発表年:1992年
ez的ジャンル:ミューズ系MPB
気分は... :90年代のGalも忘れずに・・・
MPBの歌姫Gal Costaの『Gal(1992)』(1992年)です。
※他に同タイトルのアルバムがあるため、便宜上『Gal(1992)』と表記しておきます。
これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の10枚。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『India』(1973年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
1992年にリリースされた本作『Gal(1992)』では、アフロ・ブラジリアンな楽曲を中心に、円熟味を増したGalワールドを楽しむことができます。
Noel Rosa、Cartola、Antonio Carlos Jobimといったブラジルの偉大なミュージシャンや盟友Caetano Velosoのカヴァー、バイーア州生まれの男性SSWGeronimoや当時は気鋭ミュージシャンであったCelso Fonsecaの楽曲などバランスの良い構成になっています。
本作らしいアフロ・ブラジリアンなアプローチを楽しめる「Coisas Nossas」や「E d'Oxum」、「Don't Worry, Be Happy」の大ヒットで知られる人気黒人ジャズ・シンガーBobby McFerrinをフィーチャーしたCole Porterカヴァー「The Laziest Gal In Town」、作者Jobimもピアノで参加した名曲カヴァー「Caminhos Cruzados」、Noel Rosaの感動的カヴァー「Feitio de Oracao」、ヴィオランのみをバックに歌うCartolaカヴァー「Cordas de Aco」、作者Celso Fonsecaが鮮やかなギターでサポートする「Comunida」あたりがおススメです。
どうしてもデビューから80年代半ばあたりまでの作品が注目されがちなGal Costaですが、隠れた名盤だと思います。
円熟のGalワールドをぜひ!
全曲紹介しときやす。
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
アルバムのテーマ曲とも言うべきアフロ・ブラジリアンな小曲。
「Revolta Olodum」
Domingos Sergio/Jose Olissan作。Galの凛としたヴォーカルが映えるアコースティックなアフロ・ブラジリアン。
https://www.youtube.com/watch?v=uKrWggqDtPE
「Coisas Nossas」
ブラジルの伝説的シンガー・ソングライターNoel Rosaの作品をカヴァー。軽やかなサンバのリズムと共にGalのヴォーカルも爽やかに躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=o3r0ePIf5a4
「Tropicalia」
盟友Caetano Velosoのカヴァー。オリジナルは『Caetano Veloso』(1968年)に収録されています。コンテンポラリーな仕上がりですが、エレクトリック・ギター&シンセでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=JySO-UCLEuY
「The Laziest Gal In Town」
Marlene Dietrichで知られるCole Porter作品をカヴァー。Bobby McFerrinをフィーチャー。McFerrinの素敵なスキャットに包まれ、Galのヴォーカルが優しく響くメロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=cYyHUX7ED3k
「Raiz」
J. Velloso/Roberto Mendes作。軽やかなヴィオランの響きがGalのヴォーカルをナビゲートします。爽快かつ華やいだ雰囲気が素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z8zd52a6-yg
「E d'Oxum」
Geronimo/Veve Calasans作。本作らしいアフロ・ブラジリアン色の強い1曲。Galのヴォーカルにはフリーダムな土着的リズムがよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=JIhzrFI2Qyg
「Comunida」
Celso Fonseca/Gilberto Gil作。
作者Celso Fonsecaヴァージョンはアルバム『O Som Do Sim』(1995年)に収録されています。そのCelso Fonsecaもアレンジ&ギターで参加。Celsoの鮮やかなギターが映える生命感のある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pyIaw1GezVk
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」のパート2。
「Cordas de Aco」
サンバの巨人Cartolaのカヴァー。オリジナルは『Cartola』(1976年)に収録されています。
Marco Pereiraの素敵なヴィオランのみをバックに、Cartolaの名曲をGalが情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zcq-OCok_Qs
「Caminhos Cruzados」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。作者Jobim本人をゲストに迎えたカヴァー。数あるJobim作品の中でかなり上位で好きな曲なので、それをGalがカヴァーしてくれるだけでサイコーです。しかもJobimのピアノ付!この曲の世界観を見事に表現しきっている素敵なカヴァー。
当ブログではIve Mendes、Nicola Conte/Stefania Dipierroのカヴァーも紹介済みです。
「Feitio de Oracao」
Noel Rosa/Vadico作。Noel Rosaの作品をカヴァー2曲目。サウダージな感動メロウ・バラード。「Caminhos Cruzados」からの流れがサイコーですね。
https://www.youtube.com/watch?v=klBjjSpkbps
「Rumba de Jacarepagua」
Haroldo Barbosa作。開放的なライト・メロウ・ルンバ。楽しげなGalのヴォーカルが聴く者をハッピーにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=srqksMT2iTU
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」
「Saudacao aos Povos Africanos/Ingena」のパート3。ラストはアフロ・ブラジリアンな余韻で締め括ってくれます。
Gal Costaの過去記事もご参照下さい。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『India』(1973年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)