発表年:1972/1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :2in1全面解禁!
今回はレア・グルーヴ人気作の2in1CDCaesar Frazier『Hail Caesar!/'75』(1972/1975年)です。
2in1CDの紹介は、あまり好きではありませんが、2in1でしか入手できない作品が多数あるのも事実です。2in1CDが手元にあるものの、単独CD化が実現したらエントリーしようと思っていたら、10年以上経過しているパターンも数多くあります。
本作『Hail Caesar/'75』(1972/1975年)もそんな1枚です。
Caesar Frazierはフロリダ出身のオルガン/キーボード奏者。
Westbound Recordsから『Hail Caesar!』(1972年)、『'75』(1975年)、『Another Life』(1978年)といったアルバムをリリースしています。
特にBob Porterがプロデュースした『Hail Caesar!』(1972年)、『'75』(1975年)の2枚は、レア・グルーヴ方面で再評価の高い2枚です。
『Hail Caesar!』(1972年)はソウル・ジャズ的、『'75』(1975年)はジャズ・ファンク的な内容です。よりレア・グルーヴ的なのは『'75』の方だと思います。
『Hail Caesar!』(1972年)には、Ceasar Frazier(org)以下、Melvin Sparks(g)、Gordon Edwards(b)、Idris Muhammad(ds)、Buddy Caldwell(congas)、Cecil Bridgewater(tp)、Houston Person(ts)といったミュージシャンが参加しています。
『'75』(1975年)には、Ceasar Frazier(org、el-p、clavinet、key)以下、Cornell Dupree(g)、David Spinoza(g)、John Tropea(g)、Richie Resnikoff(g)、Wilbur Bascomb(b)、Bernard Purdie(ds)、Jimmy Young(ds)、Buddy Caldwell(congas)、Joe Venuto(tambourine)、Joe Shepley(tp)、Jon Faddis(tp)、Garnett Brown(tb)、Charlie Brown(ts)といったミュージシャンが参加しています。
『Hail Caesar!』ならば、「Hicky-Burr」がハイライトだと思います。Melvin Sparks作のタイトル曲「Hail Ceasar!」、Sly & The Family Stoneのカヴァー「Runnin' Away」もおススメです。
『'75』ならば、サンプリング・ソースとしても人気のスロウ・ファンク「Funk It Down」がハイライトだと思います。それ以外にも、オープニングのジャズ・ファンク「Mighty Mouse」、Seals & Croftの好カヴァー「Summer Breeze」、メロウ・エレピ・グルーヴ「Sweet Children」、Stevie Wonderのカヴァー「Living For The City」、哀愁モードの都会的ファンキー・グルーヴ「Walking On The Side」と全曲充実しています。
お得な2in1でレア・グルーヴ人気作を堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
『Hail Caesar』(1972年)
「Hicky-Burr」
Bill Cosby/Quincy Jones作。偉大な黒人コメディアンBill Cosbyがホストを務めた「The Bill Cosby Show」のテーマ曲「Hikky Burr」をカヴァー(本作では"Hicky"の表記になっています)。オリジナルはQuincy Jones『Smackwater Jack』(1971年)に収録されています。『Hail Caesar』では、このオープニングがハイライトなのでは?ファンキーなオルガン・ソウル・ジャズですが、Melvin Sparksのワウ・ギターも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=SEQigDr1V1s
「Ellie's Love Theme」
Isaac Hayesのカヴァー。オリジナルは『Shaft』(1971年)に収録されています。抑えたトーンのオルガン・ミディアム・バラード
https://www.youtube.com/watch?v=d9iTr63EcgY
「See-F」
Caesar Frazier作。少し気だるいホーン・サウンドが印象的なミディアム・グルーヴ。コンガのパーカッシヴ感もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=d9ZP__MwKJk
「Hail Ceasar!」
Melvin Sparks作。タイトル曲はグルーヴィーなソウル・ジャズですが適度にユルい感じがいいですね。作者Melvin Sparksのギター・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Y30Mvzbwpuk
「Make It With You」
David Gates作。Breadの大ヒット・シングル「二人の架け橋」をカヴァー。オリジナルは『On The Waters』(1970年)に収録されています。当ブログではPaige Claire、Country Comfortのカヴァーを紹介済みです。ここでは寛いだ雰囲気のオルガン・ソウル・ジャズで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0vEedCLKYeo
