発表年:1981年
ez的ジャンル:兄弟系ファンク/ソウル
気分は... :夢のグランド・スラム・・・
今日の早朝はクラブW杯のリヴァプール戦とリーガのクラシコ「バルサ対レアル」戦が同時並行で行われるエキサイティングな時間帯でした。僕もTVのリモコンをザッピングしながら両試合の行方を追っていました。
さて、今回はThe Isley Brothersの紹介です。
セレクトしたのは『Grand Slam』(1981年)です。
これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の13枚(発表年順)。
『The Brothers Isley』(1969年)
『Givin' It Back』(1971年)
『Brother, Brother, Brother』(1972年)
『The Isleys Live』(1973年)
『3+3』(1973年)
『Live It Up』(1974年)
『The Heat Is On』(1975年)
『Harvest For The World』(1976年)
『Go For Your Guns』(1977年)
『Showdown』(1978年)
『Winner Takes All』(1979年)
『Between The Sheets』(1983年)
『Baby Makin' Music』(2006年)
『3+3』(1973年)以降に全盛期を迎えたIsleys。しかし、80年代に入るとその勢いに少し陰りが見えましたが、『Between The Sheets』(1983年)で80年代サウンドに対応し、復活を遂げます。
その意味で本作『Grand Slam』(1981年)は狭間期の作品扱いで、当時は必ずしも評価の高いアルバムでした。ヒット・シングルが生まれなかったのも影響しているかもしれません。USアルバム・チャートの最高位14位、同R&Bアルバム・チャートの最高位3位でした。
当時の国内盤LPはこんなクリスタルなジャケでした(笑)。僕自身も本作といえば、オリジナル・ジャケもよりもこのカクテル・グラス・ジャケの印象が強いです。
本作には田中康夫のブランド小説の大ベストセラーを映画化した『なんとなく、クリスタル』(1981年)のサントラにも収められた「Young Girls」が収録されています。そのイメージと符合する国内盤ジャケですね。
勿論、グループのメンバーはO'Kelly Isley、Rudolph Isley、Roland Isley、Ernie Isley、Marvin Isley、Chris Jasperという不動の3+3布陣。
それ以外にEverett Collins(ds)、Kevin Jones (congas)、Eve Otto(harp)といったミュージシャンが参加しています。
70年代のIsleys作品を聴きなれていると、前半バラード、後半ファンクという構成に戸惑うかもしれませんね。「逆だろ!」と突っ込みたくなるのでは?
個人的にはAOR的な魅力もあるメロウ・ミディアム「I Once Had Your Love (And I Can't Let Go)」、シングルにもなったアーバンなファンク・グルーヴ「Hurry Up And Wait」、前述のように映画『なんとなく、クリスタル』挿入曲「Young Girls」、Isleysらしいパワフルかつセクシーなファンク「Don't Let Up」あたりがおススメです。
後回しになりがちなIsleys作品ですが、先入観なしに聴けば十分楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Tonight Is The Night (If I Had You)」
Isleysらしいメロディを満喫できるミディアム・バラードがオープニング。Rolandの少し抑え気味のヴォーカルもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=F5dXrahWrK0
Ohbliv「Mackin' on My Roni」のサンプリング・ソースとなっています。
Ohbliv「Mackin' on My Roni」
https://www.youtube.com/watch?v=oMXZbYcSUkc
「I Once Had Your Love (And I Can't Let Go)」
アルバムからの3rdシングル。僕好みのスウィートなメロウ・ミディアム。AOR的な魅力もあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2cFxer2eFlE
Roy Ayers、Peggi Blu、Lee Ritenour & Phil Perryがカヴァーしています。また、Pastor Troy feat. Little Pere & Pimpin' Ken「Respect Game」、Sean Price「Smooth P」のサンプリング・ソースとなっています。
Roy Ayers「I Once Had Your Love (And I Can't Let Go)」
https://www.youtube.com/watch?v=OM5bTH6CDZY
Peggi Blu「I Once Had Your Love (And I Can't Let Go)」
https://www.youtube.com/watch?v=mCZfin9No5U
Lee Ritenour & Phil Perry「I Can't Let Go」
https://www.youtube.com/watch?v=IquSAfkW28c
Pastor Troy feat. Little Pere & Pimpin' Ken「Respect Game」
https://www.youtube.com/watch?v=datk3J2A7-c
Sean Price「Smooth P」
https://www.youtube.com/watch?v=1lIqJvMIbWU
「Hurry Up And Wait」
アルバムからの2ndシングル。US R&Bチャートの第17位となりました。Isleysらしいファンク・チューンですが、80年代ならではのアーバン感覚もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=r3OO3GejoU0
「Young Girls」
前述のように映画『なんとなく、クリスタル』(1981年)サントラ収録曲としてもお馴染みの1曲。Isleysワールドを炸裂のダンサブル・チューン。Ernieのギターを満喫できる1曲でもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=EE9zHy30fwc
「Party Night」
タイトル通り、パーティー・モードのディスコ・ファンク。あまりIsleysらしくありませんが、これはこれで楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=yVZIi8KPvzE
「Don't Let Up」
Isleysらしいパワフルかつセクシーなファンク・チューン。70年代Isleysがお好きな方は気に入るはず。
https://www.youtube.com/watch?v=_gZAzl38VTg
「Who Said?」
アルバムからの1stシングル。US R&Bチャートの第20位となりました。直線的にグイグイ突進するファンク・ブギーでアルバムを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z_hOQtj17MI
Isleysの過去記事もご参照下さい。
『The Brothers Isley』(1969年)
『Givin' It Back』(1971年)
『Brother, Brother, Brother』(1972年)
『The Isleys Live』(1973年)
『3+3』(1973年)
『Live It Up』(1974年)
『The Heat Is On』(1975年)
『Harvest For The World』(1976年)
『Go For Your Guns』(1977年)
『Showdown』(1978年)
『Winner Takes All』(1979年)
『Between The Sheets』(1983年)
『Baby Makin' Music』(2006年)