2020年06月01日

Mike Bloomfield, Al Kooper & Steve Stills『Super Session』

ロック史に残るスーパー・セッション☆Mike Bloomfield, Al Kooper & Steve Stills『Super Session』

発表年:1968年
ez的ジャンル:スーパー・セッション系ロック/ブルース・ロック
気分は... :元祖スーパー・セッション!

今回はロック名盤としてお馴染みの1枚、Mike Bloomfield, Al Kooper & Steve Stills『Super Session』(1968年)です。

Al KooperMike BloomfieldStephen Stillsという3名のミュージシャンの共演アルバムですが、Al Kooperが2人を招いたセッションであり、実質的にはAl Kooperのアルバムと呼べると思います。

その主役Al Kooperについて、当ブログでの紹介は『New York City (You're A Woman)』(1971年)、『Naked Songs』(1972年)に続き、3回目となります。調べたら、約13年ぶりのAl Kooperのエントリーとなります。

往年のロック・ファンには名盤としてお馴染みの1枚ですね。スーパー・スターの共演という訳ではありませんが、玄人好みのミュージシャンが集まって"スーパー・ユニット"を結成し、ジャム・セッション・スタイルでロック・アルバムを作り上げた点で当時としては画期的な作品だったようです。アルバムはUSアルバム・チャート第12位のヒットとなりました。

元々はAl KooperPaul Butterfield Blues BandThe Electric Flagへの参加で知られる敏腕ギタリストMike Bloomfieldに声をかけ、2人の共演アルバムとなる予定であったのが、Bloomfieldが途中で離脱(逃亡)してしまったため、急遽Stephen Stillsを呼び寄せて、残りのセッションを行ったものです。

こんな経緯ですが、レコーディング・メンバーはAl Kooper(p、org、vo、g)、Mike Bloomfield(g)、Stephen Stills(g)、Harvey Brooks(b)、Eddie Hoh(ds)。

全9曲のうち、前半5曲がMike Bloomfield参加セッション、残り4曲がStephen Stills参加セッションです。Mike Bloomfield参加セッションはブルース・ロック色が強く、それと比較してStephen Stills参加セッションはバラエティに富んだ印象です。

Mike Bloomfieldのブルージーなギターを堪能したいのであれば、「Albert's Shuffle」「Really」ですが、格好良いブルース・ロック「Stop」、サイケな「His Holy Modal Majesty」もKooper/Bloomfieldの共演らしいと思います。

Stephen Stills参加セッションならば、Bob Dylan「It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」Donovan「Season of the Witch」という2曲のカヴァーが目立ちます。また、格好良いロック・チューン「You Don't Love Me」も気に入っています。「Season of the Witch」はサンプリング・ソースとしても人気です。

スーパー・セッションという割に派手さはありません。
でも、それがこのセッション・アルバムの魅力でもあると思います。

全曲紹介しときやす。

「Albert's Shuffle」
Al Kooper/Mike Bloomfield作。Mike Bloomfieldのギター・プレイを堪能できるブルージーなインストがオープニング。セッション・アルバムらしい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=UHFPVOEKEfA

「Stop」
Howard TateのR&Bヒットをカヴァー(Jerry Ragovoy/Mort Shuman作)。ソウルフルなKooperのオルガンとBloomfieldのブルージー・ギターの組み合わせが絶妙な
ブルース・ロックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2QzxtVvt9M0

Diamond D & The Psychotic Neurotics「Check One, Two」、Blumentopf「Neulich in Der City」等のサンプリング・ソースとなっています。
Diamond D & The Psychotic Neurotics「Check One, Two」
 https://www.youtube.com/watch?v=Bb1d5qQv3pw
Blumentopf「Neulich in Der City」
 https://www.youtube.com/watch?v=biwag64pL0I

「Man's Temptation」
Curtis Mayfield作品のカヴァー。オリジナルは1963年のGene Chandlerヴァージョン。Kooperのヴォーカル入りのソウル・チューンに仕上がっています。オーバー・ダビングしたホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=cBopPNUn8kA

Killer Mike「The Next Bitch」のサンプリング・ソースとなっています。
Killer Mike「The Next Bitch」
 https://www.youtube.com/watch?v=9QW2fW3Ga0A

「His Holy Modal Majesty」
Al Kooper/Mike Bloomfield作。この時代らしい空気が漂うサイケなブルース・ロック。Kooperの電子キーボードのマッドな音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=C7Srl6ED2sA

