2019年06月22日

Trey Lewd『Drop The Line』

George Clintonの息子、唯一のアルバム☆Trey Lewd『Drop The Line』
Drop the Line
発表年:1992年
ez的ジャンル:P-Funk系ファンク
気分は... :二世はつらいよ・・・

今回はP-Funkの総帥George Clintonの息子Trey Lewd『Drop The Line』(1992年)です。

George Clintonと女性R&BシンガーTamala Lewisの間に生まれたTrey Lewd(本名:Tracey Lewis)。

The P-Funk All Starsなど父George Clinton絡みの作品に参加していますが、彼自身のアルバムとしてリリースされたのは本作『Drop The Line』(1992年)のみです。

それ以外にAndre FoxxeとのユニットFlastic Brain Flamとしても楽曲をリリースしています。

近年はあまり彼の名を目にすることがありませんでしたが、Funkadelic『First Ya Gotta Shake The Gate』(2014年)には参加していました。

さて、唯一のアルバムである本作『Drop The Line』(1992年)ですが、冒頭2曲を除き、George Clintonがプロデュースを手掛け、Bootsy CollinsGarry ShiderMichael HamptonといったP-Funkの重鎮が参加しています。

さらにはAmp FiddlerCecil Womack Jr. Curtis Womack Jr.Flastic Brain Flamの仲間であるAndre FoxxeJoe HarrisLloyd WilliamsTrey StoneというL.A.ファンク・バンドDream Machineの元メンバー3名、Ice Cube絡みで知られるDJ、Sir Jinx、L.A.のラッパーDazzie Dee、女性シンガーBiti Strauchn、ラッパーKlassy K等も参加しています。

アルバムの内容ですが、George ClintonプロデュースといってもFunkadelic/Parliament的なP-Funkサウンドが前面に打ち出されているわけではありません。

Hip-Hop、NJS、ヒップハウスなど当時らしいサウンドとP-Funkのエッセンスの融合というのがアルバム全体の印象です。特にTrey本人の志向はHip-Hop寄りだったのではないでしょうか。それでもTreyのヘナヘナ・ヴォーカル自体がP-Funkの雰囲気を醸し出しているのが面白いですが。

親父さんの監視下で、P-FunkとHip-Hop等の当時のトレンドがせめぎ合っている感じが面白い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I'll Be Good To You」
オープニングはセルフ・プロデュース。さらにはSir Jinxもプロデュースに加わり、Dazzie Deeのラップが登場するHip-Hop×NJSなオープニング。Treyのヘナヘナ・ヴォーカルが怪しげなサウンドと妙にマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ktjmItpiRfg

「Hoodlum Who Ride」
この曲もSir Jinxによるプロダクションです。The Mohawks「The Champ」をサンプリングしたダンサブル・トラックはこの時代らしい音ですね。重低音の効いた疾走感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=XkYX4RpXjgo

「Duck And Cover (Nuclear Butt-Bomb Booty Bang Bang)」
この曲以降はGeorge Clintonプロデュース。Flastic Brain Flamの仲間Andre Foxxeとの共作です。P-FunkというよりもPrince/ミネアポリス・ファンク調の仕上がりですが、時折P-Funkのエッセンスが顔を覗かせるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bzzi-FZS-o8

「Yank My Doodle」
Amp Fiddlerとの共作。Hip-Hop色の強いトラックでTreyのヴォーカルもラップ調です。それでも親父さんのコントロール下なのでP-Funkらしさも残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=mB5XBWgCG90

「Rooster」
George Clintonがソングライティングでも関与したP-Funkテイストのファンク・チューン。ロッキン・ギターとP-Funkらしいコーラスワークが印象的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jLnfXJyGppY

「Nothing Comes To A Sleeper But A Dream」
奇を衒ったヴォーカル・エフェクトが印象的ですが、あまり成功しているとは思えません。ただし、ホーン・サウンドを交えた重量ファンク・サウンド自体は悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=1WszOh8cnfM

「Wipe Of The Week」
ヒップ・ハウス調のダンサブル・チューン。コーラスワークがP-Funk調です。
https://www.youtube.com/watch?v=3zhPpSgdbf8

「Drop The Line」
タイトル曲はHip-Hop調の哀愁ファンク。この曲を聴いているとTreyの志向はP-FunkよりもHip-Hopに向かっていた気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=tH-bZwf9r0I

「Man Of All Seasons」
ジャジーなエッセンスを加味したミディアム・ファンク。なかなかいい出来だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=NyaV6--Vilw

「The Next Thing You Know (We'll Be)」
Biti Strauchnとのデュエット。Klassy Kもラップで参加しています。P-Funkらしい哀愁メロウ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=y5aK5nRzMTo

「Squeeze Toy」
ラストはGarry Shiderもプロデュースに加わっています。ユルい感じのスロウ・ファンクでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=D263AfYjUgE

ここ数日はかなり忙しかったので疲労困憊。
ゆっくり休みたいのですが、週末もやることだらけでそうもいかず(泣)
posted by ez at 13:48| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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