発表年:1968年
ez的ジャンル:サイケデリック・ロック/ブルース・ロック
気分は... :サイケ?ブルース?
今回はSteve Miller Bandのデビュー・アルバム『Children Of The Future』(1968年)です。
リーダーSteve Millerを中心にサンフランシスコで結成されたロック・グループSteve Miller Bandの紹介は、2ndアルバム『Sailor』(1968年)に続き2回目となります。
コロナ禍でCDショップに全く行っていない影響もあって、この半年間、久々にロックを聴く機会が増えています。家のCD棚からしばらく聴いていなかったアルバムたちを引っ張り出し、懐かしさと以前は気づかなかった新たな発見を楽しんでいます。
本作Steve Miller Band『Children Of The Future』(1968年)もそんな1枚です。
1967年6月のモントレー・ポップ・フェスティバルへの出演で注目を浴び、
Capitolとの契約に成功し、デビューのチャンスを得たSteve Miller Band。
本作はロンドン録音ですが、まだ何の実績もない新人アーテイストをロンドンへ送り込むあたりにレコード会社の期待を感じます。
プロデュースはGlyn Johns。
本作におけるメンバーはSteve Miller(g、vo、harmonica)、Boz Scaggs(g、vo)、Lonnie Turner(b、back vo)、Jim Peterman(org、mellotron、back vo)、Tim Davis(ds、back vo)。
また、次作からバンドに参加するBen Sidranも1曲レコーディングに参加しています。
オリジナルLPのA面がサイケデリック・ロック、B面がブルース・ロックというように両面でかなり違った表情を見せるアルバムです。
サイケなA面がこの時代らしいのかもしれませんが、個人的にはブルース・ロックなB面の方が好きです。
Boz Scaggs作の「Steppin' Stone」、「Baby's Callin' Me Home」、ブルース・ロックにサイケなエッセンスも加わった「Roll With It」、R&Bテイストのグルーヴィー・ロック「Junior Saw It Happen」、The Beatlesの影響が強いサイケ・チューン「Children of the Future」あたりが僕のおススメです。
サイケでブルースなデビュー・アルバムをお楽しみください。
全曲紹介しときやす。
「Children of the Future」
Steve Miller作。タイトル曲はサイケデリックなストレンジ・ポップ。The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』、『Magical Mystery Tour』の影響を強く感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=YQCog4hqS8A
「Pushed Me to It」
Steve Miller作。40秒に満たない小曲ですが、なかなかキャッチー&ポップなサイケ・ロックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YF7MRal3xPA
「You've Got the Power」
Steve Miller作。こちらも1分に満たない小曲。「Pushed Me to It」とセットで1曲といった感じですね。オルガンの音色が効いたグルーヴィー・ロックはもっと長尺で聴きたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=DoNIdcnXwiY
「In My First Mind」
Steve Miller/Jim Peterman作。打って変わって7分半の長尺。スケールの大きなサイケ・ロックは60年代後半らしいムードにどっぷり浸ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=LCkA8Evrj-0
「The Beauty of Time Is That It's Snowing (Psychedelic B.B.)」
Steve Miller作。ある意味このバンドらしいサイケ×ブルースなサイケ・チューン。ミサのようなコーラスワークも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=akZvjhs-HzU
ここまでがオリジナルLPのA面。
「Baby's Callin' Me Home」
Boz Scaggs作。Ben Sidranがハープシコードで参加。60年代後半らしい雰囲気のアコースティック・ブルースです。
https://www.youtube.com/watch?v=9cK--Mt5iKE
Abner Burnett、S. S. Foolsがカヴァーしています。
Abner Burnett「Baby's Callin' Me Home」
https://www.youtube.com/watch?v=FCyX6o4Gr20
S. S. Fools「Baby's Callin' Me Home」
https://www.youtube.com/watch?v=BMIvwe1Mizc
「Steppin' Stone」
Boz Scaggs作。本来のバンドの姿に近いドライヴ感のあるブルース・ロック。アルバムで一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=rtX89g1beUg
「Roll With It」
Steve Miller作。基本はグルーヴィーなブルース・ロックですが、ヴォーカルワーク、サイケなエッセンスも加わり、この時代ならではの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-omYFB3qL7o
「Junior Saw It Happen」
The Disciples、1966年のシングルB面曲をカヴァー(Jim Pulte作)。R&Bテイストのグルーヴィー・ロックはなかなか格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=vmkUaskSjaQ
「Fanny Mae」
Buster Brown、1960年のシングル曲をカヴァー(Buster Brown作)。Steveのハーモニカも効かせたオーソドックスなブルース・ロックで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NsXntdGtrA0
Mad Kap feat. Daddy Freddy「Phuck What Ya Heard (Thoughts on the Indoe From Joe)」がサンプリングしています。
Mad Kap feat. Daddy Freddy「Phuck What Ya Heard (Thoughts on the Indoe From Joe)」
https://www.youtube.com/watch?v=PnLpyV74ON8
「Key to the Highway」
Derek & The Dominosヴァージョンでお馴染みのブルース・スタンダードをカヴァー。オリジナルはブルース・ピアニストCharlie Segar。Derek & The Dominosのイメージが強い曲なので、それと比較すると地味な印象ですが、逆にシブさがあっていいかも?
https://www.youtube.com/watch?v=41Y3IGO3MpE
Steve Miller Bandの他作品もチェックを!
『Sailor』(1968年)
『Brave New World』(1969年)
『Your Saving Grace』(1969年)
『Number 5』(1970年)
『Rock Love』(1971年)
『Recall the Beginning ... A Journey From Eden』(1972年)
『The Joker』(1973年)
『Fly Like an Eagle』(1976年)
『Book of Dreams』(1977年)
『Circle of Love』(1981年)
『Abracadabra』(1982年)
『Italian X Rays』(1984年)
『Living in the 20th Century』(1986年)