「Really」
Al Kooper/Mike Bloomfield作。Kooper/Bloomfieldの共演らしいブルース・チューン。2人のオルガン&ギターを存分に楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=XmPtLMFunKo

ここまでがstrong>Mike Bloomfield参加セッション。
次からがStephen Stills参加セッションです。

「It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」
Bob Dylan作品をカヴァー。オリジナルは『Highway 61 Revisited』(1965年)に収録されています。
当ブログではLeon Russellのカヴァーも紹介済みです。これはいかにもStephen Stills参加曲といった雰囲気のフォーク/カントリー・ロックです。KooperファンよりもStillsファンが喜ぶ1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Qz47XGsi2e0

「Season of the Witch」
Donovanのサイケ名曲をカヴァー。オリジナルは『Sunshine Superman』(1966年)に収録されています。当ブログではJulie Driscoll, Brian Auger & The Trinityのカヴァーを紹介済みです。セッション・アルバムらしいソウル・フィーリングがいい感じですね。ギタリストとしてのStillsに注目しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=NWkMMXgQohc

本曲はサンプリング・ソースとしても人気です。Main Source「Just Hangin' Out」The Pharcyde「Ya Mama」Pete Rock & C.L. Smooth feat. Heavy D,Deda, Grap Luva and Rob-O「The Basement」、Black Moon「Son Get Wrec」、Ali Dee「Bring It On」、Bobby Hughes Experience「Seasons」、Rob Swift「Funk Time」、DJ Stitches & Rhyme Valore「Sleepy Theme」等のサンプリング・ソースとなっています。
Main Source「Just Hangin' Out」
 https://www.youtube.com/watch?v=cDz29sva4FM
The Pharcyde「Ya Mama」
 https://www.youtube.com/watch?v=lnCeZY6nxjQ
Pete Rock & C.L. Smooth and Heavy D feat. Deda, Grap Luva and Rob-O「The Basement」
 https://www.youtube.com/watch?v=oaSB6MIZkSc
Black Moon「Son Get Wrec」
 https://www.youtube.com/watch?v=kJOrcZMEKyA
Ali Dee「Bring It On」
 https://www.youtube.com/watch?v=-_sXwVOBJtg
Bobby Hughes Experience「Seasons」
 https://www.youtube.com/watch?v=Q_7rLAGDOfQ
DJ Stitches & Rhyme Valore「Sleepy Theme」
 https://www.youtube.com/watch?v=qKyJy_qH5dg

「You Don't Love Me」
Willie Cobbsのカヴァー。ロック・チューンという意味ではこのセッションが一番キャッチーで格好良いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=5kgeqWv7a1o

「Harvey's Tune」
ラストはベースで参加のHarvey Brooksの作品。この演奏だけは他のトラックと異なり、やけに耳障りの良いホーン・サウンド中心のジャズ風インストになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QUT_NQ4tbTI

Schkoonk!「Sale Histoire」、Gang Society「Dem Streetz」、Blood of Abraham「Paranoia Is Awareness」、Masta Ace feat. Punchline & Wordsworth「I Like Dat」のサンプリング・ソースとなっています。
Schkoonk!「Sale Histoire」
 https://www.youtube.com/watch?v=KJ71QF5UK1M
Gang Society「Dem Streetz」
 https://www.youtube.com/watch?v=RZ972wjgSlo
Blood of Abraham「Paranoia Is Awareness」
 https://www.youtube.com/watch?v=CBZa3Al3qeU
Masta Ace feat. Punchline & Wordsworth「I Like Dat」
 https://www.youtube.com/watch?v=K9v9eixnw6c

Al Kooperの他作品もチェックを!

『I Stand Alone』(1968年)


Mike Bloomfield & Al Kooper『The Live Adventures of Mike Bloomfield and Al Kooper』(1969年)


『You Never Know Who Your Friends Are』(1969年)


『Easy Does It』(1970年)


Al Kooper & Shuggie Otis『Kooper Session』(1970年)


『New York City (You're A Woman)』(1971年)
紐育市(お前は女さ)

『Naked Songs』(1972年)


『A Possible Projection of the Future/Childhood's End』(1972年)


『Act Like Nothing's Wrong』(1976年)


『Championship Wrestling』(1982年)

posted by ez at 03:10| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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