2020年05月20日

Salena Jones『Everybody's Talkin' About Salena Jones』

「Am I The Same Girl」の好カヴァー収録☆Salena Jones『Everybody's Talkin' About Salena Jones』
the moment of truth everybody's talkin' about salena jones.jpg
発表年:1970年
ez的ジャンル:黒人女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :阿頼耶識に従う・・・

今回は女性ジャズ・シンガーSalena Jonesの人気作『Everybody's Talkin' About Salena Jones』(1970年)です。

単品では未CD化のため、上記ジャケ(amazonへのリンク)は『The Moment Of Truth/Everybody's Talkin' About Salena Jones』(1969/1970年)の2in1CDです。

実際のジャケはこんな感じです。
『Everybody's Talkin' About Salena Jones』(1970年)
everybody's talkin' about salena jones.jpg

Salena Jones(本名:Joan Elizabeth Shaw)は1938年ヴァージニア州ニューポートニューズ生まれの女性ジャズ・シンガー。

N.Y.ハーレムのアポロ・シアターで行われたタレント・コンテスト優勝を契機に、プロ・シンガーとしての道を歩み始めます。60年代前半にJoan Shaw名義で2枚のアルバムをリリースしています。

60年代半ば後半からはSalena Jones名義で活動するようになり、60年代後半には拠点に英国に移しています。そして、『The Moment Of Truth』(1969年)を皮切りに、2000年代までコンスタントにアルバムをリリースしています。

本作『Everybody's Talkin' About Salena Jones』(1970年)は、『The Moment Of Truth』(1969年)に続くUKレコーディングの第二弾アルバムであり、今日の再評価も高い1枚です。

プロデュースは前作と同じくKeith Mansfield

楽曲はすべて有名ヒット曲やスタンダードを中心としたカヴァーです。

フリーソウル方面でも人気のBarbara Acklinのカヴァー「Am I The Same Girl」Stevie Wonderの名曲カヴァー「My Cherie Amour」Blood, Sweat & Tearsのブラス・ロック名曲カヴァー「Spinning Wheel」Harry Nilsson絡みのカヴァー2曲「Everybody's Talkin'」「Without Him」あたりが目立ちます。

それ以外に「The More I See You」「On A Clear Day You Can See Forever」といったスタンダード・カヴァー、Bacharach作品カヴァーの「I'll Never Fall In Love Again」、カナダ人女性フォーク・シンガーBonnie Dobsonのカヴァー「Morning Dew」あたりも僕好みの仕上がりです。

ジャズ好き以上に、ソウル好き、ポップス好き、フリーソウル好きの人が気に入る1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Am I The Same Girl」
Sonny Sanders/Eugene Record作の名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介したBarbara Acklinヴァージョン。本曲を有名にしたインスト・ヴァージョンYoung Holt Unlimited「Soulful Strut」やSwing Out Sisterのカヴァーでもお馴染みですね。このSalenaヴァージョンもフリーソウルのコンピに収録されるなど再評価されています。華やかな中にも実力派ジャズ・シンガーらしい余裕があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QPZSkz1Ua00

「Everybody's Talkin'」
Fred Neil作。Harry Nilssonのヒットでお馴染み「うわさの男」をカヴァー。当ブログではGary McFarlandのカヴァーも紹介済みです。Nilssonヴァージョンに通じる雰囲気ですが、美しいオーケストレーションがSalenaのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=T5cnI3c15G8

「Without Him」
Harry Nilssonの名曲「Without Her」のカヴァー。Nilsso絡みの楽曲が続きます。Keith Mansfieldによる変幻自在のホーン&ストリングス・アレンジが冴え渡る1曲に仕上がっています。当ブログではTriste Janeroのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=NsAmi_BDPFU

「My Way」
Claude Francois/Jacques Revaux/Paul Anka作。Frank Sinatraで有名な名曲のカヴァー。ポピュラー・スタンダードらしいオーセンティックな仕上がりです。

「Spinning Wheel」
Blood, Sweat & Tearsのブラス・ロック名曲をカヴァー(David Clayton-Thomas作)。この曲らしいブラス・サウンドにグルーヴィーなジャズ・フィーリングが加わった格好良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=09ZV2szkns4

本曲に関して、当ブログであFlaming EmberJimmy McGriffBossa Rioのカヴァーも紹介済みです。

「The More I See You」
Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲。映画『Diamond Horseshoe』(1945年)のために書かれたスタンダードのカヴァー。当ブログではChet BakerChris Montezのカヴァーも紹介済みです。ここでは僕好みの爽快メロウ・グルーヴで聴かせてくれます。曲良し、歌良し、アレンジ良しの三拍子揃った仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=AKLI_OexpcA

「Morning Dew」
カナダ人女性フォーク・シンガーBonnie Dobsonのカヴァー(Bonnie Dobson/Tim Rose作)。軽快なグルーヴィー・ポップ。ヒップなサウンドとSalenaのヴォーカルがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=8Bi1t4xLRZE

「My Cherie Amour」
Stevie Wonderの名曲をカヴァー(Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作)。オリジナルの持つ軽快なソウル・グルーヴを受け継ぎつつ、Salenaならではのジャズ・フィーリングが加味されています。
https://www.youtube.com/watch?v=joNPx1wv-Jo

本曲に関して、当ブログではRoman AndrenQuincy JonesCal TjaderGary McFarlandHeraldo Do MonteGene Russellのカヴァーも紹介済みです。

「Yesterday I Heard The Rain (Esta Tarde Vi Llover)」
Armando Manzanero/Gene Lees作。Tony Bennett、Dionne Warwickヴァージョンなどで知られる楽曲です。美しいストリングスによるスタンダード然としたジャズ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cp8oGoJidfg

「On A Clear Day You Can See Forever」
Alan Jay Lerner/Burton Lane作。ミュージカル『On A Clear Day You Can See Forever』(1929年)のために書かれたスタンダードのカヴァー。当ブログではMario Biondi & The High Five QuintetThe PeddlersFred JohnsonSvante Thuressonのカヴァーも紹介済みです。小粋なスウィンギー・フィーリングにグッとくる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NHRMl5zIJGw

「I'll Never Fall In Love Again」
Hal David/Burt Bacharach作。ミュージカル『Promises, Promises』のために書かれた名曲をカヴァー。当ブログではBirgit LystagerGrant GreenBobbi Boyleのカヴァーを紹介済みです。ウォーキング・ベースがナビゲートするオシャレなジャズ・フィーリングをバックに、Salenaがジャズ・シンガーらしい歌いっぷりで魅了します。中盤以降のスリリングなアップテンポがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=1VpLVsZ7TeQ

「Play It Again, Sam」
Hal Hackady/Larry Grossman作。Tony Bennettヴァージョンで知られる楽曲をカヴァー。ピアノとストリングスのバッキングによるバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=e3cieidc_V8

Salena Jonesの初期作品もチェックを!

『Alone & Together』(1973年)


『This 'n That』(1974年)


『Love Is in the Air』(1980年)


『My Love』(1981年)

posted by ez at 03:41| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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