2019年03月12日

Lee "Scratch" Perry & The Upsetters『Super Ape』

ダブ・アルバムの金字塔☆Lee "Scratch" Perry & The Upsetters『Super Ape』
Super Ape
発表年:1976年
ez的ジャンル:レジェンド系ダブ/レゲエ
気分は... :超猿獣の衝撃!

今回はダブ/レゲエのレジェンドLee "Scratch" Perryが、自身のハウス・バンドThe Upsettersと創り上げたダブ・アルバムの傑作『Super Ape』(1976年)です。

レゲエ/ダブ愛好家ならずとも、音楽好きであれば名盤としての認知度の高い1枚ですね。

日曜、月曜と不眠不休で仕事に没頭し、肉体的疲労と精神的高揚という心身アンバランス状態の今の僕にとって、一番の良薬となりそうなのがレゲエ/ダブ・サウンドかもしれません。

本作のようなドープなダブ・サウンドを聴いていると、その危険なサウンドに雑念が吸い取られ、心を無にできるのが良薬たる所以です。

ジャマイカのダブ・シーンのパイオニアLee "Scratch" Perryが、そのイノベーターぶりを示したダブ・アルバムの金字塔が本作『Super Ape』(1976年)です。

Lee "Scratch" Perryが手掛けた膨大な作品群のごく僅かしか聴いていない僕ですが、やはり本作『Super Ape』(1976年)はインパクトが大きいですね。

The Upsettersによるルーツ・レゲエの極上グルーヴと鬼才Lee "Scratch" Perryの神業が相俟って、中毒的なダブ・ワールドへ誘ってくれます。

プロデュースは勿論Lee "Scratch" Perry

レコーディングにはBoris Gardiner(b)、Michael "Mikey Boo" Richards(ds)、Anthony "Benbow" Creary(ds)、Earl "Chinna" Smith(g)、Keith Sterling(p)、Lee "Scratch" Perry(conga、per)、Noel "Skully" Simms(conga)、Bobby Ellis(horns)、"Dirty" Harry Hall(horns)、Herman Marquis(horns)、Vin Gordon(tb)、Egbert Evans(fl)、Prince Jazzbo(toasting)、Barry Llewellyn(back vo)、Earl Morgan(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

Tony Wrightが手掛けたジャケもインパクト大ですね。
でも中身のインパクトはジャケ以上!

レゲエ/ダブ愛好家以外の人でも聴いて損はしない危険な音世界だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Zion's Blood」
Perryの魔術によって、コンガの効いたルーツ・レゲエ・グルーヴがエコー効きまくり異空間へ放り込まれた感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=qFWr6hlbcJQ

本曲はDevon Irons「When Jah Come」(1976年)と同じリズム・トラックです。
Devon Irons「When Jah Come」
 https://www.youtube.com/watch?v=ntUoIeA4iSg

「Croaking Lizard」
Prince Jazzboによるエコーの効いたトースティングが印象的です。聴いているうちにトリップ感覚に陥りそうになります。
https://www.youtube.com/watch?v=RdDlpQ-E7kE

本曲はMax Romeo & The Upsetters「Chase the Devil」(1976年)と同じリズム・トラックです。
Max Romeo & The Upsetters「Chase the Devil」
 https://www.youtube.com/watch?v=6TsL_QXWmiM

「Black Vest」
ドープなダブ・ワールドに引きずり込まれる危険な1曲。こういうダビー・サウンドを聴いていると雑念を払拭でき、頭の中がスッキリするから不思議!ノスタルジックなホーン隊もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rQJ7PcX4AxY

本曲はMax Romeo & The Upsetters「War Ina Babylon」(1976年)と同じリズム・トラックです。
Max Romeo & The Upsetters「War Ina Babylon」
 https://www.youtube.com/watch?v=_ILjMmfAGXQ

「Underground」
ソウルフルな女性コーラスが印象的な1曲。地を這うベースと妖しく響くドラムによるリズム・セクションもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=JaMy-5aZImY

Petter & Looptroop「Top Dogz」、The Last Emperor「The Underground」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Last Emperor「The Underground」
 https://www.youtube.com/watch?v=IY2AWIBK6ls

「Curly Dub」
Perryがこれでもかと言わんばかりにダビー・サウンドで攻めてきます。Vin Gordonの味のあるトロンボーンの音色がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qwUF6IqTI0c

「Dread Lion」
コレもかなりドープ!ダビーな哀愁ルーツ・レゲエが妖しく揺らめきます。不気味なメロディカの響きがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=fj6SEc93_2I

本曲はDean Fraser「Concrete Castle King」(1975年)と同じリズム・トラックです。
Dean Fraser「Concrete Castle King」
 https://www.youtube.com/watch?v=o7q2z2aLSmc

「Three in One」
コンガの効いたパーカッシヴなレゲエ・グルーヴと涼しげなフルートがダブ・ワールドに包まれている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPwsfdqDbgs

「Patience」
暗闇の奥から聞こえてくるかのようなレゲエ・グルーヴにPerryマジックが加わり、覚醒的な音世界に引きずり込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SRduyz5abCo

「Dub Along」
華のある女性コーラスでさえエコーかけまくりのPerryの徹底ぶりで本作を唯一無二の個性的作品にしているのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=cyVvR66W0YE

本曲はBlue Bells「Come Along」(1976年)と同じリズム・トラックです。
Blue Bells「Come Along」
 https://www.youtube.com/watch?v=gUIVZXQzd_Y

「Super Ape」
ダブという反則技的な表現手法の奥義を見せつけてくれるタイトル曲。僕でも吹けそうな適当な笛の音色がジャマイカン・レゲエらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JRZdEqpTmD4

Murs & 9th Wonder「Are You Ready?」のサンプリング・ソースとなっています。
Murs & 9th Wonder「Are You Ready?」
 https://www.youtube.com/watch?v=JSEcAN_e_Kw

本作の続編『Return of the Super Ape』(1977年)やLee "Scratch" PerryThe Upsettersによるもう1つの傑作Max Romeo & The Upsetters『War Ina Babylon』(1976年)もセットでどうぞ!

『Return of the Super Ape』(1977年)
Return of the Super Ape

Max Romeo & The Upsetters『War Ina Babylon』(1976年)
War Ina Babylon
posted by ez at 03:47| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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