発表年:1995年
ez的ジャンル:N.Y.クイーンズ系Hip-Hop
気分は... :激しい雨...
90年代イーストコーストHip-HopからKool G Rap『4, 5, 6』(1995年)です。
Kool G Rap(本名:Nathaniel Thomas Wilson)は1968年N.Y,クイーンズ出身の男性ラッパー。
Marley Marlらが作ったクイーンズのHip-HopクルーJuice Crewの一員として、DJ Poloと組みKool G Rap & DJ Polo名義で活動を開始します。
Kool G Rap & DJ Poloとして、『Road to the Riches』(1989年)、『Wanted: Dead or Alive』(1990年)、『Live and Let Die』(1992年) という3枚のアルバムをリリースしています。
DJ Poloとのコンビ解消後はソロ名義での活動を開始し、本作『4, 5, 6』(1995年)を皮切りに最新作Kool G Rap & 38 Spesh『Son of G Rap』(2018年)まで8枚のアルバムをリリースしています(共演作含む)。
結局、ソロ第一弾となった本作『4, 5, 6』(1995年)が最も商業的に成功したアルバムなりました(US アルバム・チャート第24位、同R&Bアルバム・チャート第1位)。
アルバムにはNas、B-1、MF Grimmがフィーチャリングされています。
また、プロデューサーにはDr. Butcher、Naughty Shorts、T-Ray、Buckwildが起用されています。
1stシングル「It's a Shame」、Nasをフィーチャーした2ndシングル「Fast Life」、Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」ネタの「Blowin' Up in the World」といったHip-Hopクラシックが収録されています。
それ以外に不穏な空気に包まれたタイトル・トラック「4,5,6」、メロウ・トラックによる鎮魂歌「For Da Brothaz」、男気のある「Ghetto Knows」、キャッチーなジャズ・ファンク・トラックの「Money on My Brain」あたりもおススメです。
正直、ギャングスタ系Hip-Hop作品は得意ではない僕ですが、そんな僕でも惹かれてしまうサムシングがある1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
Dr. Butcherプロデュース。アルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=AkzU_CcVCqE
「4,5,6」
Dr. Butcherプロデュース。Weather Report「Mysterious Traveller」をサンプリングした張り詰めた空気の不穏なトラックとハードコアなラップが印象的なタイトル曲。Nas「N.Y. State of Mind」の声ネタも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=2x0-TPYWxRY
「It's a Shame」
Naughty Shortsプロデュース。アルバムからの1stシングルにもなったHip-Hopクラシック。Southside Movement「Love Is for Fools」をサンプリングした哀愁トラックをバックに、Kool G Rapが鋭いリリックを畳みかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=hzgLBv3z_Bo
「Take 'Em to War」
B-1、MF Grimmをフィーチャー。T-Rayプロデュース。David Axelrod「A Divine Image」をサンプリング。 後半はBumpy Knuckles feat. Kool G Rap「Cook a Niggaz Ass」のリリックが再現されます。
https://www.youtube.com/watch?v=wjE-4UPwLhg
「Executioner Style」
Dr. Butcherプロデュース。Gary Burton「Leroy the Magician」をサンプリング。ハードコアなストリートの空気感が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=0pcMCrKwrmk
「For Da Brothaz」
T-Rayプロデュース。Art Farmer「Soulsides」、Idris Muhammad「Power of Soul」をサンプリングしたメロウ・トラックをバックに、仲間を鎮魂しています。
https://www.youtube.com/watch?v=UaqVc7oo2jU
「Blowin' Up in the World」
Buckwildプロデュース。このトラックもHip-Hopクラシックとして人気が高いのでは?個人的にも一番のお気に入りです。Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」、Milly & Silly「Gettin Down for Xmas」をサンプリングしたメロウ・トラックをバックに、男気のあるラップを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n491xFgN8PA
「Fast Life」
Nasをフィーチャー。アルバムからの2ndシングルにもなったHip-Hopクラシック。Buckwildプロデュース。Nas参加という話題も含めてアルバムのハイライトかもしれませんね。Surface「Happy」をサンプリングし、映画『Scarface』におけるAl Pacinoの語りの挿入も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=zp5EOREHcuY
A Tribe Called Quest「Jam」(1996年)、Raekwon「Still Strugglin'」等のサンプリング・ソースとしても人気です。
「Ghetto Knows」
Naughty Shortsプロデュース。Sons of Champlin「You Can Fly」をサンプリング。 Kool G Rapらしい野太い迫力のあるラップが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=rqtdkJ1ddR8
「It's a Shame (Da Butcher's Mix)」
Dr. Butcherプロデュース。「It's a Shame」のリミックス。コチラはRyo Kawasaki「Bamboo Child」をサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ud5Jd7H_KQU
「Money on My Brain」
B-1、MF Grimmをフィーチャー。Dr. Butcherプロデュース。Herbie Hancock「Chameleon」、Avalanche「Overnight Sensation」をサンプリングしたジャズ・ファンク・トラックがキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=2AsSZLbT-oY
Kool G Rapの他作品もチェックを!
Kool G Rap & DJ Polo『Road to the Riches』(1989年)
Kool G Rap & DJ Polo『Wanted: Dead or Alive』(1990年)
Kool G Rap & DJ Polo『Live and Let Die』(1992年)
『Roots of Evil』(1998年)
『Click of Respect』(2003年)
『Return of the Don』(2017年)
Kool G Rap & 38 Spesh『Son of G Rap』(2018年)