発表年:1984年
ez的ジャンル:N.Y.アーバン・ソウル
気分は... :脱構築・・・
今回は80年代に活躍した男性ソウル・シンガーKashifの2ndアルバム『Send Me Your Love』(1984年)です。
Kashif(Kashif Saleem)(1959-2016年)はN.Y.出身の男性ソウル・シンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサー/ソングライター。
後期B.T. Expressのメンバーとして活動した後、Evelyn "Champagne" King『I'm In Love』(1981年)を皮切りに、Melba Moore、High Fashion、Whitney Houston、George Benson、Kenny G、La La等のプロデューサー/ソングライターとして頭角を現します。
1983年には『Kashif』でソロ・デビュー。それ以降も80年代に4枚のアルバムをリリースしています。
僕の中では80年代の人気男性ソウル・シンガーというイメージですが、改めてチャート・アクションを確認すると、それ程大ブレイクという訳ではありませんでしたね。それでもプロデューサー/ソングライターとしての手腕も含めて80年代を代表するソウル・アーティストの一人ではないかと思います。
今回紹介する2ndアルバム『Send Me Your Love』(1984年)は、US R&Bアルバム・チャート第4位(USアルバム・チャート第51位)となった作品であり、彼の全アルバムの中で最高位を記録しました。
内容的にも有名アーティストが多数参加し、KashifらしいN.Y.アーバン・サウンドが冴えるキャリアを代表する1枚に仕上がっていると思います。
プロデュースはKashif自身。
アルバムにはWhitney Houston、George Benson、Kenny G、Al Jarreau、La La、Siedah GarrettMelissa Morganといったアーティストが参加しています。
レコーディングにはKashif(vo、key、syn、b、ds、per)以下、Ira Siegel(g)、Wayne Brathwaite(b)、Bashiri Johnson(per)、Roy Wooten(ds)、Joe Wooten(key)、Jeff Smith(sax、back vo)、Steve Horton(key)、Eddie Martinez(g)、Ronnie Drayton(g)、Lillo Thomas(back vo)、Michelle Cobbs(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
US R&Bチャート第6位となったアーバン・ダンサー「Baby Don't Break Your Baby's Heart」、シングルにもなったWhitney Houstonとのデュエット・バラード「Are You The Woman」、グラミーにもノミネートされたAl Jarreauとの共演曲「Edgartown Groove」、メロウ・バラードのタイトル曲「Send Me Your Love」あたりが注目曲だと思います。
個人的にはSiedah Garrettとのデュエット「Love Has No End」、エレクトリック・ブギーなインスト「Call Me Tonight」、George BensonのギターをフィーチャーしたKenny Gとの共作曲「I've Been Missin' You」、AOR的な魅力がある「That's How It Goes」もおススメです。
ブラコン好きの人にはたまらない1枚なのでは?
全曲紹介しときやす。
「Baby Don't Break Your Baby's Heart」
Kashif作。シングル・カットされ、US R&Bチャート第6位となったアーバン・ダンサー。N.Y.らしいダンサブル・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=X8dFCZdTbGs
「Ooh Love」
Kashif作。80年代ブラコンらしいキラキラした都会的グルーヴが魅力のアーバン・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=esmToOwUJRE
「Are You The Woman」
Kashif作。Whitney Houstonをフィーチャーしたアルバムからの2ndシングル。アーバン・ナイトに相応しいメロウ・バラード。素晴らしいの一言に尽きます!
https://www.youtube.com/watch?v=8rX-15SmneE
Metro Boomin feat. 21 Savage「10 Freaky Girls」のサンプリング・ソースとなっています。
Metro Boomin feat. 21 Savage「10 Freaky Girls」
https://www.youtube.com/watch?v=l-pZco9ZLOQ
「Love Has No End」
Kashif作。後にMichael Jacksonとのデュエット「I Just Can't Stop Loving You」でブレイクするSiedah Garrettとのデュエット。シンセ使いのセンスがいい感じのメロウ・ミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=IWUObbgSyEw
「Call Me Tonight」
Joe Wooten/Roy Wooten/Kashif作。Joe Wooten、Roy WootenというThe Wootensメンバーとの共作によるエレクトリック・ブギーなインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=oYhpf-_8b5g
「Send Me Your Love」
Kashif作。La Laをフィーチャー。タイトル曲はN.Y.らしい雰囲気のアーバンなメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=rsPjhX5_K7s
Warm Brew「Proper Amount」、4est & Karas feat. Rover「Pani Doktor」のサンプリング・ソースとなっています。
Warm Brew「Proper Amount」
https://www.youtube.com/watch?v=dS4VFvMe6g0
4est & Karas feat. Rover「Pani Doktor」
https://www.youtube.com/watch?v=tTWLbRMjpDc
「I've Been Missin' You」
Kashif/Kenny G 作。George Bensonのギターをフィーチャー。作者のKenny G はサックスではなくキーボードで参加しています。George Bensonのギターがいいアクセントになっているオトナのアーバン・ダンサーです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZK7RyxD1fnA
「Edgartown Groove」
Al Jarreau/Kashif作。Al Jarreauとの共演曲であり、グラミーのBest R&B Performance by a Duo or Group with Vocalにもノミネートされました。スキャットを交えたAl Jarreauらしい歌世界とKashifらしいN.Y.サウンドの融合が興味深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=ylhhPQkii4k
「That's How It Goes」
Steve Horton作。本作で唯一の本人以外の作品ですが、コレがかなり僕好み。AOR的な魅力もある都会的サウンドがいい感じのアーバン・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=CHX7xQKzbBw
Kashifの他作品もチェックを!
『Kashif/Send Me Your Love』(1983/1984年) ※2in1CD
『Condition of the Heart』(1985年)
『Love Changes』(1987年)
『Kashif』(1989年)
『Music From My Mind』(2003年)