発表年:2019年
ez的ジャンル:UK新世代ジャズ系テクノ/ハウス
気分は... :アナザー・サイド
新作アルバムから、サウスロンドン注目の音楽クルー/音楽レーベル22aのリーダーTenderloniousことEd Cawthorneの2ndソロ・アルバム『Hard Rain』です。
※共同名義のアルバムを含めると3枚目のアルバム
UK新世代ジャズ・ミュージシャンの一人でもあるTenderloniousの紹介は、1stソロ・アルバム『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)に続き2回目となります。
『Shakedown Featuring The 22archestra』は、22aの面々がジャズ・ミュージシャンとしての側面を見せつけた本格的なジャズ作品でした。
それに対して、2ndソロ・アルバムとなる本作『Hard Rain』はデトロイト・テクノの影響が色濃いテクノ/ハウス作品に仕上がっています。ジャケだけ見ると、バリバリの60年代Blue Note作品のようなのですが(笑)
このギャップに戸惑う方もいるかもしれませんね。『Shakedown Featuring The 22archestra』と本作とではリスナー層が異なると思います。
僕は前作も本作も渋谷の某大手CDショップで購入しましたが、前作をジャズ・コーナーで購入したため、本作もジャズ・コーナーで探していたら見つからず、店員さんに調べてもらったらクラブミュージック・コーナーに置いてありました。
プロデュース、ソングライティング、アレンジ、パフォーマンス全てTenderlonious一人でこなしています。
デトロイト・テクノ影響下のテクノ/ハウス作品ですが、UK新世代ジャズ・ミュージシャンならではの感性、さらにJ DillaやUkブロークンビーツのエッセンスが織り交ぜられているのが本作の魅力です。
Moodyman的な漆黒の電子グルーヴ「Casey Jr.」、デトロイト・テクノ的なタイトル曲「Hard Rain」や「Another State Of Consciousness」、J Dilla的な「GU22」、Tenderloniousのフルートも交えたクロスオーヴァー「Aesop Thought」、UK新世代ジャズの感性が冴える「Workin' Me Out」、ブロークンビーツなボーナス・トラック「Brokentom」が僕のおススメです。
『Shakedown Featuring The 22archestra』では聴けなかったTenderloniousのもう一つの顔を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Casey Jr.」
オープニングはMoodyman好きが気に入りそうな漆黒の電子グルーヴ。
「Buffalo Gurl」
70年代クロスオーヴァー的なエッセンスも感じる仕上がり。
「Hard Rain」
タイトル曲はデトロイト・テクノ的なエレクトリック・サウンドを楽しめる1曲。目を閉じて聴いていると瞑想モードに浸れる感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=oWyPvW6Re50
「GU22」
J Dilla的なHip-Hopトラック。1分半の短いトラックですがUK新世代ジャズな雰囲気もあって楽しめます。
「Low Tide」
幻想的なビートレスの小曲。コズミックな雰囲気がいいですね。
「Another State Of Consciousness」
デトロイト・テクノ的な電子音を楽しめる1曲。本作の中でも派手めな音使いで印象に残ります。
「Aesop Thought」
Tenderloniousのフルートも交えた1曲。デトロイト・テクノ×Ukブロークンビーツなクロスオーヴァー・サウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=bSGHrj3QgG8
「Love You」
1分半の小曲ですが、サウンド・コラージュ的な面白さがあります。
「Workin' Me Out」
UK新世代ジャズ・ミュージシャン&トラックメイカーならではの音世界を楽しめます。サウンド的にはアルバムで一番刺激的かも?
「Almost Time」
本編ラストはジャジー・ムードで締め括ってくれます。淡々とした雰囲気が好きです。
「Brokentom」
国内盤CDボーナス・トラック。タイトルの通り、ブロークンビーツな仕上がり。クラブジャズ好きの人は気に入るはず!
未聴の方は『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)もチェックを!
『Shakedown Featuring The 22archestra』(2018年)