発表年:2009年
ez的ジャンル:本格派男性R&B
気分は... :バランス感覚が大事!
今回は2000年代男性R&B作品からUrban Mystic『GR III: Old School 2 Nu Skool』(2009年)です。
1984年フロリダ生まれの男性R&BシンガーUrban Mystic(本名Brandon Williams)の紹介は、デビュー・アルバム『Ghetto Revelations』(2004年)に続き2回目となります。
3rdアルバムとなる本作『GR III: Old School 2 Nu Skool』(2009年)でも、流行のR&Bサウンドにも配慮しつつ、本格派R&Bシンガーらしい一本筋の通ったR&B作品に仕上がっています。タイトルの通り、Old SchoolなUrban Mystic、Nu SkoolなUrban Mysticの両面を楽しめます。
Cecile Barker、Mark Gordon、Scott Storch、Mike City、Kay Gee(Naughty by Nature)、Roc FaReal、Peter Pan、Steve Morales、Terence "Tramp Baby" Abney、Derrick "Big D" Baker、D. Drummond、E. Warrenといった多彩なプロデューサーが起用されています。
アフリカン・アメリカン大統領誕生を祝うSam Cookeの大名曲カヴァー「Obama: A Change Has Come」、Yung Jocをフィーチャーし、シングルにもなったダンサブル・チューン「Main Squeeze」、Kay Gee(Naughty by Nature)プロデュースの「Can't Stop, Won't Stop」、Beenie Manをフィーチャーしたダンスホール・レゲエ「So Fly」、Delegation「Oh Honey」のサンプリングがキャッチーな「Days of Our Lives」あたりが目立ちますかね。
個人的には「2 Good 2 B True」、「Why Can't We?」、「Best Part of the Day」、「I'll B Good 2 You」、「If I Ever Needed Someone」(Van Morrisonのカヴァー)といった本格派R&Bシンガーらしいバラードもおススメです。
こういったバランス感覚の本格派男性R&Bアルバムは貴重だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Obama: A Change Has Come」
Cecile Barkerプロデュース。前作『Ghetto Revelations II』(2006年)でも取り上げていたSam Cookeの大名曲カヴァーを再び取り上げています。タイトルにあるようにオバマ大統領の就任を祝ったヴァージョンです。 アフリカン・アメリカン大統領誕生に新時代の到来という希望を込めて歌い上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=Copsg4sxcWc
「2 Good 2 B True」
Cecile Barker/Peter Panプロデュース。本格派R&Bシンガーらしい素晴らしいミディアム・バラード。少し塩辛いディープ・ヴォーカルと美しいサウンドの組み合わせの塩梅が絶妙です。ムーディーなサックスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=H-QaxKPgQYE
「Can't Stop, Won't Stop」
Kay Gee(Naughty by Nature)/Terence "Tramp Baby" Abneyプロデュース。(当時の)流行のR&Bスタイルを取り入れつつも、本格派R&Bシンガーらしい芯の太さを感じる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=D2bsqBCP72o
「Throw It Back」
Mark Gordonプロデュース。歌力を見せつけるかのようにディープに歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=wcEaaTHcDeI
「Main Squeeze」
Derrick "Big D" Bakerプロデュース。Yung Jocをフィーチャー。アルバムに先行して2008年にシングル・リリースされています。ラップとオートチューン・ヴォーカルを駆使したダンサブルな哀愁チューンです。Urban Mysticらしいかは???ですが、この時代らしいキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=uIquVcSAWkM
「So Fly」
Scott Storchプロデュース。ダンスホール・レゲエの大物Beenie Manをフィーチャー。イケイケのダンスホール・スタイルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lil8qnnCyhU
「Why Can't We?」
Steve Moralesプロデュース。Phyllisiaをフィーチャー。素敵なメロウ・バラードをデュエットで歌い上げます。ムーディーなサックスがロマンティック・ムードを演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=fSnwYT9EaIc
「Best Part of the Day」
Mark Gordonプロデュース。メロウ・エレピがナビゲートするミディアム・バラード。歌唱力があるものの決して歌いすぎない感じもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9af7z_8CTB8
「Days of Our Lives」
Roc FaRealプロデュース。P. Chaseのラップをフィーチャー。Delegation「Oh Honey」のサンプリングがキャッチーなメロウ・ミディアム。「Oh Honey」大好きな僕としては嬉しい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=oWYhVIA1Jfk
「Let's Go Shawty」
Mark Gordonプロデュース。この時代らしい哀愁R&Bグルーヴですが、僕好みでいえば少しビミョーですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=YEGEOPu7Gt4
「I'll B Good 2 You」
Roc FaRealプロデュース。Urban Mysticの魅力を満喫できるビューティフル・バラード。ここでも本格派なのに熱唱し過ぎないのがいいですね。
「It Wasn't Me」
Mike Cityプロデュース。派手さはありませんがジワジワくるR&Bグルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=KT9kp-d_MWo
「I'm Waiting」
D. Drummond/E. Warren/Cecile Barkerプロデュース。Shaggy/Ce'cileをフィーチャー。開放的なレゲエ・チューンです。Urban Mysticらしいかはわかりませんが、こういうメロウなレゲエ・チューン大好きです。
「If I Ever Needed Someone」
Cecile Barkerプロデュース。ラストはVan Morrisonのカヴァーで締め括ってくれます。オリジナルは当ブログでも紹介した『His Band And The Street Choir』(1970年)に収録されています。このカヴァー・セレクトのセンスがサイコーです。Van Morrison作品ならではのコクを見事に表現したゴスペル調バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8W24VvIfqr0
Urban Mysticの他作品もチェックを!
『Ghetto Revelations』(2004年)
『Ghetto Revelations II』(2006年)
『Love Intervention』(2013年)
『Soulful Classics』(2015年)