発表年:2018年
ez的ジャンル:新世代ブラジル人シンガー・ソングライター
気分は... :新しいサウダージ...
今回はブラジル人アーティストの新作からRubel『Casas』です。
『ラティーナ (Latina)』誌の2018年ブラジル・ディスク大賞の第1位に選ばれたことでも話題になった1枚です。今年に入って国内盤がリリースされました。
GW前に購入し、愛聴していましたが、他作品の紹介を優先していたらこのタイミングになってしまいました。
Rubel(本名:Rubel Brisolla)はリオデジャネイロ出身の男性シンガー・ソングライター。現在26歳前後だと思います。
音楽一家に生まれ、十代半ばにはロック・バンドを組んでいましたが、大学では映像を学び、交換留学生としてアメリカ、テキサス州オースティンへ行きます。そして、オースティンで録音機材を借り、2週間でレコーディングした作品が2015年にデビュー・アルバム『Pearl』としてリリースされました。
そして、ブラジルに帰国後の2018年に制作されたのが2ndアルバムとなる本作『Casas』です。
(未聴ですが)シンプルなアコースティック作品だった『Pearl』に対して、本作『Casas』は映像にも造詣の深いRubelのアーティスティックなサウンド・センスが発揮された1枚に仕上がっています。
アコースティック・サウンドとエレクトロニカを巧み融合させつつ、しっかりブラジルらしさも感じられるメロウ・サウンドがいいですね。
レコーディングにはAntonio Guerra(p、el-p、org)、Gus Levy(g)、Pablo Arruda(b)、Pedro Fonte(ds、MPC)、Rodrigo Martins(prog)、Bubu Silva(tp)等が参加しています。
また、Emicida、Rincon Sapienciaといったブラジル人ラッパーをフィーチャリングした楽曲もあります。これが違和感なくハマっています。
国内盤ライナーノーツで当ブログでも紹介したSilva『Brasileiro』(2018年)と本作には「新しいサウダージ」という共通点がある指摘されていましたが納得です。
新しいサウダージをぜひご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Intro」
美しいストリングスによるイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=itDuYlWS4vk
「Colegio」
アコギ&ストリングスに薄っすらとエレクトロニカを効かせたサウダージ感覚のメロウ・チューン。クールなトーンがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RBtKFwUhLAA
「Cachorro」
SSWらしいブラジリアン・フォーキー。さり気なさの中に、ブラジル人SSWならではの味わいがあります。エンディングを迎えたようでそうではない遊び心も心憎い!
https://www.youtube.com/watch?v=EZ_oBZrQWT0
「Pinguim」
ホーン&ストリングスを巧みに配したメロウ・チューン。ジワジワと心の中に浸透してくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=Qtc_9Lefxpg
「Casquinha」
哀愁サンバ調の枯れた味わいが魅力の1曲。このさり気なさ大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=TODSIBzRw7k
「Batuque」
次曲のイントロ的な土着的パーカッションの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=kIvYUDyLC5M
「Mantra」
ブラジルの人気ラッパーEmicidaをフィーチャー。ラップ入りですが、寛いだ雰囲気で軽くパーカッシヴなメロウ・チューンは実にブラジルらしいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=avRmAJE9jLI
「Passagem」
1分強のインタールード的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=aYN3d2sbLbE
「Explodir」
シンプルな弾き語りによるフォーキー・チューン。飾らない切々とした感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tFNiC50aEQ0
「Sapato」
エレクトロニカを効かせたアーバン・メロウ・サウンドとブラジル人らしい哀愁メロディがよくマッチした1曲。次世代アーティストらしい雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UTlwffREQCw
「Chiste」
ブラジル人ラッパーRincon Sapienciaをフィーチャー。ブラジリアンHip-HopとRubelの音世界が違和感なく融合しています。エレクトロニカなアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=mgYZZRR4rhc
「Fogueira」
美しいストリングスを配した1分強のインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=205yaApdGQI
「Partilhar」
Rubelのポップ・センスを垣間見ることができる1曲。やり過ぎないポップ・ワールドが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=ivHE7pQEEHI
「Santana」
ラストは美しいバラードで締め括ってくれます。ここでもサウンド・センスの良さが感じられます。
https://www.youtube.com/watch?v=YDothilEitw
本作が気に入った方は、前述のSilva『Brasileiro』(2018年)もチェックしてみは?
Silva『Brasileiro』(2018年)
ありがとうございます。
新しいサウダージ感がいいですね。