発表年:1976年
ez的ジャンル:ピラミッド系ポップ&メロウ・ファンク
気分は... :その一言でOKさ☆
約一年ぶりのEarth,Wind & Fire(EW&F)です。
『That's the Way of the World』、『Open Our Eyes』に続き紹介するのは1976年の作品『Spirit』デス。
個人的には、『Head to the Sky』(1973年)、『Open Our Eyes』(1974年)、『That's the Way of the World』(1975年)、『Gratitude』(1975年)、『Spirit』(1976年)、『All 'N All』(1977年)までがEW&Fの絶頂期だと思いマス。
よくAOR好きの人がDavid Foster、Jay Graydon絡みで『I Am』(1979年)を取り上げているのを見かけますが、僕は正直NGですね。EW&Fが外部の白人ミュージシャンの手助けを受けた時点でEW&Fならではの魅力が低下してしまっているような気がします。
確かにEW&Fは白人マーケットを意識した作りで成功を収めた黒人グループですが、それでも白人ミュージシャンが参加する必然性はあまりカンジません。その意味で『I Am』からEW&Fの失速が始まったという印象を持っています。個々の曲をみれば佳作もかなりあるのはわかるのですが、なんか肯定的に聴けない気分ですねぇ。
まぁ、僕の場合はDavid Fosterとの相性がかなり悪いというだけかもしれませんが...
昔から本ブログをご覧の方はおわかりの通り、僕がDavid Fosterが関与している作品をイチオシするケースはかなり稀なので(笑)多分、これまでのエントリーで絶賛した作品って、Boz Scaggs『Middle Man』くらいかもしれませんね。きっと「David特有の甘さ=大味でクドい」という図式で頭にインプットされているのかもしれません。
例えば、ChicagoでもDavidの貢献が大きい『Chicago 16』、『Chicago 17』、『Chicago 18』よりもPhil Ramoneプロデュースの『Hot Streets』の方が断然好きだし、Average White BandでもDavidプロデュースの『Shine』よりはArif Mardinプロデュース作品をイチオシするといったように、どうも噛み合わないといった状況です。
David Fosterが苦手でAOR好きなんて言ったら、年季の入ったAORファンの方から怒られそうですね。でも、これが偽らざる僕の気持ちデス。
さて、EW&Fに話を戻すと、本作『Spirit』は音楽的にも商業的には絶頂期だったEW&Fを象徴する1枚だと思いマス。
タイトルやジャケ写真のメンバーの背後に写るピラミッドを含めて考えると、結構トータルなコンセプトにこだわったアルバムかも?なんて気もしますが、単純にEW&Fらしさに溢れた楽曲&演奏の素晴らしさを楽しめばいいアルバムだと思いマス。
なお本作は本作制作中に心臓発作で亡くなったプロデューサー/アレンジャーのCharles Stepneyに捧げられていマス。
『Open Our Eyes』、『That's the Way of the World』、『Gratitude 』、『Spirit』というEW&Fにとっての最重要作4枚でMaurice Whiteと共にプロデュース/アレンジを担当したのがStepneyでシタ。
全曲紹介しときヤス。
「Getaway」
R&BチャートNo.1となったEW&Fを代表する大ヒットの1つですね。数年前、トヨタHARRIERのCMでも流れていましたね。EW&Fらしいスペーシーなディスコ/ファンクに仕上がっています。ホーン隊が鳴り具合いがサイコーですね。この後、この曲から影響を受けたと思われるファンク・ナンバーが続出しましたよねぇ。
The Salsoul Orchestra、Tuck & Patti、The Getaway Peopleなどのカヴァーがありますね。Drew Sidora「'Til The Dawn」、Cassidy「Get 'Em」、Poor Righteous Teachers「Strictly Ghetto」 などのサンプリング・ネタにもなっていマス。
「On Your Face」
昔も今もアルバムで一番のお気に入り曲。ラブリーなメロウ・チューン。「心模様」っていう邦題もいいですねぇ。Philip Baileyのファルセット・ヴォイスにうっとりっす。Ray Parker Jr. & Raydio「A Woman Needs Love」から本曲へと流れるのが、かつての僕の必勝パターンでした(笑)
Naughty by Nature「Jamboree」、Queen Pen「Party Ain't a Party」、Coko「I Get Joy」などのサンプリング・ネタにもなっていマス。個人的にはカヴァーなのか何なのかようわからんMC Hammer「On Your Face」が懐かしいですなぁ(笑)
「Imagination」
アーバン・メロウなスロウ。ここでもPhilipの魅惑のファルセットを堪能できます。EW&Fらしいスマートでキャッチーな仕上がりデス。
「Spirit」
歌詞も含めて、スピリチュアルなムードが漂うタイトル曲。地味だけど味わい深いですね。
「Saturday Nite」
シングルヒットした歯切れの良いダンス・チューン。個人的にはあまりディスコ・ディスコしすぎていない、この位のテイストのダンス・チューンが好きですね。
「Earth, Wind & Fire」
グループ名がタイトルとなっている割には、かなり地味な曲ですね(笑)
「Departure」
30秒足らずのインスト・ナンバー。
「Biyo」
フュージョン・テイストのインスト。コズミックな高揚感のあるアップ・チューンに仕上がっていマス。カリンバの音色が実に似合う曲ですね。長尺でずっと聴いていたい気分です。
「Burnin' Bush」
AORファンが好きそうなアーバン・ソウルですね。この位ならば程よい甘さでいいカンジだと思いマス。
やっぱりEW&Fを聴いていると、Maurice Whiteのおでこがテカっているせいか、明るく前向きになりますなぁ。
>David Fosterが苦手でAOR好き
実は僕もその一人。聴くには聴きますが、どうも馴染めません。
ところで本作。1曲目の「Getaway」に、ますやられて、その後はわりと地味という印象を受けましたが、アースのスピリチュアルな部分が良く表現されていると思います。
僕のアースはここからでした♪
ありがとうございます。
>David Fosterが苦手でAOR好き 実は僕もその一人。
同じ嗜好の方がいてホッとしました(笑)
EW&Fというとディスコ・ヒット連発のイメージが強いですが、
この頃アルバムは単なるダンス・アルバムに終わらない魅力に溢れていると思います。
ご指摘のとおり、本作はスピリチュアルで祝祭的な雰囲気がありますね。