2019年03月10日

Allison Miller's Boom Tic Boom『Glitter Wolf』

女性ジャズ・ドラマー、独自感性の最新作☆Allison Miller's Boom Tic Boom『Glitter Wolf』
Glitter Wolf
発表年:2019年
ez的ジャンル:女流ドラマー系現代ジャズ
気分は... :感性を磨くべし・・・

今回は新作ジャズからAllison Miller's Boom Tic Boom『Glitter Wolf』です。

Allison Miller's Boom Tic BoomはN.Y.を拠点とする女性ジャズ・ドラマーAllison Millerが率いるユニット。

Allison MillerはワシントンD.C.出身。N.Y.を拠点に20年近いレコーディング歴を持つ実力派女性ドラマー/コンポーザー/シンガー。

これまでソロ名義で『5am Stroll』(2004年)、『Boom Tic Boom』(2010年)、『No Morphine, No Lilies』(2013年)、Allison Miller's Boom Tic Boom名義で『Live At Willisau』(2012年)、『Otis Was a Polar Bear』(2016年) 、女性ピアニストCarmen Staafの共同名義で『Science Fair』(2018年)といったアルバムをリリースしています。

『Otis Was a Polar Bear』(2016年) 以来のAllison Miller's Boom Tic Boom名義での新作となる本作『Glitter Wolf』

正直、これまで彼女のリーダー作を聴いたことがありませんでしたが、何の予備知識もなくCDショップのJTNC的新作ジャズ・アルバム試聴コーナーで聴いたところ、その独特の感性を持つジャズ・ワールドに魅了され、衝動買いしてしまいました。

本作におけるAllison Miller's Boom Tic BoomのメンバーはAllison Miller(ds、vibe、celesta)、Myra Melford(p、harmonium)、Jenny Scheinman(violin)、Kirk Knuffke(cornet)、Ben Goldberg(clarinet)、Todd Sickafoose(b)。メンバーに女性ミュージシャンが多い点が印象的です。

メンバー以外にJohn Santos(per)、David Flores(per)、John Hatfield(per)がゲストとして参加しています。

プロデュースはAllison MillerJulie Wolf

アレンジ&ソングライティングもAllison Miller(共作含む)。

僕が本作に惹かれたのは、CDショップのJTNC的新作コーナーで聴いたものの、JTNC的文脈とは異なるワールド・ジャズを独自に昇華させたような現代ジャズ・ワールドに魅了されたからだと思います。その意味ではミステリアス&エキゾチックなジャケ・イメージをそのまま演奏に反映したかのようなサウンドを楽しめます。

何の予備知識もなく聴くと、欧米以外のミュージシャンの作品だと思う方も多いのでは?

女性ミュージシャンならではの繊細な感性と、女性ミュージシャンとは思えない力強い演奏が入り混じった感じがたまりません。

独特の感性を持つ現代ジャズをぜひご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Congratulations And Condolences」
何処となくエキゾチックなアンサンブルに惹きつけられるオープニング。女性メンバーが多いユニットとは思えない、男気のある演奏でグイグイ突き進みます。Myra Melfordのピアノ・ソロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=wiuj-dRUfgk

「The Ride」
Allisonのドラム・ソロと共にスタート!静かなる暴動といったムードのエレガント&アヴァンギャルドなレゲエ調の演奏がいいですね。Jenny Scheinmanのヴァイオリン・ソロにも魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=PuE1QjG77I4

「Malaga」
タイトルはスペインのリゾート地マラガのことですかね。しなやかさと力強さを併せ持つ演奏がいいですね。何処となく地中海の香りのするワールド・ジャズ的な雰囲気も好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=kD5HsnTtNqM

「Zev - The Phoenix」
美しく雄大な演奏が印象的です。古代文明の神話の世界にタイムスリップしたかのような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=J6G1w6elqMA

「Daughter And Sun」
今ジャズ的センスとAllisonならではのミステリアスな感性を融合させたようなアンサンブルを楽しめます。ここではAllisonのドラム・ソロも満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=FbtUA7bgWRo

「White Wolf」
Todd Sickafooseのベースが牽引するスリリングで美しい演奏に魅了されます。Jenny Scheinmanのヴァイオリン、Kirk Knuffkeのコルネットも活躍する、このユニット編成らしい音世界を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=4ynUlILVon0

「Welcome Hotel」
ワールド・ジャズ/レゲエ調の開放的な演奏です。バカンス・モードのワールド・ミュージックがお好きな人も気に入るのでは?Jenny Scheinmanのヴァイオリンが実にいい雰囲気を演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lfhs6jRqCM8

「Vine And Vein」
2分半強の短い演奏ですが、少しノスタルジックで美しいアンサンブルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8TY5oHqbIPw

「Glitter Wolf」
タイトル曲はAllisonのダイナミックなドラミングが演奏を牽引します。一気にテンポアップし、トライバルに疾走する後半の演奏はモロに僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=d5N2iwVjLYA

「Valley Of The Giants」
ラストはAllison とJazz Study (Lead Ensemble Of The Thailand Jazz Workshop)の共作。楽園モードのピースフルなワールド・ジャズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=En3XsVkCAIo

Allison Millerの他作品もチェックを!

Allison Miller『5am Stroll』(2004年)
5am Stroll

Allison Miller『Boom Tic Boom』(2010年)
Boom Tic Boom

Allison Miller『No Morphine, No Lilies』(2013年)
No Morphine No Lillies

Allison Miller's Boom Tic Boom『Otis Was a Polar Bear』(2016年)
Otis Was a Polar Bear

Allison Miller & Carmen Staaf『Science Fair』(2018年)
SCIENCE FAIR
posted by ez at 00:26| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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