発表年:2006年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー
気分は... :フリーレンジ・サンシャイン・ミュージック!
UKクロスオーヴァー作品からXantone Blacq『To the Heavens and Beyond』(2006年)です。
Xantone Blacqは、1974年ナイジェリア、ラゴス生まれのシンガー・ソングライター/マルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサー。
10代のときにイギリス、ロンドンに移住し、18歳から本格的な音楽活動を開始。2003年にリリースしたシングル「Search For The Sun」が話題となり、2006年にソロ・アルバムとなる本作『To the Heavens and Beyond』をリリースしています。
ソロ・アルバムは1stとなる本作『To the Heavens and Beyond』と2nd『Revelation』(2011年)の2枚のみですが、Funky DLらと組んだユニットGemini Infinity、ロンドンを拠点としたジャジー・ソウル・コレクティブPersonal Lifeとしてもアルバムをリリースしています。
※2018.12.13追記
当初ソロ・アルバムは本作のみと記述していましたが、配信のみの2ndアルバム『Revelation』(2011年)もリリースされている点をご指摘頂いた。それを踏まえて上記を訂正しました。
本作『To the Heavens and Beyond』(2006年)は、ソウル、ファンク、ジャズ、ブラジル、クラブジャズが融合したUKクロスオーヴァーらしいサウンドを随所で楽しめます。Xantoneは自身の音楽を"フリーレンジ・サンシャイン・ミュージック"と呼んでいるようですが、本作における実際のサウンドもポジティブなヴァイヴに溢れています。また、Stevie Wonder調のXantoneのソウルフル・ヴォーカルも魅力的です。
プロデュースはXantone自身、ソングライティングも「I Feel For You」(Princeのカヴァー)、「Drive My Car」(The Beatlesのカヴァー)以外はXantoneのオリジナルです。
アルバムにはLaura Mvula、Becca Stevens『Regina』(2017年)等のプロデュースも手掛けたUKドラマーTroy Miller、ブラジル人女性シンガーPatricia Marx、イタリア人女性シンガーManuela Panizzo、サックス奏者Pee Wee Ellisもフィーチャーされています。
Xantoneの名を高めたシングル曲「Search For Th Sun」、アルバムのリード・シングルであり、Stevie節が全開の「Yes I Do」、サンバ調のダンサブルなブラジリアン・グルーヴ「Makes Me Wanna」、同じくブラジリアン・フレイヴァーの「With You」と「Samba De Lagos」、The Beatles名曲をブロークンビーツに変貌させた「Drive My Car」あたりが僕のおススメです。
あの手この手で楽しませてくる充実のUKクロスオーヴァー作品です。
全曲紹介しときやす。
「With You」
Manuela Panizzoをフィーチャー。ブラジリアン・フレイヴァーの爽快グルーヴがオープニング。コケティッシュなManuelaのヴォーカルとStevie Wonder調のXantoneのヴォーカルの組み合わせがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=pRhjWGqavHA
「Yes I Do」
XantoneのStevie節が全開となるファンク・チューン。シングルにもなった人気曲です。ホーン・サウンドが演奏全体を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vRyQniekYD4
「Search For Th Sun」
前述のようにXantoneの名を高めたシングル曲。Roy Ayersあたりの流れを汲むメロウ・ミディアムのジャズ・ファンク。ヴォコーダーが効いているのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=N-XD3aZ_VdI
「I Feel For You」
大ヒットしたChaka Khanヴァージョンでもお馴染み、Princeの名曲をカヴァー。オリジナルは『Prince』(1979年)に収録されています。少しテンポを落としたミディアム・ファンクの「I Feel For You」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t-69aud4dCQ
「Samba De Lagos」
ブラジリアン・モードのメロウ・チューン。バカンス気分にフィットするメロウなボッサ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=tW1UOAP07xQ
「Makes Me Wanna」
ブラジル人女性シンガーPatricia Marxをフィーチャー。UKクロスオーヴァーらしいサンバ調のダンサブルなブラジリアン・グルーヴ。Xantoneの鍵盤が冴えわたります。
https://www.youtube.com/watch?v=dQRRQ3X1-4Q
「Drive My Car」
The Beatlesの名曲カヴァー。オリジナルは『Rubber Soul』(1965年)収録。ここではサックス奏者Pee Wee Ellisをフィーチャー。The Beatles名ナンバーをブロークンビーツ調のダンサブル・チューンへ変貌させる手腕はお見事。
https://www.youtube.com/watch?v=1Sm73b0E5IA
「You're So Fly」
オーガニックなソウル・フィーリングを楽しめるメロウ・ミディアムですが、ヴォコーダーでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=QQ6ozsnISts
「Smokin'」
アッパーに疾走するパーカッシヴなフュージョン・ファンク。Stevie調のコーラスが心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZTXyye3mHEg
「Frankincense & Myrhh」
10分超の大作。ミステリアスなコーラスが印象的なクロスオーヴァー・ジャズ。人知の及ばない神秘のクロスオーヴァーといった趣の壮大なスケール感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4alCkD0WG_w
「Without You」
Troy Millerをフィーチャー。ラストはストレート・アヘッドなジャズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QLbw2KVn83M
ご興味がある方はGemini Infinity、Personal Lifeの作品もチェックを!
Gemini Infinity『Love Chase Dream』(2009年)
Personal Life『Morning Light』(2013年)
「REVELATION」というワードで検索してみて下さい。
お久しぶりです。
ありがとうございます。
ご指摘の通りでしたので、記事を訂正させていただきました。
今後ともよろしくお願い致します。