発表年:1976年
ez的ジャンル:Buddah系ダンサブル・レディ・ソウル
気分は... :コレだよコレ!
女性R&BシンガーMelba Mooreが1976年にリリースした『This Is It』(1976年)です。
1945年N.Y.生まれの女性R&BシンガーMelba Mooreについて、当ブログで紹介したのは以下の4枚。
『Peach Melba』(1975年)
『Melba』(1976年)
『A Portrait of Melba』(1977年)
『Closer』(1980年)
本作『This Is It』(1976年)は、『Peach Melba』(1975年)に続くBuddahでの第2弾アルバムです。
当時「The Hustle」の大ヒットで注目を浴びていたVan McCoyをプロデューサーに迎え、ダンス/ディスコ路線へ大きく舵を切った1枚です。
レコーディングにはVan McCoy(p)をはじめ、Gordon Edwards(b)、Eric Gale(g)、Richard Tee(key)、Steve Gadd(ds)というStuffの面々、John Tropea(g)、Leon Pendarvis(clavinet、el-p)、Herbie Lovelle(ds)、Jim Young(ds)、Crusher Bennett(congas、per)、George Devens(vibe、per)等のミュージシャンが参加しています。
US R&Bチャート第18位となったタイトル曲「This Is It」が目立ちますが、都会的なスムーズ・ダンサー「Free」、フレンチ・ポップのダンス・カヴァー「Play Boy Scout」、キュートなメロウ・グルーヴ「Stay Awhile」あたりが僕のおススメ。Curtis Mayfieldのカヴァー「Make Me Believe You」もいいですよ。
R&Bシンガーとして飛躍するきっかけとなったダンス作品を満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「This Is It」
Van McCoy作。タイトル曲はUS R&Bチャート第18位となったダンス・チューン。Van McCoy起用の狙いがよく分かる華やかなダンス・サウンドをバックに、Melbaのポジティヴなヴォーカルが躍動します。Dannii Minogueがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=n3NOELCaN4A
「Free」
僕の一番のお気に入りはコレ。次作『Melba』ではVan McCoyと共にプロデュースを手掛けたCharles Kippsの作品。Melbaの透明感のあるキュート・ヴォーカルが映える華やかで都会的なスムーズ・ダンサーです。
https://www.youtube.com/watch?v=hdWEPIXYoQo
「One Less Morning」
コレもCharles Kipps作品。流麗なストリングスを配したフィリー・ソウル調のダンス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=drwmgXj2TD4
「Make Me Believe You」
Patti Joヴァージョンでも知られるCurtis Mayfield作品をカヴァー。Curtisヴァージョンはアルバム『Sweet Exorcist』(1974年)収録。Van McCoy流ディスコ× Curtis流ニュー・ソウルな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=La-qmen48QU
Patti Jo、Curtis Mayfieldヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?
Patti Jo「Make Me Believe You」
https://www.youtube.com/watch?v=TX87SBDDCFY
Curtis Mayfield「Make Me Believe You」
https://www.youtube.com/watch?v=fexIgzfOAiE
また、Overlord X「Weapon Is My Lyric」、Rasco feat. Evidence & Defari「Major League (Remix)」、Soul Supreme feat. KRS-One & Shuman「The Message」のサンプリング・ソースとなっています。
Rasco feat. Evidence & Defari「Major League (Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=GcmV1kaTDMo
Soul Supreme feat. KRS-One & Shuman「The Message」
https://www.youtube.com/watch?v=tIm5A_eEets
「Lean on Me」
Joe Cobb/Van McCoy作。Aretha Franklin、1971年のシングル「Spanish Harlem」のB面曲にもなっていた楽曲をカヴァー(オリジナルは1970年のVivian Reedヴァージョン)。アルバムからの2ndシングルとして、US R&Bチャート第17位となりました。感動バラードを堂々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=ywuAi7xNRzk
「Stay Awhile」
Joe Cobb/Van McCoy作。Melbaのキュートな魅力が伝わってきるメロウ・グルーヴ。個人的には「Free」「Blood Red Roses」に次ぐお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=Aunz5Mxdmd0
「Play Boy Scout」
Radiahによるフレンチ・ポップをカヴァー(Nino Ferrer作)。「Free」と並ぶお気に入り。フレンチ・ポップ・カヴァーのせいか、妖しいムードに包まれたダンス・チューンに仕上がっています。小悪魔的な魅力があって好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=p1arq1uza5M
「Blood Red Roses」
John Lewin/Michael Valenti作。ブロードウェイ・ミュージカルのカヴァー。ミュージカル出身らしい表現力のあるヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nJsoResFAvw
Ayatollah「Blood Red Roses」、Rapsusklei「Sangre」のサンプリング・ソースとなっています。
Ayatollah「Blood Red Roses」
https://www.youtube.com/watch?v=uWXGxHu0_lw
Rapsusklei「Sangre」
https://www.youtube.com/watch?v=odFvqWSZ654
「Brand New」
Earl Hawley Robinson作。ラストはゴスペル調コーラス隊が盛り上げてくれるダンス・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YCO3gREa0Ao
再発CDには「This Is It (12" Version)」、「Free (Extended Version)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
他のMelba Moore作品もチェックを!
『Peach Melba』(1975年)
『Melba』(1976年)
『A Portrait of Melba』(1977年)
『Melba '78』(1978年)
『Closer』(1980年)
『What a Woman Needs』(1981年)
『The Other Side of the Rainbow』(1982年)
『Never Say Never』(1982年)
『Read My Lips』(1985年)
『A Lot of Love』(1986年)