2019年02月10日

The Jazzinvaders『Last Summer In Rio』

Azymuthとのコラボ作☆The Jazzinvaders『Last Summer In Rio』
ラスト・サマー・イン・リオ
発表年:2019年
ez的ジャンル:オランダ産クラブジャズ×ブラジリアン・フュージョン
気分は... :真冬の日本、真夏のブラジル!

今回は新作アルバムからオランダのニュー・ジャズ/クラブジャズ・コンボThe Jazzinvadersの最新作となる6thアルバム『Last Summer In Rio』です。

正式にはThe Jazzinvaders feat.Alex Malheiros, Ivan Mamao Conti & Lilian Vieira名義の作品です。

これまで当ブログでは彼らの5枚のオリジナル・アルバムをすべて紹介済みです。

 『Up & Out』(2006年)
 『Blow!』(2008年)
 『Three』(2010年)
 『That's What You Say!』(2013年)
 『Find the Love』(2016年)

本作『Last Summer In Rio』は、タイトルから想像できるように、ブラジリアン・フュージョン色を強めた1枚であり、その象徴として、人気ブラジリアン・フュージョン・バンドAzymuthのメンバーAlex Malheiros(b)、Ivan Mamao Conti(ds)をフィーチャリングし、Azymuthカヴァーを6曲演奏しています。

Azymuthメンバー2名以外に、前作にも参加していたブラジル出身、オランダを拠点に活動する女性シンガーLilian Vieiraもフィーチャリングされています。彼女はオランダのブラジリアン・エレクトロ・ユニットZuco 103のメンバーです。

本作のThe Jazzinvadersのメンバーは、Phil Martin(ds、per)、Linda Bloemhard(vo)、Rolf Delfos(as)、Peter Broekhuizen(bs)、Cees Trappenburg(tp)、Berthil Busstra(el-p、syn)の6名。

それ以外に、亡くなったJose Roberto Bertramiに代わりAzymuthの鍵盤を担当するKiko Continentinoも参加しています。

リーダーのPhil Martinがプロデュースを手掛けています。

前述のようにAzymuthカヴァーが中心ですが、それ以外にMilton Nascimento作品をカヴァーや、Pat Metheny Groupへのオマージュも収録されています。

Lilian Vieiraのヴォーカルが映えるメロウ・ブラジリアン・グルーヴ「Circo Marimbondo」、サンバ・ディスコ「Jazz Carnaval」、メロウネスたっぷりの「Last Summer in Rio」、素敵なサンバ・ホッキ「Aqui e o Pais do Futebol」、サンセット・ジャズの「Turn Left (based on Are You Going with Me?)」あたりが僕のお気に入りです。

ブラジリアン・ジャズ、Azymuth好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Avenida das Mangueiras」
Azymuthのカヴァー(Jose Roberto Bertrami作)。オリジナルは『Light As A Feather』(1979年)収録。ここではアフロ・テイストのパーカッションと鮮やかなホーン・アンサンブルが印象的なニュー・ジャズ・コンボらしいカヴァーを聴かせてくれます。

「Circo Marimbondo」
Azymuthも取り上げたMilton Nascimento作品をカヴァー(Milton Nascimento/Ronaldo Bastos作)。Azymuthヴァージョンはアルバム『Aguia Nao Come Mosca』(1977年)に収録。Milton Nascimentoのオリジナルはアルバム『Geraes』(1976年)に収録。Lilian Vieiraのキュート・ヴォーカルが映える華のあるメロウ・ブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

「Monday Evening」
The Jazzinvadersのオリジナル。開放的なホーン・アンサンブルが心地好いメロウなブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。

「Partido Alto」
Azymuthのカヴァー(Jose Roberto Bertrami作)。オリジナルは『Light As A Feather』(1979年)収録。当ブログではAirto Moreiraのカヴァーも紹介済みです。オリジナル同様、ベースの効いたミディアム・メロウ・ファンクに、Lilian Vieiraのヴォーカルが加わります。

「Jazz Carnaval」
Azymuthのカヴァー(Jose Roberto Bertrami/Alex Malheiros/Ivan Mamao Conti作)。オリジナルは『Light As A Feather』(1979年)収録。アルバムで最もフロア仕様のサンバ・ディスコに仕上がっています。Jazzinvadersの本領発揮といった感じです。Kiko Continentinoがキーボード・ソロで魅せます。

「Summer Breeze」
The Jazzinvadersのオリジナル。メロウ・エレピの映える落ち着いた雰囲気のオトナ・フュージョンに仕上がっています。

「Tambourim, Cuica, Ganza, Berimbau」
Azymuthのカヴァー(Jose Roberto Bertrami/Alex Malheiros作)。オリジナルはアルバム『Aguia Nao Come Mosca』(1977年)に収録。ヴォーカルとホーン・アンサンブル、軽快なリズムの一体感が心地好い開放的なブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

「Last Summer in Rio」
Azymuthのカヴァー(Jose Roberto Bertrami作)。オリジナルはアルバム『Telecommunication』(1982年)に収録。オリジナルのメロウな雰囲気を受け継ぐと同時に、素敵なホーン・サウンドと華やかな女性コーラスでメロウネス増し増しになっているのがいいですね。

「Aqui e o Pais do Futebol」
Wilson Simonalヴァージョンでも知られるMilton Nascimento作のサッカー賛歌をカヴァー。Milton Nascimentoヴァージョンは、『Milton』(1970年)再発CDのボーナス・トラックで聴くことができます。ここではLilian Vieiraの艶やかなヴォーカルが映える、アーバン・メロウなサンバ・ホッキに仕上がっています。

「Turn Left (based on Are You Going with Me?)」
ラストはPat Metheny Groupの人気曲「Are You Going with Me?」へのオマージュ。「Are You Going with Me?」は当ブログでも紹介した『Offramp』(1982年)に収録されています。ここではしっとりとしたメロウ・ジャズを聴かせてくれます。夏の終わりの夕暮れといった趣でアルバムを締め括ってくれます。

The Jazzinvadersの過去記事もご参照下さい。

『Up & Out』(2006年)
Up & Out

『Blow!』(2008年)
ブロウ!

『Three』(2010年)
スリー

The Jazzinvaders Featuring Dr. Lonnie Smith『That's What You Say!』(2013年)
ザッツ・ホワット・ユー・セイ!

『Find the Love』(2016年) 
ファインド・ザ・ラヴ
posted by ez at 00:05| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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