発表年:2004年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ジャズ・サンバ・ユニット
気分は... :生活にメリハリを・・・
昨日はGW突入後、初の祝日でしたが、緊急案件で仕事をしていたせいで、全く祝日気分ではありませんでした。
日頃から在宅ワークが多かったので、テレワーク中心のビジネス・スタイル/ワーク・スタイル自体は何も違和感がないのですが、100%在宅ワークになると、曜日感覚が麻痺し、生活のメリハリが奪われるので危険ですね。どうやら5月一杯は緊急事態宣言は続きそうなので、公私含めて1週間にメリハリをつける工夫が必要ですね。
今回は今回はブラジル人キーボード奏者/アレンジャー/コンポーザーMario Castro NevesがMario Castro Neves & Samba S.A.名義でリリースした『On A Clear Bossa Day』(2004年)です。
Mario Castro-Neves(1935年リオデジャネイロ生まれ)の紹介は、Mario Castro-Neves & Samba S.A.『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)、『Stop, Look & Listen』(1977年)に続き3回目となります。
本作『On A Clear Bossa Day』(2004年)は、プロデューサーArnaldo DeSouteiro
が仕掛人となり、『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)以来37年ぶりにMario Castro Neves & Samba S.A.を復活させた作品です。
勿論プロデュースはArnaldo DeSouteiro。
本作におけるMario Castro Neves & Samba S.A.のメンバーは、Mario Castro Neves(p)、Ithamara Koorax(vo)、Ana Leuzinger(vo)、Manuel Gusmao(b)、Cesar Machado(ds)という6名。Manuel Gusmaoは34年前の『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)にも名を連ねていたメンバーです。
ボーナス・トラック1曲も含めて全14曲。
ボサノヴァ名曲やポピュラー・スタンダードのカヴァー6曲。
残りはMarioのオリジナルです。過去に取り上げた楽曲の再演も数曲含まれています。また、ボサノヴァの歴史に影響を与えた「Mamadeira Atonal」の初レコーディングも含まれます。
37年ぶりというのが信じられない位、瑞々しく透明感のあるジャズ・サンバ/ボサノヴァで楽しませてくれます。Marioのベテランらしいプレイは勿論のこと、キュートな2人の女性ヴォーカルがアルバムの魅力を大きく高めています。
37年という歳月を忘れさせてくれる奇跡の1枚を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Candy」
Alex Kramer/Joan Whitney/Mack David作のスタンダードをカヴァー。当ブログではLee Morganのカヴァーを紹介済みです。2人の女性ヴォーカルの爽快キュート・ヴォーカルが映える素敵なジャズ・サンバ。Marioの軽快なピアノも存分に楽しめます。
「Quiet Nights Of Quiet Stars」
Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲「Corcovado」をカヴァー。『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)でもカヴァーしていた楽曲の再カヴァーとなります。Marioのピアノによる素敵なイントロと共に始まるロマンティックなボサノヴァでオトナな雰囲気を醸し出します。
本曲について、当ブログではJoanie Sommers、Cannonball Adderley、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Earl Okin、Dardanelles、Cassandra Wilson、O Quarteto、Jon Hendricks、Genai、Tillery、Laurindo Almeidaのカヴァーも紹介済みです。
「Helena And I」
Mario Castro Neves作。『Brazilian Mood』(1973年)収録曲の新ヴァージョン。女性ヴォーカル陣のスキャットが優雅に響く、エレガント・ボッサ。Marioのピアノにも品格が漂います。
「On A Clear Day」
Alan Jay Lerner/Burton Lane作。タイトル曲はミュージカル『On A Clear Day You Can See Forever』(1929年)のために書かれたスタンダードのカヴァー。透明感あふれた瑞々しいメロウ・ボッサに仕上がっています。Marioのピアノ・ソロにもベテランの余裕があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DpLLLnXuLJA
本曲について、当ブログではMario Biondi & The High Five Quintet、The Peddlers、Fred Johnson、Svante Thuressonのカヴァーも紹介済みです。
「So Nice」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲「Samba de Verao」をカヴァー。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。お馴染みの名曲を軽快なテンポで歯切れよく聴かせてくれます。
本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Bebel Gilberto、O Quarteto、Bossa Tres、Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca、Doris Monteiro、Eliane Eliasのカヴァーも紹介済みです。
「Samba S.A.」
Mario Castro Neves作。涼しげな女声スキャットがナビゲートする軽快ジャズ・サンバ。
「Nice Work If You Can Get It」
George Gershwin/Ira Gershwin作。Gershwin作のスタンダードをカヴァー。女性ヴォーカル陣のキュートな魅力を満喫できる小粋なジャズ・サンバ。
「The Whole Mess」
Mario Castro Neves作。『Brazilian Mood』(1973年)収録曲の新ヴァージョン。女性ヴォーカル陣のダバダバ・スキャットが印象的なメロウ・ボッサ。透明感があっていいですね。
「Muito A Vontade」
Joao Donato/Joao Mello作。Joao Donatoのオリジナルは『Sambou, Sambou(Muito a Vontade)』(1962年)収録。透明感のある女性ヴォーカル陣にグッとくる品の良いジャズ・サンバに仕上がっています。
当ブログではWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio、Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。
「Lili」
Mario Castro Neves作。ミステリアスな雰囲気のメロウ・ジャズ・サンバ。
「Mamadeira Atonal」
Mario Castro Neves/Ronaldo Boscoli作。ボサノヴァの歴史に影響を与えた伝説の楽曲なのだとか。そんな楽曲をMario自身が初レコーディング。軽快に疾走するジャズ・サンバに乗って、女性ヴォーカルも輝きを放ちます。Marioのピアノも快調です。
「Mara My Love」
Mario Castro Neves作。6分の長尺ですが、Marioのピアノを存分に満喫できるロマンティックなボサノヴァに仕上がっています。
「Tokyo Waltz」
Mario Castro Neves作。国内盤CDボーナス・トラック。タイトルの通り、日本をイメージして書き上げたメロウなワルツ・チューンです。
「My Rio」
Mario Castro Neves作。ラストはキュートな女性スキャットと共に疾走するメロウなジャズ・サンバで締め括ってくれます。7分超の長尺演奏であり、ジャズ・サンバ・トリオとしての演奏も存分に楽しめます。
Mario Castro-Neves関連の他作品もチェックを!
Mario Castro-Neves & Samba S.A.『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)
Mario Castro-Neves & His Orchestra 『Brazilian Mood』(1973年)
『The Latin Band of by Mario Castro-Neves』(1975年)
『Stop, Look & Listen』(1977年)