録音年:1959年
ez的ジャンル:ウエスト・コースト系ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :お風呂でジャズを・・・
今回は50年代ビッグ・バンド・ジャズからMarty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。
TotoのDavid Paichの父親としても知られるカリフォルニア州オークランド出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー/バンド・リーダーMarty Paich(1925-1995年)の紹介は、『踊り子』の愛称で知られる『The Broadway Bit』(1959年)に続き2回目となります。
『踊り子』と並ぶ代表作が『お風呂』の愛称で知られる本作『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。
『踊り子』同様、名アレンジャー/バンド・リーダーとしてのMarty Paichの才を楽しめる1枚です。
ビッグ・バンドのメンバーはMarty Paich(conductor)以下、Art Pepper(as)、Bill Hood(bs)、Bill Perkins(ts)、Al Porcino(tp)、Conte Candoli(tp)、Jack Sheldon(tp)、Bobby Envoldsen(tb)、George Roberts(tb)、Russ Freeman(p)、Joe Mondragon(b)、Mel Lewis(ds)、Victor Feldman(vibe)という面々。コンパクトながらも各プレイヤーのソロも随所で楽しめます。
全8曲中Duke Ellington絡みの曲が4曲取り上げられているのが印象的です。
名アレンジャーによる洗練されたアンサンブルによるモダンなビッグ・バンド・サウンドを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)」
Duke Ellingtonのカヴァーその1。名曲「スイングしなけりゃ意味ないね」のカヴァーです(Duke Ellington/Irving Mills作)。ビッグ・バンドらしい華やかで軽快な演奏で盛り上げてくれます。Art Pepper、Bill Hood、Bill Perkins、Bobby Envoldsen、Jack Sheldonがそれぞれコンパクトながらも素敵なソロを聴かせてくれます。Victor Feldmanのヴァイヴもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=i-H7JmdJDwo
「No More」
Billie Holidayでお馴染みのスタンダードをカヴァー(Bob Russell/Tutti Camarata作)。Jack Sheldonのトランペットをフィーチャーした哀愁バラードをしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TAJ7lY9241A
「Love For Sale」
Cole Porter作。Cole Porterの名曲カヴァー。ラテン・フレイヴァーを効かせた僕好みの演奏です。ソロはArt Pepper、Conte Candoli、Bobby Envoldsen、Victor Feldman。特にFeldmanのヴァイヴ・ソロにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=ff57ENy32kY
本曲に関して、当ブログではJorge Dalto、Gene Harris、Dexter Gordon、Anita O'Day、Les McCann、Jane Birkin、The Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方は過去記事をご参照下さい。
「Moanin'」
Bobby Timmons作。Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染みの名曲をカヴァー。Russ Freemanのピアノがあのお馴染みのメロディを奏でます。Art Pepperが雰囲気のあるソロを聴かせてくれるのも嬉しいですね。それ以外にConte Candoliがソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UtmBH5qYowk
本曲に関して、当ブログではJon Hendricksが歌詞をつけたLambert, Hendricks & Ross、Jose Jamesのヴァージョンも紹介済みです。
「Violets For Your Furs」
Matt Dennis/Tom Adair作。Art Pepperの情感たっぷりのアルト・サックスをフィーチャーした素敵なバラードです。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_jwZii0BbPQ
「What Am I Here For/Cottontail」
Duke Ellingtonのカヴァーその2。Ellington作品2曲のメドレー。エレガントな「What Am I Here For」に続き、ジャンプ・ナンバー「Cottontail」で一気にテンポアップします。Feldmanの疾走するヴァイヴ・ソロにホーン隊が続きます。
https://www.youtube.com/watch?v=Vme1-uzKppk
「「What Am I Here For」について、当ブログではClifford Brown & Max Roachのカヴァーを紹介済みです。
「Warm Valley」
Duke Ellingtonのカヴァーその3(Bob Russell/Duke Ellington作)。Bill Hoodのバリトン・サックスをフィーチャーしたロマンティック・バラード。バリトン・サックスらしいムーディーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uHfrc0o0eIQ
「Things Ain't What They Used To Be」
Mercer Ellington/Ted Parsons作。Duke Ellingtonの息子Mercerの作品であり、Duke Ellington楽団もクロージング・テーマとして演奏していた楽曲です。Russ Freemanのピアノ、Feldmanのヴァイヴの小粋な音色と雰囲気たっぷりのホーン・アンサンブルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=nnfYYnCQ-QE
未聴の方は『踊り子』もぜひ!
『The Broadway Bit』(1959年)
Marty Paichの他作品もチェックを!
『Jazz for Relaxation』(1956年)
『Tenors West』(1956年)
The Jazz City Workshop『The Jazz City Workshop』(1956年)
『A Jazz Band Ball』(1957年)
『Hot Piano』(1957年)
『The Picasso of Big Band Jazz』(1957年)
『Marty Paich Trio』(1957年)
『Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper』(1958年)
『Take Me Along』(1959年)
『Lush Latin & Cool』(1960年)
『The Rock-Jazz Incident』(1966年)