発表年:2019年
ez的ジャンル:ベテランR&B/ソウル
気分は... :セルフ・コンパッション!
今回はRaphael Saadiq久々の新作『Jimmy Lee』です。
これまで当ブログで紹介したRaphael Saadiqのソロ作品は以下の4枚。
『Instant Vintage』(2002年)
『Ray Ray』(2004年)
『The Way I See It』(2008年)
『Stone Rollin'』(2011年)
元Tony! Toni! Tone!のメンバーであり、ソロ・アーティスト/プロデューサーとして活躍するRaphael Saadiqですが、ソロ・アルバムとしては『Stone Rollin'』(2011年)以来、実に8年ぶりの新作となります。
本作のタイトル『Jimmy Lee』とは、薬物中毒で亡くなった実兄の名です。そして、薬物をはじめとする依存症が本作の大きなテーマであり、物質に依存したがる人間の内面を掘り下げた楽曲が多くなっています。
Raphael本人は新作を"ビューティフル・ダーク・ゴージャス・ナイト"と称しているようです。
プロデュースはRaphael Saadiq以外に、Brook D'Leau 、Charles Brungardt、Charlie Bereal、Kelvin Wooten、Sir Dylanが手掛けています。
アルバムにはKendrick Lamar、Rob Bacon、Reverend E. Baker Sr.、Ernest Turner、Daniel J. Wattsがフィーチャリングされています。
それ以外に、元A Tribe Called Quest(ATCQ)のAli Shaheed Muhammad、Foster & McElroyでお馴染みのThomas McElroy、元EmageのTaura Stinson、Chris Dave、Daniel Crawford等がレコーディングに参加しています。
アルバムのテーマ自体が内向的なものであり、サウンドもダークトーンですが、Raphael Saadiqらしいヴィンテージ感のあるソウル・サウンドも随所で楽しめます。
個人的には本作で最もキャッチーな「So Ready」、ビューティフル・ダークなミディアム「This World Is Drunk」、甥のSir Dylanとのタッグ「Kings Fall」、愛に満ちている「I'm Feeling Love」、ヴィンテージ・ソウル×エレクトリックな「My Walk」、哀愁ミディアム「Rikers Island」、Kendrick Lamarをフィーチャーした「Rearview」あたりがおススメです。
Raphael Saadiqの健在ぶりを示してくれた1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Sinners Prayer」
Raphael Saadiqプロデュース。本作のテーマを示唆するオープニング。Chris Dave(ds)、Taura Stinson(back vo)参加。Raphaelの切々とした祈りが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=ngPNDlZNPYA
「So Ready」
Raphael Saadiq/Brook D'Leauプロデュース。現在進行形のRaphaelを満喫できる格好良いダンサブル・チューン。Daniel Crawford(syn)、Thomas McElroy(syn)も参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=zDOtGrjSlzs
「This World Is Drunk」
Raphael Saadiqプロデュース。正にビューティフル・ダークなミディアム・グルーヴ。Raphaelの甥であるDylan Wiggins(Sir Dylan)の美しくも切ないピアノが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=kgmqne_zVD4
「Something Keeps Calling」
Rob Baconのギターをフィーチャー。Raphael Saadiqプロデュース。Raphaelお得意のヴィンテージ感のあるソウル・バラード。この手の曲を力まず歌い上げているのが今のRaphaelなのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=QOrZgRJ88kc
「Kings Fall」
Raphael Saadiq/Sir Dylanプロデュース。甥のSir Dylanとのタッグ。重厚感のある哀愁バラードを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=GchaYvfWyUM
「I'm Feeling Love」
Raphael Saadiq/Brook D'Leauプロデュース。僕好みのミディアム・グルーヴ。控えめなトーンながらも愛に満ちている感じが本作らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=oy5XjyVvtuw
「My Walk」
Raphael Saadiq/Charlie Berealプロデュース。ヴィンテージ・ソウルとエレクトリックなエッセンスを融合させたRaphaelらしいセンスの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gmZhLq4ZZ7U
「Belongs To God」
Reverend E. Baker Sr.をフィーチャー。Raphael Saadiqプロデュース。確信犯的なヴィンテージ/レトロ感は完全にRaphaelワールドですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qxIxfOgiXYo
「Dottie Interlude」
Raphael Saadiq/Brook D'Leauプロデュース。次曲へのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=ripHP_jJPGs
「Glory To The Veins」
Ernest Turnerのピアノをフィーチャー。Raphael Saadiq/Charles Brungardtプロデュース。本作らしいダークトーンの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=SzDxfANbPYc
「Rikers Island」
Raphael Saadiq/Brook D'Leau/Kelvin Wootenプロデュース。Ali Shaheed Muhammad参加曲。哀愁モードのミディアム・ソウルですが実に雰囲気はあります。
https://www.youtube.com/watch?v=wm5TFNYlIbo
「Rikers Island Redux」
俳優のDaniel J. Wattsをフーチャー。前曲「Rikers Island」のポエトリー・リーディングver.といった感じです。Raphael Saadiqプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=mGcUAJQCtYQ
「Rearview」
ラストはKendrick Lamarをフィーチャー。Raphael Saadiqプロデュース。Raphael本人曰く、ここではDavid Bowie風に歌ってみたのだとか。確かにDavid Bowie的世界観に溢れた1曲に仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=kslvOVMMPns
Raphael SaadiqやTony! Toni! Tone!、Lucy Pearlの過去記事もご参照下さい。
『Instant Vintage』(2002年)
『Ray Ray』(2004年)
『The Way I See It』(2008年)
『Stone Rollin'』(2011年)
Tony! Toni! Tone!『Sons of Soul』(1993年)
Tony! Toni! Tone!『House Of Music』(1996年)
Lucy Pearl『Lucy Pearl』(2000年)