録音年:1970年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ボッサ・ジャズ
気分は... :真夏の幻想...
ジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャーDuke Pearsonの『It Could Only Happen With You』(1970年)です。
※1970年録音、1974年リリース
これまで当ブログで紹介してきたDuke Pearson(1932-80年)のリーダー作は以下の6枚。
『Angel Eyes』(1961年)
『Wahoo!』(1964年)
『Prairie Dog』(1966年)
『Sweet Honey Bee』(1966年)
『The Right Touch』(1967年)
『The Phantom』(1968年)
『How Insensitive』(1969年)
本作はBlue Noteでのラスト・アルバムであると同時に、彼の最後のリーダー作となった作品です。
プロデュースはDuke Pearson自身。
レコーディング・メンバーはDuke Pearson(p、el-p)以下、Burt Collins(tp)、Joe Shepley(tp)、Kenny Rupp(tb)、Hermeto Pascoal(fl、g、b)、Jerry Dodgion(as、fl)、Al Gibbons(as、fl)、Frank Foster(ts)、Lew Tabackin(ts、fl)、Bob Cranshaw(b、el-b)、Ron Carter(b)、Mickey Roker(ds)、Flora Purim(vo)。
Hermeto Pascoal、Flora Purimの参加からも想像できるように、ボッサ・ジャズにアプローチした作品です。その意味では、『How Insensitive』(1969年)がお好きな人は気に入ると思います。
Flora Purimがヴォーカルをとる「Gira, Girou (Round and Round)」(Milton Nascimento)、「It Could Only Happen with You」(Antonio Carlos Jobim)、「Stormy」(Classics IV)というカヴァー3曲が目立ちます。
それ以外にもHermeto Pascoal作の「Hermeto」、スタンダードのロマンティック・カヴァーの「Lost in the Stars」や「Emily」、クールなメロウ・ボッサ「Book's Bossa」という充実の全7曲です。
真夏の夕涼みにピッタリな1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Gira, Girou (Round and Round)」
Milton Nascimento作品をカヴァー。Milton本人ヴァージョンは『Courage』(1969年)に収録されています。当ブログではVox Populiのカヴァーを紹介済みです。Hermeto Pascoalの軽快なギターとFlora Purimのヴォーカルが涼しげなボッサ・ジャズがオープニング。涼しげなフルート・ソロもグッド!主役Pearsonのエレピ・ソロも忘れてはいけません!
https://www.youtube.com/watch?v=7WHB-VoVXME
「Hermeto」
Hermeto Pascoal作。メロウ・エレピの映えるボッサ・ジャズ。Pearsonのエレピ・プレイを存分に楽しめる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=eWM70cwmVvM
「Lost in the Stars」
Maxwell Anderson/Kurt Weill作のスタンダードのカヴァー。当ブログではPatti Austinのカヴァー紹介済みです。ここでは名アレンジャーPearsonの手腕が冴えるロマンティックなボッサ・バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YaRIcX5BDsc
「It Could Only Happen with You」
Antonio Carlos Jobim/Louis Oliveira/Ray Gilbert作。原題「So Tinha de Ser Com Voce」。当ブログではTitaのカヴァーを紹介済みです。Flora Purimのヴォーカルをフィーチャーした素敵なメロウ・ボッサ。抑えたトーンの品良く涼しげな演奏がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=2Rx-EJ-qlMI
「Stormy」
Classics IVの名曲カヴァー(Buddy Buie/J.R. Cobb作)。当ブログではCafe Apres-midiのコンピにも収録されているThird Waveのドリーミー・カヴァーやReuben Wilson、Georgie Fame、Celso Fonsecaのカヴァーも紹介済みです。ソフトロック名曲をFlora Purimのヴォーカルをフィーチャーした軽快なグルーヴィー・ボッサで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=97TGvxSw04o
「Emily」
1964年の映画『The Americanization of Emily(邦題:卑怯者の勲章)』の主題歌カヴァー(Johnny Mercer/Johnny Mandel作)。当ブログではGary McFarlandのカヴァーを紹介済みです。エレガントなPearsonのピアノが映えるロマンティック・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=c0I4hHvlGYU
「Book's Bossa」
Walter Booker/Cedar Walton作。ラストはクールに疾走するメロウ・ボッサ・ジャズで締め括ってくれます。Pearsonの素敵なピアノ・プレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=cSTqapP_PTA
Duke Pearsonの過去記事もご参照下さい。
『Angel Eyes』(1961年)
『Wahoo!』(1964年)
『Prairie Dog』(1966年)
『Sweet Honey Bee』(1966年)
『The Right Touch』(1967年)
『The Phantom』(1968年)
『How Insensitive』(1969年)