2019年08月24日

Joao Gilberto『Amoroso』

偉大なボサノヴァのパイオニアを偲んで☆Joao Gilberto『Amoroso』
AMOROSO(イマージュの部屋) <BRASIL SUPERSTAR 1200>
録音年:1977年
ez的ジャンル:ボサノヴァ・パイオニア
気分は... :囁きヴォーカルの美学・・・

ボサノヴァ創成の功労者の一人であり、先月惜しくも逝去したシンガー/ギタリストJoao Gilberto『Amoroso』(1977年)です。

Joao Gilberto(1931-2019年)の紹介は、『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)、『Joao Voz E Violao』(2000年)に続き3回目の紹介となります。

先月Joao Gilbertoの訃報を聞いてから、偉大なボサノヴァのパイオニアを偲んで何度となく本作を聴いています。

この人の場合、やはり囁きヴォーカルの枯れ具合に惹かれますね。

プロデュースはTommy LiPuma Helen Keane
Claus Ogermanがストリングス・アレンジを手掛けています。

レコーディングにはGrady Tate(ds)、Joe Correro (ds)、Jim Hughart(b)、Ralph Grierson(key)といったミュージシャンが参加しています。

オリジナルLPのA面4曲は、Gershwin作品、イタリアの名曲、メキシコの名曲などバラエティに富んだ選曲で楽しませてくれます。一方、B面の4曲はすべてAntonio Carlos Jobim作品のカヴァーが占めます。

A面であれば、「'S Wonderful」「Tin Tin Por Tin Tin」、B面であれば、「Caminha Cruzados」「Triste」が僕のおススメです。

本作を噛みしめながら、偉大なボサノヴァのパイオニアを追悼したいと思います。

全曲紹介しときやす。

「'S Wonderful」
Ira Gershwin/George Gershwin作のスタンダードをカヴァー。ジャズのイメージが強い曲ですが、素敵なメロウ・ボッサに変貌させて楽しませてくれます。当ブログではAdam Dunningのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=hAeADv6clZk

「Estate」
Bruno Brighetti/Bruno Martino作。Bruno Martinoの名曲をカヴァー。イタリア語の原語のままカヴァーしています。本カヴァーにより再び脚光を浴びることとなった名曲。ロマンティックなストリングスをバックに、イタリア語の囁きヴォーカルを披露するムーディーな仕上がりです。当ブログではThe Michel Petrucciani Trioのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=WbHjYwSeZpQ

「Tin Tin Por Tin Tin」
Geraldo Jaques/Haroldo Barbosa作。個人的には一番のお気に入りの爽快ボッサ。軽快なギター同様、ここでのJoaoのヴォーカルも実に軽やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=QIS_yGvEF28

「Besame Mucho」
Consuelo Velazquez作。メキシコ産のラテン名曲「ベサメムーチョ」をカヴァー。Joaoは『Ela E Carioca(En Mexico)』でもカヴァーしており、よほどお気に入りの曲なのでしょうね。ここではオーケストレーションを駆使した美しくも切ない哀愁ボッサを聴かせてくれます。当ブログではGrant GreenThe Dave Pike Quartetのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=GICw4CoJInA

「Wave」
ここからはAntonio Carlos Jobim作品のカヴァー4連発。この曲とClaus Ogermanの組み合わせとなれば、Jobim本人のヴァージョンを思い出してしまいますが、基本的にはJobimヴァージョンを受け継ぐようなイージーリスニング調メロウ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2RCnbOzCj1I

本曲に関して、当ブログではElis ReginaWalter WanderleySergio Mendes & Brasil '66Toots Thielemans & Elis ReginaBossa RioPeter FesslerLenita BrunoCollageThe Gimmicksのカヴァーも紹介済みです。

「Caminha Cruzados」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。僕の大好きなJobim作品の1つなので、嬉しいカヴァーです。美しいオーケストレーションをバックに、Joaoの囁きヴォーカルがいい味を出します。
https://www.youtube.com/watch?v=D3Hf-725Yk4

本曲に関して、当ブログではIve MendesNicola Conte/Stefania DipierroGal Costaのカヴァーも紹介済みです。

「Triste」
Antonio Carlos Jobim作。コンテンポラリーなアレンジが映えるメロウ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EqjZT7UnNYM

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil '66Steen Rasmussen Feat. Josefine CronholmCybill ShepherdBeto Calettiのカヴァーも紹介済みです。

「Zingaro」
Chico Buarque/Antonio Carlos Jobim作。ラストは美しいオーケストレーションをバックに、囁きヴォーカルによる哀愁ボッサで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UhOHlyuct2g

Joao Gilbertoの他作品もチェックを!

『Chega De Saudade』(1959年)
Chega De Saudade (import)

『O Amor, O Sorriso E A Flor』(1961年)
O AMOR O SORRISO E A FLOR

『Joao Gilberto』(1962年)
JOAO GILBERTO

『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)
Ela E' Carioca

『Joao Gilberto(邦題:三月の水)』(1973年)
三月の水

『Brasil』(1981年)
Brasil

『Joao』(1991年)
Joao  (I Really Samba)

『Joao Voz E Violao』(2000年)
JOAO VOZ E VIOLAO
posted by ez at 02:46| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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