発表年:2006年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :明珠在掌・・・
今回は2000年代アングラ・ジャジーHip-HopからLightheaded『Wrong Way』(2006年)です。
Othello、Ohmega Watts、Brailleらがポートランドで結成したHip-HopユニットLightheadedの紹介は、1stアルバム『Pure Thoughts』(2002年)に続き2回目となります。
2ndとなる本作『Wrong Way』(2006年)では、カナダ出身のトラック・メイカーMuneshineが脱退し、Othello、Ohmega Watts、Brailleの3名体制となっています。
Muneshineが抜けて、サウンド面の中心となったのがOhmega Watts。半数以上のトラックのプロデュースを手掛けています。それ以外にThe ProcussionsのStro The 89th Key、Tony Stone等の外部プロデューサーを迎えています。また、脱退したMuneshineもタイトル曲のプロデュースを手掛けています。
12"シングルとしてもリリースした「Timeless」、ソウルフル・トラック「Soul Power」、Freddie Hubbardネタのジャジー&メロウ「Unconditional」、ジャジー・フィーリングに溢れた「Wrong Way」、12"シングルにもなったアッパー・チューン「UHH!」、Stro The 89th Keyがプロデュースした「Unconditional」と「Eye To Eye」。Minnie Riperton「Inside My Love」ネタのメロウ・エレピが心地好い「Surprise Cypher (Remix)」あたりがおススメです。
3人体制になってもOhmega Wattsを中心とした強力Hip-Hopユニットであることを印象づけてくれる充実作です。
全曲紹介しときやす。
「Orientation」
Ohmega Wattsプロデュース。Kumari Singhの女性ヴォーカルをフィーチャー。タイトルのように3人体制となったLightheadedのオリエンテーションといったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=DAHYvsCQOTU
「Timeless」
Ohmega Wattsプロデュース。アルバムに先駆けて2005年に12"シングルとしてリリースされた楽曲。Native Tongues的なマイク・リレーとPete Rock的センスのジャジー・ソウル・トラックが融合したモロに僕好みの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=w1K83PZ2odY
「In The Building」
Ohmega Wattsプロデュース。パーカッシヴに疾走するアッパー・トラックに乗って、小気味いいマイク・リレーが展開されます。Rob Swiftによるスクラッチもグッド!
「Individually Wrapped」
Ohmega Wattsプロデュース。オールドスクール風味のトラックが印象的です。終盤のソウル・ジャズな雰囲気も心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NGMXvbSV0xk
「Showcase」
Tony Stoneプロデュース。Big Recをフィーチャー。プロデューサーが変わったせいか、それまでのトラックとは異なる雰囲気であり、MC陣のリリックも攻撃的に畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=F2FeKOyrh5Y
「Bing Pong」
DJ Bombayプロデュース。1分半程度の繋ぎのトラックですが、ジャズ・フィーリングのサウンドと見事な擦りが格好良いトラックに仕上がっています。
「Short Stories」
Ohmega Wattsプロデュース。A Tribe Called Quest(ATCQ)好きの人が気に入りそうなマイク・リレー&トラックです。
「Soul Power」
Ohmega Wattsプロデュース。Hugo Montenegro「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」のドラム・ブレイクを使ったキャッチーなトラックが格好良いソウルフル・トラック。スクラッチはDJ DNA。
https://www.youtube.com/watch?v=gGXPBmD10O8
「Afraid Of The Dark」
The ProcussionsのStro The 89th Keyプロデュース。MC/プロデューサー/トラック・メイカー/マルチ・プレイヤーであるStro The 89th Keyが創り出すトラックがいいですね。Lightheadedらしいとは思いませんが、The Rootsを思わせる通じる乾いたビートとヘヴィ・サウンドによる哀愁トラックにグイグイ惹き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8TjTT2Lk1Bw
「Unconditional」
Ohmega Wattsプロデュース。Freddie Hubbard「Uncle Albert/Admiral Halsey」をサンプリングしたジャジー&メロウ。僕の好きなLightheadedを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=pGMhq3boNho
「Wrong Way」
タイトル曲は元メンバーMuneshineプロデュース。予備知識なしにアルバム全編を聴くと、コレが一番Lightheadedらしいジャジー・フィーリングかもしれません。アングラ・ジャジーHip-Hop好きには間違いのないトラックだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=uVzNqQQ5y4Y
「UHH!」
Ohmega Wattsプロデュース。アッパーな格好良さでいえば、コレが一番。マイク・リレーも実にヴィヴィッド!Barry Hamptonの生オルガン&生ベース、DJ DNAのスクラッチもキマっています。12"シングルにもなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=_iSp8A2gxy0
「Eye To Eye」
再びThe ProcussionsのStro The 89th Keyプロデュース。J Dilla好きの人も気に入りそうな哀愁トラックが脳裏を離れません。
https://www.youtube.com/watch?v=kRv6HPO-VDM
「Speak Your Peace」
Ohmega Wattsプロデュース。メロウ・エレピが心地好いジャジー・ソウル・トラック。この手のジャジー・メロウには声質的にOthelloのラップが良く似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=7swTrnScTqw
「Surprise Cypher (Remix)」
12"シングル「Timeless」(2005年)収録曲「Surprise Cypher II」のリミックス。Adam L、Sharlok Poems、Sivion、Sojourn、Surrealをフィーチャー。オリジナルと同じくMinnie Riperton「Inside My Love」ネタのメロウ・エレピが心地好く響きます。Tony Stoneプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=HO7BqAA4dOY
未聴の方は1stアルバム『Pure Thoughts』(2002年)もチェックを!
『Pure Thoughts』(2002年)
Othello、Ohmega Wattsの過去記事もご参照ください。
Othello & The Hipknotics『Classics』(2004年)
Othello『Elevator Music』(2005年)
Othello『Alive At The Assembly Line』(2006年)
Othello Plus The Pocket Change Band『Translation Please』(2012年)
Ohmega Watts『Watts Happening』(2007年)