""Slo Jammin" James、Ricky Harris、Val Youngをフィーチャー。Toddy Tee「The Batterram」、Snoop Dogg「Tha Shiznit」、 Doug E. Fresh & Slick Rick「La Di Da Di」をサンプリング。スクラッチも含めて、G-Funkの魅力に溢れた1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=OIvzAfJim6Y

「Cyco-Lic-No (Bitch Azz Niggaz)」
Dat Nigga Dazプロデュース。Mr. Malikをフィーチャー。ダークな中にもParliament「Aqua Boogie (A Psychoalphadiscobetabioaquadoloop)」ネタも織り交ぜた遊び心がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fzzUmWlOQiE

「Ridin', Slipin' And Slidin'」
Dat Nigga Daz/Dave Swangプロデュース。Mz. South 'Sentralをフィーチャー。リズミックなアクセントのついたトラックとFaze-O「Riding High」のフレーズ引用が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=akBcbQtLhIE

「Big Pimpin 2」
Dat Nigga Dazプロデュース。Big Pimpinをフィーチャー。Death Rowからリリースされたサントラ『Above the Rim』(1994年)に収録されていた「Big Pimpin'」のパート2。
https://www.youtube.com/watch?v=9WgHsAVJTbY

「Let's Play House」
Dat Nigga Dazプロデュース。Michel'le、Nate Doggをフィーチャー。シングルにもなりました。G-Funkらしいシンセ・フレーズが印象的なトラックです。終盤にはお馴染みの童謡「London Bridge Is Falling Down(ロンドン橋落ちた )」のフレーズも聞こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Qx9yypsIW_Q

YG feat. TeeFlii「Do It to Ya」のサンプリング・ソースとなっています。
YG feat. TeeFlii「Do It to Ya」
 https://www.youtube.com/watch?v=Nvaq-4Qx7Go

「I Don't Like To Dream About Gettin Paid」
Dat Nigga Dazプロデュース。Nate Doggをフィーチャー。Lionel Richie「Love Will Find a Way」をサンプリング。また、Eric B. & Rakim「Paid in Full」のフレーズも挿入されています。 メロディアスなコーラス・パートもあり実にキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=jh5wMKqWVh4

「Do What I Feel」
Dat Nigga Dazプロデュース。The Lady Of Rageの女声ラップをフィーチャー。他のトラックと比較すると少し地味かも?
https://www.youtube.com/watch?v=6d0lvvhVOJ0

「If We All Fuc」
Dat Nigga Dazプロデュース。Snoop Doggをフィーチャー。パーカッシヴ・トラックに乗った達者なフロウを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=ZVJxcHU2tc8

「Some Bomb Azz Pussy」
Dat Nigga Dazプロデュース。Snoop Dogg等をフィーチャー。タイトルから想像できるように下ネタ・モード全開です。
https://www.youtube.com/watch?v=3cZ2Eu09Erc

「A Doggz Day Afternoon」
Dat Nigga Dazプロデュース。Snoop Dogg、Nate Doggをフィーチャー。ファンクネスの効いたダーク・トラックが彼ららしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=6ME3K3m3U-Q

「Reality」
Dat Nigga Daz/Emanuel Deanプロデュース。Emanuel Deanをフィーチャー。そこはかとなく漂うF-Gunkの哀愁ダークネスな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HRKva-o0SyM

「One By One」
Dat Nigga Dazプロデュース。テンポのいいフロウが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-h2H1tjvNkA

「Sooo Much Style」
Soopafly/Overdoseプロデュース。ラストはKuruptとDat Nigga Dazが格好良いフロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KTQccTbg2Bk

Tha Dogg Poundの他作品もチェックを!

『Dillinger & Young Gotti』(2001年)
Dillinger & Young Gotti

『Cali Iz Active』(2006年)
Cali Iz Active

『Dogg Chit』(2007年)
Dogg Chit

『That Was Then, This Is Now』(2009年)
That Was Then This Is Now

『100 Wayz』(2010年)
100 Ways
posted by ez at 13:25| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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