録音年:1962年
ez的ジャンル:Blue Noteボッサ・ジャズ
気分は... :セピア色のボッサ・ジャズ!
今回は60年代ボッサ・ジャズからIke Quebec『Bossa Nova Soul Samba』(1962年)です。
Ike Quebecは1918年ニュージャージー州ニューアーク生まれのサックス奏者。
1940年代からミュージシャンとして活動を開始。
1944年から1951年まではCab Callowayのオーケストラで活躍しました。また、40年代後半にはBlue Noteでレコーディングしています。
50年代に入るとプレイから遠ざかっていた時期がありましたが1959年にカムバックしています。
60年代に入り、『Heavy Soul』、『It Might as Well Be Spring』、『Blue & Sentimental』、『Easy Living』、『Bossa Nova Soul Samba』といった作品をBlue Noteでレコーディングしましたが、肺がんのため1963年1月16日に死去しています。
本作『Bossa Nova Soul Samba』は結果的にQuebec生前最後のレコーディングとなった作品です。
タイトルの通り、ボッサ・ジャズにアプローチしています。
レコーディング・メンバーはIke Quebec(ts)、Kenny Burrell(g)、Wendell Marshall(b)、Willie Bobo(ds)、Garvin Masseaux(chekere)。
個人的にはKenny Burrell作の「Loie」、サウダージな「Me 'n You」、哀愁ボッサ・ジャズの「Shu Shu」や「Favela」あたりが僕のおススメです。
ドヴォルザーク「家路」、リスト「愛の夢」といったクラシック名曲のボッサ・ジャズ・カヴァーも楽しめます。
抑えたトーンのボッサ・ジャズは、セピア色が似合うに秋ジャズとしても聴けるのでは?
全曲紹介しときやす。
「Loie」
Kenny Burrell作。Kenny Burrellが愛妻に捧げた曲であり、作者Burrellのリーダー作『Guitar Forms』(1965年)でも演奏されています。さり気ないですがロマンティックなQuebecのプレイがいい感じのオトナのボッサ・ジャズ。作者Burrellのギターにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=WL3lJITPb8U
La Excepcion「Semuera La Madre」のサンプリング・ソースとなっています。
La Excepcion「Semuera La Madre」
https://www.youtube.com/watch?v=C0jqRrC2rr0
「Lloro Tu Despedida」
Facundo Cabral/Joraci Camargo/Emanuel Lacordaire作。ムーディーなQuebecのプレイが印象的なボッサ・ジャズらしい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=-IlHvYX_Ylw
「Goin' Home」
Antonin Dvorak作。偉大な作曲家ドヴォルザークの「家路」をカヴァー。お馴染みのクラシック名曲をボッサ・ジャズへ変貌させています。意外なセレクトですがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=GBXpdqe53rc
KALRI$$IAN「Bo Tic Bo」のサンプリング・ソースとなっています。
KALRI$$IAN「Bo Tic Bo」
https://www.youtube.com/watch?v=lJjieNakLfk
「Me 'n You」
Ike Quebec作。抑えたトーンのQuebecのプレイが実にサウダージでいい感じです。それに呼応するBurrellのギター・ソロも流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=OPX1oqy0peI
「Liebestraume」
Franz Liszt作。リストの「愛の夢」をカヴァー。ここでもクラシック名曲をムーディーなボッサ・ジャズへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=B4XIl8UiudA
「Shu Shu」
Antonio Almeida/Carlos Monteiro DeSouza作。哀愁モードの演奏がたまりません。秋風がしみる男の哀愁感といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=rsxvDrrfwTE
「Blue Samba」
Ike Quebec作。Quebecのオリジナルですが、タイトルとは裏腹にサンバでもボサノヴァでもない、南国ムードのブルージーな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Hgpi0wZLntc
「Favela」
Joraci Camargo/Heckel Tavares作。Quebecの味わい深いプレイがフィットする僕好みの哀愁ボッサ・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=0B_wGRk3W28
「Linda Flor」
Henrique Vogeler作。ラストは軽快なメロウ・ボッサ・ジャズで締め括ってくれます。Burrellのギターが映えるカフェで聴きたいボッサ・ジャズですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pbs_Oe3evVY
Ike Quebecの他作品もチェックを!
『Heavy Soul』(1962年)
『Blue & Sentimental』(1963年)
『It Might as Well Be Spring』(1964年)