発表年:1973年
ez的ジャンル:姉妹ソウル・コーラス・グループ
気分は... :Yes We Can Can!
姉妹ソウル・コーラス・グループPointer Sistersのデビュー・アルバム『The Pointer Sisters』(1973年)です。
カリフォルニア州オークランド出身のPointer姉妹によるコーラス・グループPointer Sistersに関して、当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Having A Party』(1977年)
『Special Things』(1980年)
『Black & White』(1981年)
Richard Perryプロデュースの下でヒット曲を連発したRuth、Anita、Juneという3姉妹体制でお馴染みのPointer Sistersですが、Blue Thumb時代の初期はBonnieも加えた4姉妹体制でした。
Blue Thumb所属という点からもイメージできますが、初期Pointer Sistersは、ソウル/R&B、ゴスペルのルーツをジャズ・コーラスのフィーリングで聴かせていました。
その意味では、ソウル・ファン以上にジャズ・コーラス・ファンが楽しめるトラックが多いのが特徴かもしれません。
Blue Thumb時代で最も商業的に成功を収めたのが、デビュー・アルバムとなる本作『The Pointer Sisters』(1973年)であり、USアルバム・チャート第13位、同R&Bアルバム・チャート第3位となっています。
プロデュースはBlue Thumb時代の彼女たちを支えたDavid Rubinson(David Rubinson & Friends, Inc.名義)。
レコーディングにはWillie Fulton(g)、Tom Salisbury(p)、Norman Landsberg(p)、Ron McClure(b)、Rod Ellicott(b)、Gaylord Birch(ds)、Ed Marshall(ds)、The Hoodoo Rhythm Devils(back vo)といったミュージシャンが参加しています。
ハイライトはグループ初のヒットとなった「Yes We Can Can」。定番サンプリング・ソースとしても超有名ですよね。
それ以外であれば、シスコのロック・グループLambのカヴァー「River Boulevard」のスワンプ・ロック×ゴスペルな雰囲気が好きです。
本作らしいジャズ・コーラスを楽しみたいのであれば、Lambert, Hendricks & Rossヴァージョンでお馴染みの「Cloudburst」、シスコのサイケ・ロック・グループHammerのカヴァーで圧倒的なコーラス・ワークで魅せる「Pains and Tears」がおススメです。
彼女たちの圧倒的なコーラス・ワークと多様な音楽性がブレンドした素晴らしいデビュー・アルバムです。
Planet時代では聴けない、Blue Thumb時代ならではのPointer Sistersの魅力を満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Yes We Can Can」
Allen Toussaint作。前述のようにグループ初のヒット(USチャート第11位、同R&Bチャート第12位)となったオープニング。オリジナルはLee Dorsey「Yes We Can」(1970年)です。ジャズ・フィーリングの強い本作において、ゴツゴツしたファンク・グルーヴの本曲は圧倒的に目立っています。お馴染みの♪Can Can〜♪コーラスは一度聴いたら脳裏から離れませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=F2U1OUxXSMM
定番サンプリング・ソースとしても大人気です。UTFO「We Work Hard」、Kool G Rap & DJ Polo「Rhyme Tyme」、Cash Money & Marvelous「Find an Ugly Woman」、MC Lyte & Positive K「I'm Not Havin' It」、N.W.A「8 Ball (Remix)」、Heavy D & the Boyz「A Better Land」、Grand Daddy I.U.「Behind Bars」、The U.M.C.'s feat. Prophet & Kwazi「Pass It On」、Tony! Toni! Tone!「Let's Have a Good Time」、The Posse NFX「Posse Funk」、De La Soul「Breakadawn」、Big Daddy Kane「3 Forties and a Bottle of Moet」、Pete Rock & C.L. Smooth「Escape」、Leaders of the New School「Syntax Era」、Shawnie Ranks「Let Me Know」、Luke feat. The Notorious B.I.G.「Bust a Nut」、Horace Brown feat. Foxy Brown「One for the Money (Clark Kent Remix) 」、Kirk Franklin's Nu Nation「Faith」、Sounds of Blackness feat. John Forte「Spirit (Refugee Remix)」、Macy Gray「Shed」、J Dilla「Jay Dee 46」等のサンプリング・ソースとなっています。
Lee Dorsey「Yes We Can」
https://www.youtube.com/watch?v=H_SuyOLW_f0
UTFO「We Work Hard」
https://www.youtube.com/watch?v=gocO6vbMRDA
Kool G Rap & DJ Polo「Rhyme Tyme」
https://www.youtube.com/watch?v=dSmOualDg5g
Cash Money & Marvelous「Find an Ugly Woman」
https://www.youtube.com/watch?v=jybuuw-svRI
MC Lyte & Positive K「I'm Not Havin' It」
