発表年:1999年
ez的ジャンル:実力派男性R&B
気分は... :懇願せよ・・・
今回は90年代R&B作品からMarc Dorsey『Crave』(1999年)です。
Marc DorseyはワシントンD.C.出身の男性R&Bシンガー。
映画監督Spike Leeに見出され、彼の監督作品『Crooklyn』(1994年)のサントラ収録曲「People Make the World Go Round」(The Stylisticsのカヴァー)でデビューします。さらにSpike Leeの監督作品『Clockers』(1995年)のサントラにも起用されました。
その後、MC Lyte「I Can’t Make A Mistake」(1998年)、Kelis「Ghetto Children」(1999年)にフィーチャリングされています。
Marc Dorsey「People Make the World Go Round」(1994年)
https://www.youtube.com/watch?v=ojx3w1Jhslc
MC Lyte Feat. Marc Dorsey「I Can’t Make A Mistake」(1998年)
https://www.youtube.com/watch?v=1xKGqh52iCQ
Kelis Feat. Marc Dorsey & N.E.R.D「Ghetto Children」(1999年)
https://www.youtube.com/watch?v=sh6ipIJy5Ys
そして、Jiveとの契約に成功し、遂にデビュー・アルバムとなる本作『Crave』(1999年)をリリースしています。
2002年にはLL Cool J「Luv U Better」でフィーチャリングされ、USシングル・チャート第4位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、グラミーにもノミネートされています。
さらにはJay-Z作品などにもフィーチャリングされましたが、知らぬ間にシーンから消えていました。
結果として、Marc Dorsey唯一のアルバムとなった本作『Crave』(1999年)は、商業的には成功しませんでしたが、中身はかなり充実しています。90年代カテゴリーに区分していますが、肌触りとしては2000年代R&B作品といった感じです。
メイン・プロデュースはLarry "Rock" CampbellとTimmy Allen。
シングルにもなった「If You Really Wanna Know」、セクシーな「Break It Down」、Stevie Wonderの名曲カヴァー「All I Do」、Eugene Wildeの作の「In The Ghetto」、素敵なラブ・バラード「Love You Again」あたりが僕のおススメです。
それ以外にも佳曲が揃った魅力的な男性R&B作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「If You Really Wanna Know」
Manuel Sealプロデュース。シングルにもなったオープニング曲。セクシー&ダンサブルながらも、しっかりMarcのヴォーカルを聴かせてくれるのがいいですね。彼の声質の良さを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=3FKQ106DJK8
「Break It Down」
Mattias Gustafsson/Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。セクシーな魅力に溢れたミディアム・グルーヴ。派手さはありませんが、巧みなプロダクションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=69ywdZFGcJI
「Tell Your Man (He's Gotta Go)」
Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。美しいアコギの響きが印象的なビューティフル・バラード。歌詞の方が切ないですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=NRuq7qvcgug
「Crave」
シングル・カットもされたタイトル曲は映画『The Wood』(1999年)のサントラにも収録されました。美しいストリングスとアコギをバックに、切々と歌い上げる感動バラードです。Marcの声質の良さが映えます。Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=ybIYF0hGZbk
「Can You Ever Love Somebody」
Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。オルガン&ベースの効いたバッキングが印象的なミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=tnOYJhLPAdY
「All The Way」
Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。2000年前後のR&Bらしい雰囲気の漂う哀愁ミディアム。バック・ヴォーカルのFitzgerald Scottとの掛け合いがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=2H7DcEKb0tw
「As We Lay」
Shirley Murdockの名バラードをカヴァー(Roger Troutman/Billy Beck作)。オリジナルは『Shirley Murdock』(1986年)に収録されています。男性アーティストがこの曲をカヴァーするのは少し意外ですが、スケールの大きい感動バラードを堂々と歌い上げます。Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=-dSf6B8ImCc
「All I Do」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは『Hotter than July』(1980年)に収録されています。Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。2000年モードの「All I Do」といった雰囲気があって格好良いカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9hf5JINvt5Q
「In The Ghetto」
Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。80〜90年代に活躍した男性R&BシンガーEugene Wildeの作品です。Marcのヴォーカルとサウンド・プロダクションが楽曲の良さをうまく引き出している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dm31BHgCr3s
「Love You Again」
Larry "Rock" Campbell/Timmy Allenプロデュース。ラストは素敵なラブ・バラードで感動的に締め括ってくれます。思わず涙腺が崩壊しそうになりますよ!
深夜テレビでショーケンを追悼する特別番組、『傷だらけの天使』最終回を見ていたら胸が熱くなってきました。やはりショーケンは格好良かったなぁ・・・
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。