発表年:1989年
ez的ジャンル:男女R&Bトリオ
気分は... :根源的時間を生きる!
今回は3人組R&BユニットThe Family Standの1stアルバム『Chain』(1989年)です。
The Family Standは女性R&BシンガーSandra St. VictorとPeter Lord Moreland、V. Jeffrey Smithという男性ミュージシャン2人がN.Y.で結成したR&Bユニット。
前身のEvon Geffries and the Stand名義でアルバム『Chapters: A Novel』(1987年)をリリースした後、グループ名をThe Family Standと改め、その第一弾アルバムとなったのが本作『Chain』(1989年)です。
1991年には2ndアルバム『Moon in Scorpio』をリリースし、それと前後してPaula Abdul『Spellbound』のプロデュース&ソングライティングで成功を収めました。
しかしながら、Sandra St. Victorがソロ転向のため、グループを脱退してしまいます。グループにはSandraの後釜としてJacci McGheeが加入し、アルバム『Connected』(1998年)をリリースしています。
その後、2006年にオリジナル・メンバー3名でリユニオンし、2007年にはリユニオン・アルバム『Super Sol Nova Vol.1』をリリースします。
The Family Stand名義の初アルバムとなる本作『Chain』(1989年)からはUKチャート第10位となったグループ最大のヒット「Ghetto Heaven」が生まれています。ただし、シングルのメインはSoul II Soul(Jazzie B/Nellee Hooper)によるリミックスでしたが。
プロデュースはJeffrey SmithとPeter Lordという男性メンバー2名。
どうしてもシングルになった「Ghetto Heaven (Remix)」およびオリジナル・ヴァージョンの「Ghetto Heaven」が目立ってしまいますかね。
他に「In Summer I Fall」、「Sweet Liberation」の2曲がシングル・カットされていますが、個人的には「Twisted」、「Avenue Lust」、「Little White, Little Black Lies」といったこのグループらしいダンサブル・チューンがおススメです。
アルバム全体としては、ダンサブルながらもロック・フィーリングが随所に散りばめられているのも印象的です。ブラック・ロック路線は次作『Moon in Scorpio』(1991年)で推し進められることになりますが・・・
3人の才能を十分に感じる充実の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Ghetto Heaven」
前述のようにUKチャート第10位となったシングルのアルバム・ヴァージョン。リミックス・ヴァージョンと比較すると分が悪いかもしれませんが、Dexter Wansel「Theme From the Planets」、James BrownJames Brown「Funky Drummer」 、Bobby Byrd「Hot Pants (Bonus Beats) 」、Syl Johnson「Different Strokes」をサンプリングした本ヴァージョンのダンサブル感も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=rI2-woTkPJg
「Twisted」
シングル向きの格好良いダンサブル・チューン。男性メンバー2名の美学が貫かれたFamily Standらしいファンク・チューンだと思います。ホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=hVBVb2TmvuM
「Only」
男性メンバー2名中心のダンサブル・チューン。Mike Campbellのギターが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VT-qMrOZS_s
「In Summer I Fall」
この曲もシングルになりました。Sandra St. Victorの圧倒的なソウルフル・ヴォーカルが映えるミディアム。やはり彼女のヴォーカルの存在感は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ROB655-WBLs
「Ovasaxed」
Jeffrey Smithのサックスをフィーチャーしたインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=yRGL1jz2cmg
「Sweet Liberation」
この曲もシングルになりました。ヘヴィなビートにエモーショナルな男女ヴォーカルで迫るミディアム・グルーヴ。Tanya Willoughbyのヴァイオリンがアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9-N-4cpp6RY
「The Last Temptation」
ロック・フィーリングの効いたミディアム・バラードをエモーショナルに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=LKs6ZCksIi8
「Chain」
タイトル曲はギターが唸るロック調のミディアム・グルーヴ。このグループの志向性がよく分かる1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=progtGb5jPM
「Avenue Lust」
ファルセット・ヴォーカルを駆使したセクシーなダンサブル・チューン。妖しげな魅力が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=casJAfB-9Fg
「Little White, Little Black Lies」
本編のラストは男女ツイン・リードによるキャッチーで妖しげなファンク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JakbYtBtIJI
「Ghetto Heaven (Remix)」
シングル・ヒットしたSoul II Soul(Jazzie B/Nellee Hooper)によるグラウンドビートのリミックス。Coke Escovedo「I Wouldn't Change a Thing」をサンプリングし、James Brown「Can I Get Some Help」の声ネタも使っています。乗りに乗っていた当時のSoul II Soulの勢いを感じるリミックスです。Common feat. D'Angelo「Geto Heaven」でも使われています。
僕の保有するCDにはボーナス・トラック的扱いで収録されていますが、盤によっては未収録のものもあるようなので購入時にはご留意ください。
https://www.youtube.com/watch?v=IFoBTl5qT0M
The Family Standの他作品もチェックを!
Evon Geffries And The Stand『Chapters: A Novel』(1987年)
『Moon in Scorpio』(1991年)
『Connected』(1998年)
『Super Sol Nova Vol.1』(2007年)