2019年12月15日

Robert Glasper『Fuck Yo Feelings』

Loma Vista移籍第一弾!☆Robert Glasper『Fuck Yo Feelings』
ファック・ヨ・フィーリングス
発表年:2019年
ez的ジャンル:進化形ジャズ
気分は... :トランジション!

新作アルバムから進化形ジャズの牽引者Robert GlasperLoma Vista移籍第一弾作品『Fuck Yo Feelings』です。

1978年、テキサス州ヒューストン出身のジャズ・ピアニストRobert Glasperに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の9枚(Robert Glasper Experiment(RGE)名義や彼の参加ユニットR+R=Nowの作品も含む)。

 『In My Element』(2007年)
 『Double Booked』(2009年)
 『Black Radio』(2012年)
 『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年) ※リミックスEP
 『Black Radio 2』(2013年)
 『Covered』(2015年)
 Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
 『ArtScience』(2016年)
 R+R=Now『Collagically Speaking』(2018年)

長年、Blue Noteに在籍し、『Black Radio』(2012年)等の衝撃作でジャズ・シーンに革命をもたらしたRobert Glasper

そのRobert GlasperBlue Noteを離れ、Concord傘下のLoma Vistaと契約し、レコーディングしたのが本作『Fuck Yo Feelings』。元々はミックステープとしてレコーディングされたものであり、日本でのみCD化されました。

今年の5月にL.A.のスタジオを2日間確保し、共に『Black Radio』をレコーディングしたRobert Glasper Experiment(RGE)の盟友Derrick Hodge(b)、Chris Dave(ds)を核に、多様なミュージシャン、シンガー、ラッパーを招き、セッションを行ったものが本作のベースとなっています。

Robert Glasper(key)、Derrick Hodge(b)、Chris Dave(ds)、DJ Jahi Sundanceがレコーディングの中心。

さらにR+R=Nowの盟友Taylor McFerrin(sounds)とTerrace Martin(syn)、Herbie HancockJames Poyser(key)といったミュージシャンが参加しています。

ゲスト・シンガー/ラッパーとして、俳優Affion Crockett新進ラッパーYBN Cordae、Glasperの旧友Bilal、アーカンソー出身の新進女性シンガーYebbaAbbey Smith)、女性R&BシンガーAndra Day、ジャマイカ出身、現在はN.Y.を拠点とする女性詩人Staceyann Chin、当ブログでもお馴染みの西海岸の男性R&Bシンガー・ソングライターSiR、女性シンガー/プロデューサーMuhsinahMuhsinah Abdul-Karim)、Yasiin BeyMos Def)等がフィーチャリングされています。

何よりRobert GlasperDerrick HodgeChris Daveの最強トリオが復活したのが嬉しいですね。やはり、Chris DaveのドラミングがGlasperのジャズ革命に果たした役割は大きいと再認識できます。

キャッチーな「This Changes Everything」、ダークなオルタナティヴ感のある「Gone」、新進女性シンガーYebba(Abbey Smith)をフィーチャーしたタイトル曲「Fuck Yo Feelings」SiRのアトモスフィアな魅力を生かした「All I Do」Herbie Hancockとの掛け合い「Trade In Bars Yo」J Dilla的ジャズを楽しめる「Liquid Swords」、Yasiin Bey(Mos Def)をフィーチャーした「Treal」あたりが僕のおススメです。

Blue Noteの看板アーティストという立場から解放され、仲間とのセッションにより新たな音世界を自由に創造するRobert Glasperを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
俳優Affion Crockettをフィーチャーしたオープニング。本作の空気感がよく伝わってきます。やはり、Chris Daveのドラムが加わると、J Dilla経由の進化形ジャズと雰囲気が一気に高まりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=RdvAOfash4Q

「This Changes Everything」
BuddyとDenzel Curryという2人のラッパー、さらにはTerrace Martin、James Poyserをフィーチャー。Denzel CurryはLoma Vistaのレーベル・メイトです。Hip-Hop/R&B好きも気に入るであろうキャッチーなメロウ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jY_EZdcv2X0

