発表年:1996年
ez的ジャンル:ディーヴァ系女性R&Bシンガー
気分は... :ディーヴァが世界を救う!
今回は元The Family StandのR&BディーヴァSandra St. Victorの1stソロ・アルバム『Mack Diva Saves The World』(1996年)です。
Sandra St. Victorは1963年テキサス州ダラス出身の女性R&Bシンガー。
N.Y.進出後、Roy Ayersのツアー・バンドUbiquityの一員として活動した後、スタジオ・シンガーとしてChaka Khan『Destiny』(1986年)、角松敏生『Touch And Go』(1986年)、Miki Howard『Love Confessions』(1987年)等のレコーディングに参加しています。
ちなみに、上記の3枚のアルバムはリアルタイムでレコード購入していましたが、当時はSandraの存在など全く意識せずに聴いていました。
その後、Peter Lord Moreland、V. Jeffrey Smithと共に先鋭的R&BユニットThe Family Standを結成し、Evon Geffries And The Stand『Chapters: A Novel』(1987年)、『Chain』(1989年)、『Moon in Scorpio』(1991年)といったアルバムをリリースしています。
Elektraとソロ契約の機会を得たSandraはソロ・アートの道を歩み始めます。ただし、Elektraでレコーディングしたアルバムは完成したもののお蔵入りとなってしまい、業を煮やしたSandraはWarner Bros.へ移籍してしまいます。
こうした紆余曲折を経てWarner Bros.からリリースされた1stソロ・アルバムが『Mack Diva Saves The World』(1996年)です。
ちなみに本作と同じ1996年に彼女はWarner Bros.からリリースされたCurtis Mayfieldの遺作『New World Order』(1996年)にも参加しています。
『Mack Diva Saves The World』(1996年)以降は『Gemini: Both Sides』(2001年)、『Oya's Daughter』(2013年)といったソロ・アルバムをリリースしています。
メイン・プロデューサーはMACK 96とMixzo。MACK 96は聞き慣れない名ですがThe Family Standの同僚であったV. Jeffrey Smithです。
それ以外にMark Batson、Howard McCrary、Robert Palmer、Cutfather & Joe(Joe Belmaati/Mich Hansen)、Tim & Bob(Bob Robinson/Tim Kelley)といったプロデューサーが起用されています。
また、Sandra St. Victor自身がエグゼクティブ・プロデューサー、共同プロデューサーとしてクレジットされています。
レコーディングにはAlice in ChainsのWilliam DuVall(g)、元Living ColourのMike Ciro(g)、Prince Charles Alexander(fl)といったミュージシャンも参加しています。
派手さはありませんが、Sandraのディープなソウルフル・ヴォーカルが引き立つ充実作です。
MACK 96プロデュースであれば、ヘヴィ・ファンク「Mack Diva」やリード・シングルにもなった「Rise」がおススメです。Mixzoプロデュースであれば、アーバンな「Chocolate」や「Lonely In A Crowded Room」がおススメです。
それ以外にTim & Bobプロデュースの「Come Over」、「Wet」の2曲、Howard McCrary/Robert Palmerプロデュースの「MPH!」、デンマーク出身の人気プロダクション・デュオCutfather & Joeプロデュースの「Since You Been Gone」もおススメ!
ディーヴァが世界を救う!
全曲紹介しときやす。
「Intro Skit」
アルバムのイントロ。
「Mack Diva」
MACK 96プロデュース。ヘヴィなミディアム・ファンクをバックに、ディープなソウルフル・ヴォーカルを披露してくれます。かなりパンチが効いていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=beEnGlBMHwM
「Chocolate」
Mixzoプロデュース。アーバンとディープのバランスが素晴らしいミディアム。ジワジワと高揚してくる感じがたまりません。さり気ないですがWilliam Duvallのギターが格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=xL90OAAd2m4
「Rise」
MACK 96プロデュース。アルバムからのリード・シングルにもなりました。V. Jeffrey Smithの手腕が冴えるソウルフルなアーバン・ミディアム・グルーヴ。派手さはありませんが、Sandraのソウルフル・ヴォーカルを満喫できるグッド・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SoJw8a0TJHs
「Don't Bring Me Down」
Mixzoプロデュース。絶妙にコントロールされたヴォーカルにグッとくるミディアム・グルーヴ。Prince Charles Alexanderのフルートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=sD_M7ICcrQo
「Knocked Up And Locked Down」
Mark Batsonプロデュース。ヴィンテージ感のあるソウル・サウンドをバックにディープなヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DVr_dKy7iVM
「MPH! Intro」
次曲へのイントロ。
「MPH!」
Howard McCrary/Robert Palmerプロデュース。ちなみにアノ有名ミュージシャンとは別人です。派手さはありませんが、ソウル・フィーリングに溢れた僕好みのミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gAH12KLQlVs
「Since You Been Gone」
デンマーク出身の人気プロダクション・デュオCutfather & Joeのプロデュース。Sandraのソウルフルな魅力を引き立てつつ、彼ららしい絶妙のサウンド・センスで楽しませてくるミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=0iDtXy30ZFk
「Come Over」
Tim & Bobプロデュース。本作に先駆けて映画『A Thin Line Between Love & Hate』(1996年)に収録されていた楽曲です。Sandraのシンガーとしてのスケールの大きさを実感できる、ジワジワと胸に沁みわたる感動的バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=lGi3YEiL17E
「Wet」
Tim & Bobプロデュース。アコースティックな質感とSandraの低音ヴォーカルが映えるメロディアスなミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Ei8DqEuM3lo
「Lonely In A Crowded Room」
Mixzoプロデュース。「Chocolate」と同じくアーバンとディープのバランスが素晴らしいミディアム。ここでもWilliam Duvallのギターがいい仕事しています。
https://www.youtube.com/watch?v=b2mGSN7j-YU
「Can't Live Without You」
MACK 96プロデュース。本編のラストは愛に溢れた素敵なビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tAaKp-789Zc
「Rise(E Smoove's Soul Edit)」
国内盤ボーナス・トラック。「Rise」のリミックスその1。E Smooveによるダンサブルなリミックスです。
「Rise(Maurice's Rise-Up Edit)」
国内盤ボーナス・トラック。「Rise」のリミックスその2。Mauriceによるハウス仕様のアッパーなリミックスです。
Sandra St. Victorの他作品もチェックを!
『Gemini: Both Sides』(2001年)
『Oya's Daughter』(2013年)
Sandra St. Victorが参加したThe Family Stand作品もチェックを!
Evon Geffries And The Stand『Chapters: A Novel』(1987年)
The Family Stand『Chain』(1989年)
The Family Stand『Moon in Scorpio』(1991年)