https://www.youtube.com/watch?v=H1-z4kk2XsA
Heavy D & the Boyz「A Better Land」
https://www.youtube.com/watch?v=A6p7bDltWOM
The U.M.C.'s feat. Prophet & Kwazi「Pass It On」
https://www.youtube.com/watch?v=RU-u5owvrjA
The Posse NFX「Posse Funk」
https://www.youtube.com/watch?v=sfqjZgCn5mo
Big Daddy Kane「3 Forties and a Bottle of Moet」
https://www.youtube.com/watch?v=95fAAsxcZzc
Leaders of the New School「Syntax Era」
https://www.youtube.com/watch?v=_qE3MS7deGw
Shawnie Ranks「Let Me Know」
https://www.youtube.com/watch?v=jByPaufHMs4
Luke feat. The Notorious B.I.G.「Bust a Nut」
https://www.youtube.com/watch?v=-YNfX2AYiQo
Horace Brown feat. Foxy Brown「One for the Money (Clark Kent Remix) 」
https://www.youtube.com/watch?v=ttCpbdm1he4
Kirk Franklin's Nu Nation「Faith」
https://www.youtube.com/watch?v=ZzzdX-6W0P0
Sounds of Blackness feat. John Forte「Spirit (Refugee Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=k16ElrN-Jdw
Macy Gray「Shed」
https://www.youtube.com/watch?v=4V13tXKq3ds
J Dilla「Jay Dee 46」
https://www.youtube.com/watch?v=dk_jbrUgDX0
「Cloudburst」
Leroy Kirkland/Jimmy Harris作。当ブログでも紹介したLambert, Hendricks & Rossヴァージョンでお馴染みの1曲。彼女たちのコーラス・スタイルのお手本の1つがLambert, Hendricks & Rossであることが窺えます。ジャズ・コーラス調のスウィンギーなPointer Sistersを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=QnfU5kkC7IA
「Jada」
Pointer Sisters/Bruce Good/Jeff Cohen作。R&B×ジャズ・コーラスの少しノスタルジックな雰囲気がいいですね。グラス片手に寛げます。
https://www.youtube.com/watch?v=i5g1cQU0IEo
「River Boulevard」
シスコのロック・グループLambのカヴァー(Barbara Mauritz作)。オリジナルは『Bring Out The Sun』(1971年)収録。スワンプ・ロック×ゴスペルな雰囲気がいですね。ジャズ・コーラスではないR&B/ゴスペル・コーラスなPointer Sistersを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Tw_g9HI-CxU
「Old Songs」
John Shine/Bruce Good作。タイトルの通り、オールドタイミーな雰囲気で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-LjK-7bpjEE
「That's How I Feel」
Crusadersのカヴァー(Wilton Felder作)。オリジナルは『Crusaders 1』(1972年)収録。R&Bとジャズをブレンドしたサウンドをバックに、スキャット・コーラスで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=N028wgtk4gw
「Sugar」
Pointer Sisters作。ジャズ・コーラス調ですがR&Bフィーリングも加味されている感じがいいですね。
「Pains and Tears」
シスコのサイケ・ロック・グループHammerのカヴァー(Norman Landsberg作)。オリジナルは『Hammer』(1970年)収録。スウィンギーに疾走するジャズ・コーラスで楽しませてくれます。圧倒的なコーラス・ワークで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mrjUI93ks_Y
「Naked Foot」
Neal Tate作。落ち着いた雰囲気のコーラス&演奏です。本作らしいR&B×ジャズなフィーリングがいい感じです。
「Wang Dang Doodle」
アルバムからの2ndシングルはKoko Taylor、1966年のR&Bヒットで知られる楽曲のカヴァー(Willie Dixon作)。オリジナルは1961年のHowlin' Wolfヴァージョン。ロッキン・サウンドの演奏は本作の中では異色です。
https://www.youtube.com/watch?v=TCMbR5GyCA0
Pointer Sistersの他作品もチェックを!
『That's A-Plenty』(1974年)
『Steppin'』(1975年)
『Having A Party』(1977年)
『Energy』(1978年)
『Priority』(1979年)
『Special Things』(1980年)
『Black & White』(1981年)
『So Excited』(1982年)
『Break Out』(1983年)
『Contact』(1985年)
『Hot Together』(1986年)
『Serious Slammin』(1988年)
『Right Rhythm』(1990年)
『Only Sisters Can Do That』(1993年)