「Gone」
新進ラッパーYBN Cordae、Glasperの旧友Bilal、大御所Herbie Hancockをフィーチャー。ダークなオルタナティヴ感のある演奏は新境地なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=W2wTE3D_sGo

「Let Me In」
ラッパーMick Jenkinsをフィーチャー。Glasper、HodgeDaveのトリオ演奏とMick Jenkinsのラップがよく馴染んでいます。ついついDaveのドラム中心に聴いてしまいますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=0M-ZYleFdsc

「In Case You Forgot」
さり気ないインスト小曲ですが、Glasper、HodgeDaveならではの感覚が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=2VoYH5W1Fpg

「Indulging in Such」
ターンテーブルを交えた不穏な空気感の漂う前衛的な演奏です。これまでのGlasper作品にはない雰囲気で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J5iOWlnsu9Q

「Fuck Yo Feelings」
タイトル曲はアーカンソー出身の新進女性シンガーYebba(Abbey Smith)をフィーチャー。『Black Radio』を彷彿させるネオソウル的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=vpP0hAqqfmU

「Endangered Black Woman」
女性R&BシンガーAndra Day、ジャマイカ出身、現在はN.Y.を拠点とする女性詩人Staceyann Chinをフィーチャー。この曲も『Black Radio』的なネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=D6-w2avV4Vw

「Expectations」
Baby Rose、Rapsodyという女性シンガー/ラッパー2人をフィーチャー。ヴォコーダーを使ったRGE的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=uKTAZJ5iC3Q

「All I Do」
当ブログでもプッシュしていた西海岸R&Bシンガー・ソングライターSiRとBridget Kelly、Song Birdをフィーチャー。SiRの持つアトモスフィアな音世界が生かされているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=snxvxtKZH3k

「Aah Woah」
女性シンガー/プロデューサーのMuhsinah(Muhsinah Abdul-Karim)とQueen Shebaをフィーチャー。アーバン・メロウな演奏に乗ったMuhsinahのスキャットがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=vPDzPmStIgc

「I Want You」
さり気ないですが、アーバン・メロウな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=9GI_lwD6d3s

「Trade In Bars Yo」
Herbie Hancockをフィーチャー。GlasperとHancockの掛け合いが楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=7tVlMd7b4Ts

「DAF Fall Out」
Taylor McFerrinが貢献しているサウンド・コラージュ的な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=M52JkdmmBXA

「Sunshine」
YBN Cordaeをフィーチャー。Glasperらしいピアノ・プレイを楽しめる小曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=drGfCVkeJqA

「Liquid Swords」
Glasper、HodgeDaveのトリオ演奏によるJ Dilla的ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=wgxmhIMu4aY

「DAF FTF」
不穏な空気感の漂う演奏はジャケのイメージと重なります。
https://www.youtube.com/watch?v=r_rdv7kmj_g

「Treal」
Yasiin Bey(Mos Def)をフィーチャー。約7分半の演奏ですが、もはやジャズとHip-Hopの融合という形容が不要なほどジャズにHip-Hopが溶け込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=-PWD4SEnQew

「Cold」
本曲はこれまでもJewels名義でGlasper作品に関わってきたCurtis Jewsとの共同プロデュース。美しいインストでラストを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n8ycDHAER50

Robert Glasper関連の過去記事もチェックを!

『In My Element』(2007年)
イン・マイ・エレメント

『Double Booked』(2009年)
Double Booked

Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)
ブラック・レディオ

Robert Glasper Experiment『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年)
Black Radio Recovered: the Remix Ep

Robert Glasper Experiment『Black Radio 2』(2013年)
ブラック・レディオ2

『Covered』(2015年)
カヴァード

Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
エヴリシングス・ビューティフル

Robert Glasper Experiment『ArtScience』(2016年)
アートサイエンス

R+R=Now『Collagically Speaking』(2018年)
コラージカリー・スピーキング
posted by ez at 03:26| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]