発表年:2019年
ez的ジャンル:コスモポリタン系クロスオーヴァー
気分は... :二項動態・・・
UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticの『An Announcement to Answer』(2006年)です。
QuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の11枚。
Quantic『Apricot Morning』(2002年)
The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Quantic『Magnetica』(2014年)
Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)
Quantic単独名義では『Mishaps Happening』(2004年)以来となる4枚目のアルバムとなる本作『An Announcement to Answer』(2006年)。
本作はプエルトリコ、ガーナ、北京、ナイジェリア等世界中を巡るツアーの訪問地で得たインスピレーションが詰め込まれた1枚であり、その後のコロンビア移住を予感させるラテン音楽への開眼も垣間見えます。
また、Tru Thoughtsの100タイトル目の作品ということでも話題になりました。
プロデュースはWill Holland自身。
アルバムには、当時はLightheadedのメンバーであったOhmega Watts、L.A.ネオ・ソウル/ジャズ・ファンク・ユニットThe Rebirthの紅一点ヴォーカリストであったNoelle Scaggs、プエルトリコのミュージシャンTempoがフィーチャリングされています。
それ以外にTodd Simon(tp)、Javier Rivera(tp)、Corey Mwamba(vibes)、Mike Simmonds(violin)、Polito Huertas(b)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。
ラテン路線という意味では、「Politick Society」、「Sabor」の2曲がハイライトですかね。Ohmega Watts参加の「Blow Your Horn」、「Ticket To Know Where」という2曲もいい感じです。
ブレイクビーツな従来のQuanticとエキゾチックな今後のQuanticが交錯する一人クロスオーヴァー感を楽しめる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Absence Heard, Presence Felt」
中国の伝統楽器である二胡の音色と共にスタートするオープニング。オリエンタルな抒情ムードに意表を突かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dxY1MVAbEhI
「An Announcement To Answer」
これまでのブレイクビーツなQuanticとこれ以降のエキゾチックなQuanticが交錯するタイトル曲。
https://www.youtube.com/watch?v=_3pQe1s0_2Y
「Blow Your Horn」
Ohmega Wattsをフィーチャー。今考えるとQuanticとOhmega Wattsのタッグは興味深いですね。Ohmega Wattsの個性を損なわずにQuanticワールドに仕上げているのがいいですね。Todd Simonのミュート・トランペットもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6qeX4VghDq8
「Bomb In A Trumpet Factory」
ジャズ・フィーリングのブレイクビーツ。これは従来のファン向けのトラックといった感じですね。同時にQuanticのジャズ愛を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=dHQxwutk-0s
「Politick Society」
The Rebirthの紅一点Noelle Scaggsをフィーチャー。その後のラテン/コロンビア路線のプロトタイプ的なトラックかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=tKoY3DwB6sM
「Meet Me At The Pomegranate Tree」
ブロークンビーツ調のインストは密かに僕のお気に入り。ヴィブラフォン、ヴァイオリンがいい働きしています。
https://www.youtube.com/watch?v=q0m70h4pCxA
「Sabor」
Tempoのヴォーカルをフィーチャー。ラテン路線を前面に打ち出したトラック。ブレイクビーツの名残もあるサウンドは、それ以降の本格ラテン路線のトラックよりもクラブミュージック的であり、この時期だからこその格好良さがあるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=V4jXCsZButY
「Ticket To Know Where」
再びOhmega Wattsをフィーチャー。Quanticの軽快なギターに先導され、Ohmega Wattsがリズミックなフロウを放ちます。Quanticらしいラテン×ジャズ×Hip^Hopのクロスオーヴァーを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=QZ864HzY-8Y
「Tell It Like You Mean It」
ラストはラテン・フレイヴァーな疾走感が格好良いブレイクビーツで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SqhLstIf0U4
Quantic関連の他作品もチェックを!
Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
Quantic『Apricot Morning』(2002年)
The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Quantic『Magnetica』(2014年)
Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)