2019年02月02日

The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』

新ラインナップによるアメリカ進出第2弾☆The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』
天使のクァルテット <BRASIL SUPERSTAR 1200>
発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル女性コーラス・グループの最高峰
気分は... :天使のクァルテット!

今回はブラジル女性コーラス・グループの最高峰Quarteto Em CyThe Girls from Bahia名義でリリースしたアルバム『Revolucion con Brasilia!』(1968年)です。

これまで当ブログで紹介したQuarteto Em Cy作品は以下の3枚。

 『Quarteto Em Cy』(1966年)
 The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
 『Em Cy Maior』(1968年)
 『Quarteto Em Cy』(1972年)

The Girls from Bahiaはアメリカ進出を意識したグループ名であり、この名義で『Pardon My English』(1967年)、本作『Revolucion con Brasilia!』(1968年)といったアルバムをリリースしています。

本作におけるメンバーはCyvaCybeleCynaraというDe Sa Leite姉妹とCyregina(Regina Werneck)の4名。De Sa Leite姉妹の末妹Cyleneが結婚により脱退したため、Cyreginaが新メンバーとして加わっています。

The Girls from Bahia名義の『Pardon My English』(1967年)では、USマーケットを意識した英語歌詞の楽曲が目立ちましたが、本作ではポルトガル語で歌われる楽曲が中心です。また、過去にレコーディングした楽曲の再レコーディングが5曲あるのも特徴です。きっとCyreginaが加わった新ラインナップを意識したのでしょうね。

「Berimbau」「Tem Mais Samba」「Laia Ladaia (Reza)」「I Live To Love You (Morrer de Amor)」等の再レコーディング曲を聴けば、新ラインナップになっても美しいヴォーカルワークは健在であることを示してくれます。

個人的には「E Nada Mais」「Road To Nowhere (Estrada do Nada)」といったスキャットが映えるメロウ・ボッサ/ジャズ・サンバもおススメです。

また、Glenn Miller Orchestraでお馴染みのスタンダード「Edmundo (In The Mood)」「The Sunny Side of the Street」といったUSマーケット向けのスタンダードを、Quarteto Em Cyらしく歌い上げているのも見事です。

プロデュースはSonny Burke

Quarteto Em Cyファン、ブラジル音楽好きには、『Pardon My English』(1967年)以上にフィットするのでは?

天使のクァルテットをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Berimbau」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。デビュー・アルバム『Quarteto Em Cy』(1964年)、Quarteto Em CyがThe Girls from Bahiaとして客演したDorival Caymmi『Caymmi (KAI-EE-ME) 』(1965年)に続く、3度目のレコーディング。前半はポルトガル語、後半は英語で歌われます。この曲のミステリアスな雰囲気を残しつつ、彼女達らしい華のあるコーラスワークを満喫できる好カヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=SB7cTH_pEl4

本曲について、当ブログではLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny RankinLe Trio CamaraTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca Giulio Camarca & Trinidadのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Tem Mais Samba」
Chico Buarque作。Quarteto Em Cy名義の『De Marre de Cy』(1967年)でも取り上げていた楽曲の2度目のレコーディング。当ブログElis Reginaのカヴァーを紹介済みです。軽快なテンポのバッキングを従え、実に見事なコーラスワークを披露してくれます。新ラインナップになっても素晴らしいコーラスには変わりないことを証明してくれる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-ZyMfMGemHI

「Edmundo (In The Mood)」
Joe Garland作のスタンダードをカヴァー。Glenn Miller Orchestraでお馴染みの曲ですね。ポルトガル語のヴォーカルと小粋なジャズ・サンバ調アレンジによる素敵なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vvZ0M3jRxEo

「Laia Ladaia (Reza)」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。デビュー・アルバム『Quarteto Em Cy』(1964年)でも取り上げていた楽曲の2度目のレコーディング。彼女たちのコーラスワークと相性バッチリのノリのいい名曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7BCAdbv61mc

本曲について、当ブログではEdu Loboのオリジナルをはじめ、Sergio Mendes & Brasil '66Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio Lennie Dale & Sambalanco TrioTamba 4The CarnivalDorothy Ashbyのカヴァーも紹介済みです。

「I Live To Love You (Morrer de Amor)」
Oscar Castro Neves/Luvercy Fiorini作。前述のDorival Caymmi『Caymmi (KAI-EE-ME) 』(1965年)、『Quarteto Em Cy』(1966年)でも取り上げていた楽曲の3度目のレコーディング。美しい歌声が聴く者を優しく包み込んくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RK4nLjjqK7k

「The Sunny Side of the Street」
Jimmy McHugh/Dorothy Fields作。当ブログではJimmy SmithTerra Trioのカヴァーも紹介済みです。太陽のように眩しい彼女たちの歌声が弾けるジャズ・サンバ調の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YVqp5jyI5zY

「Road To Nowhere (Estrada do Nada)」
Billy Blanco/Aloysio de Oliveira作。英語とダバ・ダバ・スキャットによるヴォーカルで軽快に疾走するジャズ・サンバ。ダバ・ダバ・スキャット好きの方はぜひ!
https://www.youtube.com/watch?v=na6hbr4sk4U

「The Old Piano Roll Blues」
Cy Coben作のスタンダードをカヴァー。お茶目でキュートな雰囲気が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mY-rurjICa4

「The Day It Rained」
Durval Ferreira/Pedro Camargo作。美しいバラードを英語でしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=AzHgtQx0O1o

「E Nada Mais」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire作。僕の一番のお気に入り。全編美しいスキャット・コーラスで歌い上げるメロウ・ボッサ。当ブログではMario Castro-Neves & Samba S.A.Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_bxxSJx-QaY

「Manhattan」
Richard Rodgers/Lorenz Hart作。ミュージカル『The Garrick Gaieties』(1925年)の挿入歌として書かれた楽曲のカヴァー。軽快なリズムと共に楽しげなヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KsEtS71e4as

「Dindi」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作の名曲カヴァー。素晴らしいハーモニーで歌い上げるビューティフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=OUECk5R2u2s

本曲について、当ブログではFlora PurimPaprika SoulClaudine LongetLenita BrunoCharlie ByrdWayne Shorterのカヴァーを紹介済みです。

「A Banda (Parade)」
Chico Buarqueの名曲カヴァー。『Quarteto Em Cy』(1966年)でも取り上げていた楽曲の再レコーディング。当ブログではAstrud GilbertoSergio Mendesのヴァージョンも紹介済みです。快活かつ楽しげなヴォーカルワークに緩急をつけて楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0jc4BDM-cZI

Quarteto Em CyThe Girls from Bahiaの過去記事もご参照下さい。

『Quarteto Em Cy』(1966年)
ペドロ・ペドレイロ

The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
Girls From Bahia: Pardon My English

『Em Cy Maior』(1968年)
エン・シー・マイオール

『Quarteto Em Cy』(1972年)
Quarteto Em Cy
posted by ez at 17:18| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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