発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラジリアン・クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :いよいよスーパーボウル!
今回は人気ジャズ・サックス奏者Wayne Shorterの名盤『Native Dancer』(1975年)です。
これまで当ブログで紹介したWayne Shorter作品は以下の5枚です。
『Night Dreamer』(1964年)
『Speak No Evil(1964年)
『Adam's Apple』(1966年)
『Schizophrenia』(1967年)
『Super Nova』(1969年)
本作『Native Dancer』(1975年)は、ブラジル、ミナスを代表するアーティストMilton Nascimentoをフィーチャリングし、ブラジリアン・クロスオーヴァー・ジャズにアプローチした作品です。
1974年のスイス・モントルー・ジャズ・フェスティバルへ出演したMiltonは、そのままL.A.へ向かい本作のレコーディング参加し、Milton Nascimentoの名が世界中の音楽ファンに認知されるようになりました。
Wayne Shorterの『Native Dancer』(1975年)のレコーディングに参加します。これが大きな転機となり、Milton Nascimentoの名が世界中の音楽ファンに認知されるようになりました。その勢いで今日紹介する名作『Minas』を制作しています。
レコーディングにはWayne Shorter(ss、te)、Milton Nascimento(g、vo)以下、David Amaro(g)、Jay Graydon(g)、Herbie Hancock(p、key)、Wagner Tiso(org、p)、Dave McDaniel(b)、Roberto Silva(ds)、Airto Moreira(per)が参加しています。
プロデューサーはJim PriceとNedra Neal。
アルバム全体としては、Wayne Shorter Presents Introducing Milton Nascimentoといった内容です。
やはり、「Ponta de Areia」、「Tarde」、「Miracle of the Fishes」、「From the Lonely Afternoons」、「Lilia」といったMilton Nascimento作品の演奏が聴き所です。Shorter、Herbie Hancock等がMiltonならではの音世界を尊重している感じがいいですね。
特に「Ponta de Areia」、「Tarde」、「Lilia」が個人的にお気に入りです。
Shorter、Herbie Hancockらが好サポートしたMiltonの世界デビューを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Ponta de Areia」
Milton Nascimento作。邦題「砂の岬」。『Minas』(1975年)にも収録されたMiltonの代表曲です。味わい深さという点で、Miltonの『Minas』ヴァージョンの方が断然好きですが、Miltonの個性とShorterの個性が融合した本ヴァージョンも別の魅力があります。リリカルなShorterのサックス・プレイを堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=2iZ7id-lxXo
当ブログでは、誰よりも早くMiltonの才能を見抜いたElis Reginaや今ジャズの才女ベーシストEsperanza Spaldingのカヴァーを紹介済みです。また、Earth, Wind & Fire『All 'N All』収録の「Brazilian Rhyme」(オリジナルLPB面の方)の中で本曲のメロディをお聴きになった方は多いのでは?J-POP好きの人はTHE BOOMのカヴァーもチェックを!
Milton Nascimento「Ponta de Areia」(From 『Minas』)
https://www.youtube.com/watch?v=15g6YWqG3vc
Elis Regina「Ponta de Areia」
https://www.youtube.com/watch?v=g9VSftQy4ow
Esperanza Spalding「Ponta de Areia」
https://www.youtube.com/watch?v=QqCZ8NoxptM
Earth, Wind & Fire「Brazilian Rhyme(Ponta de Areia)」
https://www.youtube.com/watch?v=iovq9p6v1tE
「Beauty and the Beast」
Wayne Shorter作。Herbie Hancockのピアノが映えるメロウ・フュージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=0PQKnjwlN6g
「Tarde」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。『Milton Nascimento』(1969年)収録曲を取り上げています。Miltonらしい音世界にShorterが寄り添ういった雰囲気のメロウ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GuyVt5pS43Y
「Miracle of the Fishes」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。前半はMiltonらしいミナス・ワールド全開し、中盤以降からShorterらしいクロスオーヴァー。サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=c-rCgcW4dNQ
「Diana」
Toninho Hortaの名曲を取り上げています。ここではShorterとHancockが少しミステリアスで品格のある演奏を聴かせてくれます。
Toninho Horta本人のヴァージョンは『Terra dos Passaros』(1979年)に収録されています。
Toninho Horta「Diana」
https://www.youtube.com/watch?v=nGTYZiYwOpQ
「From the Lonely Afternoons」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。ShorterとMiltonの共演らしいミナス・テイストのフュージョンに仕上がっています。Shorterのサックスが冴え渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=36depo1-ji0
「Ana Maria」
Wayne Shorter作。ロマンティックなメロウ・チューン。Shorterの素敵なサックスを存分に楽しみましょう。
「Lilia」
Milton Nascimento作。名盤『Clube Da Esquina』(1972年)収録曲を取り上げています。Miltonの楽曲を題材に、Shorter流のブラジリアン・クロスオーヴァー・ジャズを披露してくれます。
Milton Nascimento & Lo Borges「Lilia」(From 『Clube Da Esquina』)
https://www.youtube.com/watch?v=6IKNkBmtxqU
「Joanna's Theme」
Herbie Hancock作。ラストはShorterとHancockによる素敵なプレイで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wJb2tbZpyeU
Wayne Shorter、Milton Nascimentoの過去記事もご参照下さい。
『Night Dreamer』(1964年)
『Speak No Evil(1964年)
『Adam's Apple』(1966年)
『Schizophrenia』(1967年)
『Super Nova』(1969年)
Milton Nascimento『Milton』(1970年)
Milton Nascimento『Minas』(1975年)
Milton Nascimento『Milton』(1976年)