発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ロック/SSW
気分は... :耐えて力を蓄える!
今回はブラジルの伝説的グループNovos Baianosの主要メンバーであったMoraes Moreiraの1stソロ・アルバム『Moraes Moreira』(1975年)です。
音楽とサッカーをこよなく愛し、共同生活をしていたトロピカリア・ヒッピー・ロック・バンドのNovos Baianosについては、これまで当ブログで『Acabou Chorare』(1972年)、『Vamos Pro Mundo』(1974年)の2枚を紹介しています。
Moraes Moreiraは1947年バイーア州イツアチュ生まれ。
1968年バイーアで結成された伝説的グループNovos Baianosの主要メンバーとして活動した後、本作『Moraes Moreira』(1975年)でソロ・デビュー。それ以降コンスタントに作品をリリースし続けています。
Novos Baianos脱退後の初ソロ・アルバムとなる本作『Moraes Moreira』(1975年)は、Moraesの多彩な音楽性を存分に満喫できる1枚に仕上がっています。
レコーディング・メンバーはMoraes Moreira(vo、g、pandeiro)以下、Armandinho(bandolim、g)、Dadi Carvalho(b)、Gustavo(ds)、Mu(p)。
SSW調からブラジリアン・ロックへスパークする「Desabafo E Desafio」、ボッサなメロウ・チューン「Sempre Cantando」、Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』でもカヴァーされていた「Chuva No Brejo」、サウダージ・モードの弾き語り「Nesse Mar, Nessa Ilha」、Elis Reginaヴァージョンでもお馴染みの名曲カヴァー「Se Voce Pensa」あたりがおススメです。
Novos Baianosには収まりきれなかったMoraes Moreiraの才が詰まった充実作です。
全曲を紹介しときやす。
「Desabafo E Desafio」
Moraes Moreira作。シンガー・ソングライター風にスタートしますが、途中で鮮やかにスパークしてブラジリアン・ロックしてくれます。ブラジル北東部のリズムとヴィヴィッドなロック・サウンドの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=kYhiDwJoLFU
「Guitarra Baiana」
Moraes Moreira作。ア・カペラでロック・ギターしている前半から、Armandinhoのギターが炸裂する後半へという展開です。
https://www.youtube.com/watch?v=X8ZRthQz2ZE
「Sempre Cantando」
Moraes Moreira作。ソングライターとしてのセンスを感じるボッサな雰囲気のメロウ・チューン。Armandinhoのバンドリンの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=LGZCDb0PO0c
「Chinelo Do Meu Avo」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。Novos Baianosの流れを汲むブラジリアン・ロックを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W4eVi6nAQSo
「Chuva No Brejo」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。Marisa Monte『Barulhinho Bom(A Great Noise)』でもカヴァーされていた楽曲。そのアルバム・タイトルe『Barulhinho Bom』も本作の歌詞の一節から取ったものなのだとか。ブラジリアンSSWな前半から、一気にロック・モードへ・・・Moraes、Armandinhoのギターがスパークします。
https://www.youtube.com/watch?v=OjWi7dCwizM
「Nesse Mar, Nessa Ilha」
Moraes Moreira作。サウダージ・モードの弾き語り。憂いを帯びたMoraesの歌声と哀愁メロウなギターがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=eEMHxxvG81Q
「Do Som」
Moraes Moreira作。バンドリン、パンデイロなどの楽器の匠たちを讃えている歌なのだとか。そのバンドリン、パンデイロの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=r5jV-L-rGkM
「PS」
Luiz Gonzaga/Luis Galvao/Moraes Moreira作。Luiz Gonzaga作品の引用から始まる1曲。ブラジリアン・ロックならではの(いい意味での)ドタバタ感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=v2B871Achmo
「Loucura Pouca E Bobagem」
Moraes Moreira作。ロック・モード全開の1曲。英米ロックとも少し異なるロック感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=92DkUHxX6YI
「Anda Nega」
Luis Galvao/Moraes Moreira作。やさしく語りかける弾き語り。Moraesのジェントルな魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=EYWXuySYGC0
「Se Voce Pensa」
Erasmo Carlos/Roberto Carlos作。Elis Reginaヴァージョンでもお馴染みの名曲をカヴァー。女性ヴォーカルによるカヴァーの印象が強い曲ですが、ここではファンク・ロック調の斬新なカヴァーで楽しませてくれます。ヴィヴィッドなロック・サウンドは文句なく格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=azS4wvrf46g
本曲について、当ブログではElis Reginaヴァージョン以外にも、Gal Costa、Gaetano Partipilo、Aquarius Y Luiz Antonio、Aldemaro Romero Y Su Onda Nueva、Luiz Eca Y La Sagrada Familiaのヴァージョンを紹介済みです。
「Violao Vagabundo」
Moraes Moreira作。ラストはボッサな弾き語りで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KVvah1gkiy4
Moraes Moreiraの他作品もチェックを!
『La Vem o Brasil Descendo a Ladeira』(1979年)
『Tem um Pe no Pelo』(1993年)
Moraes & Pepeu『Moraes & Pepeu no Japao』(1990年)
『O Brasil tem Conserto』(1994年)
『Acustico』(1995年)
『Estados』(1996年)
『500 Sambas』(1999年)
『Meu Nome e Brasil』(2003年)
『De Repente』(2005年)
『A Historia Dos Novos Baianos E Outros Versos』(2008年)
『A Revolta Dos Ritmos』(2012年)
Moraes Moreira, Pepeu Gomes『Moraes & Pepeu Ensaio』(2012年)
Moraes Moreira, Davi Moraes『Nossa Parceria』(2015年)