「Runnin' Away」
Sly & The Family Stoneのシングル曲をカヴァー(Sly Stone作)。ここではオルガンが映えるグルーヴィー・ジャズで聴かせてくれます。インストで聴く「Runnin' Away」も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=xYiHe8MDjlE
『'75』(1975年)
「Mighty Mouse」
Caesar Frazier作。鮮やかなホーン・サウンドが牽引するジャズ・ファンク。このオープニングを聴けば、本作がレア・グルーヴ人気作であることが一発でわかります。主役Frazierもグルーヴィー・オルガンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IabuRVBg0bA
「Summer Breeze」
Seals & Croft、1972年の大ヒット曲をカヴァー(Jim Seals/Dash Crofts作)。Isley Brothersのカヴァーでもお馴染みの曲ですね。当ブログでは、そのIsleysヴァージョンをはじめ、Fingazz、Stylus、The Main Ingredient、Robert Glasper Experiment、Gabor Szaboのカヴァーを紹介済みです。ここではこの名曲の魅力を見事に引き出した味わいのあるオルガン・バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lsZeT7dlQjg
Arrested Development「Ease My Mind (Premier's Remix)」、J.R. & PH7 feat. Torae「Do It for You」、MOB79「Seguir So」、Makalister feat. Reis Do Nada, Jovem Esco and Luccas Carlos「Bobby James」のサンプリング・ソースとなっています。
Arrested Development「Ease My Mind (Premier's Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=DRNBCS1YgKU
J.R. & PH7 feat. Torae「Do It for You」
https://www.youtube.com/watch?v=jlT5QQHnmEc
MOB79「Seguir So」
https://www.youtube.com/watch?v=0BmlaYbvDd0
Makalister feat. Reis Do Nada, Jovem Esco and Luccas Carlos「Bobby James」
https://www.youtube.com/watch?v=NSr3tO9TUvk
「Sweet Children」
Caesar Frazier作。ここでのFrazierがエレピをプレイ。メロウ・エレピとホーン・サウンドのの映える都会的メロウ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=WqnDr6NQ5UY
Common「Real People」のサンプリング・ソースとなっています。
Common「Real People」
https://www.youtube.com/watch?v=unpXPAdfwas
「Funk It Down」
Caesar Frazier作。このファットなスロウ・ファンクが『'75』のハイライトかもしれませんね。印象的なホーン・アンサンブルもたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=n658t-2U-Sk
Gang Starr「Ex Girl to Next Girl」、Gang Starr feat. Jeru the Damaja & Lil' Dap「Speak Ya Clout」、Common「Food for Funk」 、La Hawha Band「Desde Las Alturas」等のサンプリング・ソースとなっています。
Gang Starr「Ex Girl to Next Girl」
https://www.youtube.com/watch?v=CwSXfocnt48
Common「Food for Funk」
https://www.youtube.com/watch?v=59GuN9coIwk
La Hawha Band「Desde Las Alturas」
https://www.youtube.com/watch?v=T_CRKkj9LHs
「Living For The City」
Stevie Wonderのヒット・シングル・カヴァー。オリジナルは『Innervisions』(1973年)に収録されています。ここではニューソウル的オルガン・ファンクを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=NPwGsL_eyb4
「Walking On The Side」
Caesar Frazier作。個人的にはコレが一番のお気に入り。哀愁モードで疾走する都会的なファンキー・グルーヴ。男の黄昏感があっていいですね。Johnson&Jonson「That's That Jam」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=liY96DCND3I
『Another Life』(1978年)
『Instinct』(2018年)
『Closer to the Truth』(2019年)