2019年04月28日

Celso Fonseca『Turning Point』

進化を止めないベテランのネオ・ボッサ☆Celso Fonseca『Turning Point』
ターニング・ポイント
発表年:2018年
ez的ジャンル:円熟味ネオ・ボッサ
気分は... :進化を止めないベテラン

新作からベテランのブラジル人ギタリスト/シンガー・ソングライターCelso Fonsecaの最新アルバム『Turning Point』です。

2018年発売のようですが、国内に流通するようになったのが最近なので2019年新作扱いにさせていただきます。

現在のブラジル音楽シーンを代表するギタリスト/シンガー/コンポーザー/プロデューサーCelso Fonsecaに関して、当ブログではこれまで7枚のアルバムを紹介済みです。

 『Paradiso』(1997年) 
  ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
 『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
  ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
 『Natural』(2003年)
 『Rive Gauche Rio』(2005年)
 『Pagina Central』(2009年) 
  ※Marcos Valle & Celso Fonseca名義
 『No Meu Filme』(2011年)
 『Like Nice』(2015年)

前作『Like Nice』(2015年)から約3年ぶりとなる新作ですが、相変わらず円熟味のあるボッサ・ワールドで魅了してくれます。

この人の場合、元々枯れた味わいが魅力なので、年齢を重ねるほどに深みが増す感じがいいですね。

プロデュースはCelso Fonseca本人。

レコーディングにはCelso Fonseca以外に、Junior CastanheiraDudu TrentinRricardo Mota等が参加しています。また、パナマ生まれの人気女性シンガーErika Enderがゲスト参加しています。

Junior CastanheiraDudu TrentinはFonsecaと共にアレンジでも貢献しています。

アコースティック・サウンドとエレクトロニカ/プログラミングの組み合わせが目立つ本作ですが、エレクトロニカ/プログラミングがアコースティックの美しさを邪魔せず、逆に引き立てている感じがいいですね。相変わらず引き算の美学を感じるネオ・ボッサ・ワールドです。

ベテランならではの円熟のネオ・ボッサを満喫できますが、新たなスタイルを模索する新境地にも出会えるのがいいですね。以前からアコースティック・サウンドとエレクトロニカ/プログラミングの組み合わせの妙を心得ている人ですが、ますます磨きがかかった感があります。

Coldplayのカヴァー「Sparks」以外はCelso Fonsecaのオリジナルです(共作含む)。

他のCelso Fonseca同様、長く愛聴できそうな魅力を持ったネオ・ボッサ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Mais Perto De Mim」
Celso Fonsecaらしい引き算の美学を感じるオープニング。淡々としながらもジワジワ味わいが増してきます。バンドネオンの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MTiGY5Y-zL0

「Like a Bossa Nova」
Fonsecaの素敵なギターと囁きヴォーカルの魅力を満喫できるロマンティック・ボッサ。聴いているだけでバカンス・モードの寛いだ気分になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JWQ4TxLe000

「When You Came」
美しいアコースティック・サウンドとエレクトロニカのアクセントを巧みに融合させたビューティフル・ソング。実にコンテンポラリーなセンスに溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=BLYkBszkklA

「Vem Pra Cuidar De Mim」
ベテランならではの味わい深さを感じる哀愁ボッサ。この美しい枯れ具合はCelso Fonsecaならではですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VK444_F9foQ

「Desliga a Luz」
パナマ生まれの女性シンガーErika Enderとのデュエット。オトナの色気に溢れたアーバンなボッサ・デュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=bZxnAJYXrJk

「Inutilidade」
ジェントルなFonsecaのヴォーカルがよく似合う1曲。派手さはありませんが、コンテンポラリーなサウンド・センスも冴えています。
https://www.youtube.com/watch?v=hOxgDfGqhX8

「Turning Point」
タイトル曲はエレクトロニカ/プログラミングを前面に打ち出したダンサブル・チューン。本作において最も冒険している曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=0-9BePxsGac

「Sparks」
UKの世界的ロック・バンドColdplayのデビュー・アルバム『Parachutes』収録曲をカヴァー(Guy Berryman/Jonny Buckland/Will Champion/Chris Martin作)。Coldplayの音世界を尊重しつつ、Fonsecaらしい味わいに仕上げる手腕は流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=nfSjoB5LtK8

「O Que Move Essa Cancao」
エレクトロニカなエッセンスを上手く取り入れたネオ・ボッサ。昔からそうですが、エレクトロニカを取り入れるセンスがこの人は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b_gxvL7H5Ok

「Quando Tudo Parece Quieto」
哀愁メロディを、寂しげなジェントル・ヴォーカルで歌う絶品ボッサ。余韻も含めて噛みしめて味わいたい気分です。
https://www.youtube.com/watch?v=bBT0xu3hG2Q

「Delicadeza」
ラストはエレクトロニカのエッセンスを巧みに駆使したクール・サウンドが印象的なミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VzUe9YZfVig

Celso Fonsecaの過去記事もご参照下さい。

『Paradiso』(1997年)
Paradiso

『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
Juventude / Slow Motion Bossa Nova

『Natural』(2003年)
Natural

『Rive Gauche Rio』(2005年)
Rive Gauche Rio

『Pagina Central』(2009年) 
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『No Meu Filme』(2011年)
No Meu Filme

『Like Nice』(2015年)
Like Nice
posted by ez at 02:40| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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