2020年01月04日

Little Brother『The Minstrel Show』

9th Wonder、Phonte擁する強力Hip-Hopユニット☆Little Brother『The Minstrel Show』
Minstrel Show by Little Brother (2007-12-15)
発表年:2005年
ez的ジャンル:強力Hip-Hopユニット
気分は... :どうよ、このニヤケ顔!

9th WonderPhonteBig PoohによるHip-HopユニットLittle Brotherの2ndアルバム『The Minstrel Show』(2005年)です。

Little Brotherはノースカロライナ州ダーラムで結成されたHip-Hopユニット。ノースカロライナの大学生により旗上げされたHip-HopコレクティヴJustus Leagueに各メンバーが参加していたことがグループ結成のきっかけとなったようです。

9th WonderPhonteBig Poohの3名体制で『The Listening』(2003年)、『The Minstrel Show』(2005年)という2枚のアルバムをリリースした後、9th Wonderが脱退。

残るPhonteBig Poohのデュオ体制で『Getback』(2007年)、『Leftback』(2010年)という2枚のアルバムをリリースしています。

その後目立った活動がありませんでしたが、昨年9年ぶりのアルバム『May the Lord Watch』(2019年)をデジタル配信でリリースし、ユニットが健在であることを示してくれました。

『May the Lord Watch』(2019年) ※デジタルミュージック
May the Lord Watch [Explicit]

人気Hip-Hopプロデューサー/トラックメイカーである9th WonderThe Foreign Exchange(FE)のフロントマン、ソロ・アーティストとしても活躍するPhonteが在籍していたHip-Hopユニットというだけで僕にはグッときてしまいます。

特に本作『The Minstrel Show』(2005年)は、9th Wonder在籍時のLittle Brotherが絶好調ぶりを実感できる充実の1枚です。

アルバムはタイトルにあるMinstrel Showとは、黒人奴隷の生活ぶりを面白おかしく描いた芝居を意味するそうです。本作はそうしたMinstrel Showをモチーフに架空のTVショーを想定したコンセプト・アルバムに仕上がっています。アルバム・ジャケのメンバー3人のわざとらしいニヤケ顔もこうしたコンセプトを反映したものです。

メイン・プロデュースは9th Wonderですが、それ以外にNicolayThe Foreign Exchange(FE))、KhrysisPiano Reevesが各1曲プロデュースしています。

YahZarahDarien BrockingtonJoe ScuddaChaundonといったJustus Leagueの仲間や元Slum VillageElzhiといったアーティストがフィーチャリングされています。

また、DJ Jazzy JeffJames Poyser等がレコーディングに参加しています。

9th Wonderによるソウルフル・トラックとPhonteBig Poohの自信満々のラップは見事に噛み合ったHip-Hop名盤だと思います。ただし、評価の高い名盤の割には、話題になることが少なく地味な存在の作品かもしれません。

「Slow It Down」「Say It Again」「Lovin' It」をはじめ充実の全17曲です。さらに国内盤CDにはボーナス・トラック2曲が追加収録されています。

9th WonderPhonte好きの方は勿論のこと、ソウルフルなHip-Hop好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Welcome To The Minstrel Show」
YahZarahをフィーチャー。架空のショーのオープニング・テーマです。コメディアンChris Hardwickがアナウンスで盛り上げてくれます。The Floaters「No Stronger Love」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=vSHTXnMgxxk

「Beautiful Morning」
The Stylistics「What's Happening, Baby?」をサンプリング。少しノスタルジックな雰囲気が架空のTVショーっぽいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eXF3YlGVF-Y

「The Becoming」
Rufus & Chaka Khan「Circles」をサンプリングした格好良いトラックにグッとくる僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BpjRYMGwNsY

「Not Enough」
Darien Brockingtonをフィーチャー。Teddy Pendergrass「Easy, Easy, Got To Take It Easy」をサンプリングした哀愁トラックに乗って、Hip-Hopアーティストとしての自分たちの存在意義をライムで畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ev5hN_Q7Jbg

「Cheatin」
Piano Reevesプロデュース。Mr. DiggsによるRoland Isley調ヴォーカルが印象的な哀愁トラック。Lil Jon & The Eastside Boyz with Ying Yang Twins「Get Low」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=hcioZ-tuLjA

「Hiding Place」
Slum VillageのElzhiをフィーチャー。Bobby Womack「Jealous Love」をサンプリング。PhonteThe Foreign Exchangeについても触れてつつ、♪俺はまだLBメンバーだよ。脱退しない♪とラップしているのが興味深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=aUuOW_-YMwQ

「Slow It Down」
Darien Brockingtonをフィーチャー。David Ruffin「Slow Dance」をサンプリングしたソウルフル・トラック。ネオソウル好きの人は気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=HbBl81wqfSU

「Say It Again」
Five Special「Do Something Special (For Your Lady)」をサンプリング。僕好みのキャッチーなトラックです。元Nu GirlsのPamela Grahamがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=F5u4tztHPb4

「5th And Fashion (Skit)」
80年代エレクトリック・ファンク調の軽快トラックが印象的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=GCt5jvhHuTY

「Lovin' It」
Joe Scuddaをフィーチャー。The Stylistics「One Night Affair」をサンプリングしたメロウ・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=vLReIhRgVS8

「Diary Of A Mad Black Daddy (Skit)」
前曲を引き継ぐスキット。
https://www.youtube.com/watch?v=iJrhPTKeP7o

「All For You」
Darien Brockingtonをフィーチャー。Michael Franks「I Really Hope It's You」をサンプリングしたトラックが印象的です。James Poyserがキーボードで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=aRUY05yopUk

「Watch Me」
Khrysisプロデュース。DJ Jazzy Jeffがスクラッチで参加。Michael Jackson「With a Child's Heart」をサンプリング。DJ Jazzy Jeffがスクラッチが冴え渡り、Big Pooh、Phonteが自信満々のライムを畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=hScmCjiexK8

「Sincerely Yours」
Jerry Butler「Whatever Goes Around」をサンプリング。Big Poohが噛みしめるようにリリックを重ねます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pog_iGrbCw8

「Still Lives Through」
9th Wonderによるアブストラクトなビートがいいですね。A Tribe Called Quest「God Lives Through」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=XbP-Hv6v0bw

「The Minstrel Show Closing Theme」
YahZarahをフィーチャー。クロージングに再びショーのテーマが歌われます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7PltjquPJk

「We Got Now」
N.Y.ブロンクス出身のラッパーChaundonをフィーチャー。Arthur Verocai「Caboclo」をサンプリング。Big Pooh、Phonte、ChaundonがHip-Hopアーティストとしての矜持をラップします。
https://www.youtube.com/watch?v=1dBill5V0r0

国内盤CDには「Hold On (Telling Me)」「The Olio」( feat. Legacy)の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Little Brotherの他作品もチェックを!

『The Listening』(2003年)
THE LISTENING

『Getback』(2007年)
Getback by Little Brother (2007-10-23)

『Leftback』(2010年)
Leftback

『May the Lord Watch』(2019年) ※デジタルミュージック
May the Lord Watch [Explicit]
posted by ez at 05:49| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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