2020年07月01日

Fast 3『The Grifter』

美学のあるUKジャズ・ファンク・トリオ☆Fast 3『The Grifter』

発表年:2006年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク
気分は... :ジャケに思わずニンマリ!

今回はUKジャズ・ファンク作品、Fast 3『The Grifter』(2006年)です。

Fast 3は2002年にロンドンで結成されたジャズ・ファンク・トリオ。

オリジナル・メンバーはPhil Wilkinson(org)、Dave Wilkinson(g)というWilkinson兄弟とイタリア人のAndrea Trillo(ds)という3名。その後、Andrea Trilloに代わり、Caspar St. Charlesがドラマーとして加入しています。

グループは『Pole Position』(2004年)、『The Grifter』(2006年)、『3's Company : A Tribute To Grant Green』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

本作『The Grifter』(2006年)は、日本デビュー・アルバムとなります。

The Three Sounds『It Just Got To Be』(1963年)を模したジャケからして思わずニンマリですね。

The Three Sounds『It Just Got To Be』(1963年)


UKジャズ・ファンクを牽引するグループThe New Mastersoundsでお馴染みのOne Note Recordsからのリリースです。

プロデュースはPhil WilkinsonDave Wilkinson

"Melvin SparksJohnny "Hammond" SmithBernard Purdie"と評されたソウル・ジャズ寄りの演奏は派手さはありませんが、通好みのUKジャズ・ファンクといった感じです。

カヴァーはなく全曲オリジナルで固めたところに彼らの自信を感じます。

「Speakeasy」「Heirs To The Throne」「The Grifter」「Brandy Snap」「Souled Out」「The Clap」あたりが僕のお気に入り。

やり過ぎない美学の格好良さにグッとくる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Speakeasy」
Dave Wilkinson作。モッドな格好良さのあるグルーヴィーなオープニング。2000年代のスウィンギン・ロンドンといった雰囲気の格好良さがあります。ドラム・ブレイクもキマっています。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=2RC786ncTvU

「Tufty」
Fast3作。カリビアン・テイストの開放感が心地好い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=ezgaOQtfQ3M

「Lamanleman」
Fast3作。少しルーズな雰囲気がいいですね。ここでのDaveはギターに加えて、ハーモニカでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=aQEdepqw4lo

「Heirs To The Throne」
Phil Wilkinson作。7分超の長尺。"Melvin SparksJohnny "Hammond" Smith+Bernard Purdie"と称される彼らのグルーヴィーなソウル・ジャズ・フィーリングの演奏を満喫できます。特にCasparのパワフルなドラミングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ns9K4R2nxw0

「The Grifter」
Dave Wilkinson作。タイトル曲はやり過ぎない余白の格好良さを感じます。彼らの美学が詰まった演奏だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=s1FHXojAiLk

「Taste Promise」
Fast3作。グルーヴィーなリフが淡々と演奏されますが、後半のドラムブレイクを機にヒートアップする感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sn0YlJloVWE

「Brandy Snap」
Dave Wilkinson作。60年代ジャズ・ロック/ラテン調の魅力を持った演奏です。ギター、オルガン、ドラムのみの演奏とは思えない華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Q4QuMESblAg

「Hard Rock Maple」
Fast3作。タイトルにはハード・ロックとありますが、ギター、ハモンド・オルガン、パワフルなドラミングのバランスが絶妙なソウル・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=t6NjznxRIJs

「The Lizard Checker」
Phil Wilkinson作。ここでのPhilはエレピを演奏。全体的に抑えたトーンのブルージーなサウンドに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=zpESOEJi-68

「Souled Out」
Fast3作。レア・グルーヴ好きの人も気に入りそうな躍動感のあるサウンドです。ここでもやり過ぎないツボを押さえた演奏がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=fuddZrn-1fU

「The Clap」
Fast3作。ラストはDaveの格好良いギターが炸裂するファンキー・チューン。国内盤ライナーノーツで、"Big" John PattonがGrant Greenと共演した『Got A Good Thing Goin'』(1966年)のオープニング曲「The Yodel」のアップデート版と評されていましたが、聴き比べてみるのも楽しいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=tuJRYFH64Fw

"Big" John Patton「The Yodel」
 https://www.youtube.com/watch?v=rist7_i_GYQ

ご興味がある方はGrant Greenへのトリビュート・アルバム『3's Company : A Tribute To Grant Green』(2008年)もチェックを!

『3's Company : A Tribute To Grant Green』(2008年)


また、メンバーのDave Wilkinson(g)、Andrea Trillo(ds)は、スペイン人のArecio Smith(org、key)、アルゼンチン人のTito Bonacera(b)と組んだユニットPhat Fredとしても作品をリリースしています。

Phat Fred『Don't Spoil The Soup!』(2006年)


Phat Fred『Live In Denmark Hammondbeat Soul & Groove Live Vol. 2』(2008年)
posted by ez at 00:41| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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