2020年10月06日

Little Feat『The Last Record Album』

グループの進化を感じる1枚☆Little Feat『The Last Record Album』

発表年:1975年
ez的ジャンル:L,A.ファンキー・ロック
気分は... :ラストではありません!

Lowell George率いるLittle Feat『The Last Record Album』(1975年)です。

70年代L,A.ロックを代表するバンドの1つLittle Featの紹介は、3rdアルバム『Dixie Chicken』(1973年)、2ndアルバム『Sailin' Shoes』(1972年)に続き3回目となります。

前回Little Featを紹介したのが2008年2月だったので、12年半以上ぶりのLittle Featのエントリーとなります。

5thスタジオ・アルバムとなる本作『The Last Record Album』(1975年)。

タイトルだけ見ると、まるでグループのラスト作のような錯覚を起こしますが、このタイトルはジョークでありファンを安堵させました。

本作におけるLittle Featのメンバーは、Lowell George(g、vo)、Paul Barrere(g、vo)、Bill Payne(key、syn、vo)、Kenny Gradney(b)、Richard Hayward(ds、vo)、Sam Clayton(congas)という6名。

メンバー以外にValerie Carter(back vo)、OrleansJohn Hall(g)、Fran Tate(back vo)といったミュージシャンも参加しています。

プロデュースはLowell George

本作の特徴はバンドのフロントマンLowell George以外のメンバーの個性も目立っている点です。特にPaul BarrereBill Payneが存在感を示しています。勿論Lowell Georgeも約半数の曲でリード・ヴォーカルをとりますが、プロデューサーとしての役割に比重を置いている気がします。

音楽的な幅を広げつつ、メンバーの個性が分離せず調和しているのがいいですね。あとはLowell Georgeの味のあるヴォーカルには捨て難い魅力がありますね。

特にオリジナルLPのA面占める冒頭4曲の「Romance Dance」「All That You Dream」「Long Distance Love」「Day or Night」にアルバムの素晴らしさが凝縮されていると思います。

個人的にはB面の「Down Below the Borderline」「One Love Stand」も大好き!

グループの進化を感じるファンキー・サウンドはソウル/ファンク好きの人にもフィットするのでは?

10年以上ぶりに通して聴きましたが、昔聴いたとき以上に僕の耳にフィットしました。改めて素晴らしい1枚であることを実感しました。

全曲紹介しときやす。

「Romance Dance」
Bill Payne/Paul Barrere/Ken Gradney作。リード・ヴォーカルはBill PayneとPaul Barrere。タイトなリズム・セクション、Lowell Georgeのスライド、Bill Payneのリズミックなピアノが織り成すLittle Featらしいファンキー・チューン。ルーズな中にもコクを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=_BzUwySJzAA

「All That You Dream」
Bill Payne/Paul Barrere作。リード・ヴォーカルはLowell GeorgeとPaul Barrere。John Hall(g)も参加しています。Little Feat流ファンク・グルーヴがさく裂します。バンドの進化を感じるダイナミックな演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=c9AuJc02afQ

Linda Ronstadtが『Living In The USA』(1978年)でカヴァーしています。
Linda Ronstadt「All That You Dream」
 https://www.youtube.com/watch?v=8t5m1qSqPzQ

「Long Distance Love」
Lowell George作。リード・ヴォーカルはLowell George。Valerie Carter、Fran Tateがバック・コーラスで参加。L,A.ロックらしい雰囲気のメロウ・ミディアム・バラード。黄昏モードで聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vsNeUZd9n48

Nicolette Larson、Louis Bertignacがカヴァーしています。また、Atmosphere「Modern Man's Hustle」のサンプリング・ソースとなっています。
Nicolette Larson「Long Distance Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=MIL824_9l9I
Louis Bertignac「Long Distance Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZpNsTiXOQus
Atmosphere「Modern Man's Hustle」
 https://www.youtube.com/watch?v=V3quWP2-n9E

「Day or Night」
Bill Payne/Fran Tate作。リード・ヴォーカルはBill PayneとPaul Barrere。Bill Payne色の強いLittle Feat流クロスオーヴァー/フュージョン・チューン。終盤のインプロヴィゼーションやトリッピーなシンセが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=dVjENbXtDs4

「One Love Stand」
Bill Payne/Paul Barrere/Ken Gradney作。リード・ヴォーカルはLowell George。Valerie Carter、Fran Tateがバック・コーラスで参加。ルーズな雰囲気ながらもLittle Featならではの味わい深さを感じる1曲。酒の肴にピッタリな1曲(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=5TmdI3XqCro

「Down Below the Borderline」
Lowell George作。リード・ヴォーカルはLowell George。ブラック・フィーリングのファンキー・グルーヴ。個人的にはアルバムで一番格好良い演奏だと思います。途中でターンテーブルのスクラッチ音を思わせるエフェクトを効かせているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Tjuy97pIn0I

「Somebody's Leavin'」
Bill Payne作。リード・ヴォーカルはBill Payne。Little Featらしからぬ雰囲気の荘厳な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=4K_BorKu2n8

「Mercenary Territory」
Lowell George/Richard Hayward/Elisabeth George作。リード・ヴォーカルはLowell George。本編ラストは開放的なファンキー・ロックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gBkvVH2Ehlw

CDには「Don't Bogart That Joint (live)」「A Apolitical Blues (live)」というライヴ・アルバム『Waiting for Columbus』(1978年)のアウトテイク音源2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
『Waiting for Columbus』のCDデラックス・エディション

Little Featの他作品もチェックを!

『Little Feat』(1970年)


『Sailin' Shoes』(1972年)


『Dixie Chicken』(1973年)


『Feats Don't Fail Me Now』(1974年)


『Time Loves a Hero』(1977年)


『Waiting for Columbus』(1978年)


『Down on the Farm』(1979年)
posted by ez at 03:58| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]