発表年:1976年
ez的ジャンル:ジャズ・ファンク/フュージョン
気分は... :現在の邂逅…
セッション・ドラマーとしも活用したAlphonse Mouzonの『The Man Incognito』(1976年)です。
Alphonse Mouzon(1948-2016年)はUSサウスカロライナ州チャールストン出身のジャズ/フュージョン・ドラマー。
Weather Reportのオリジナル・メンバーとして、1stアルバム『Weather Report』(1971年)に参加しています。1973年から1975年まではLarry Coryell率いるEleventh Houseに参加しています。
『The Essence of Mystery』(1973年)を皮切りに1990年代前半までコンスタントにソロ・アルバムをリリースすると同時に、セッション・ドラマーとして数多くのアーティストのレコーディングに参加しています。
本作『The Man Incognito』(1976年)は、『The Essence of Mystery』(1973年)、『Funky Snakefoot』(1974年)、『Mind Transplant』(1975年)に続く4thアルバムであり、これまでと同じくBlue Noteからのリリースですが、結局本作がBlue Noteラスト作となりました。
プロデュースは前作『Mind Transplant』(1975年)と同じくZembu ProductionsのSkip Drinkwater。
ただし同じSkip Drinkwaterプロデュースでも、前作『Mind Transplant』Billy Cobham『Spectrum』(1973年)に対抗するかのように、ロック・ギタリストTommy Bolinをフィーチャーしたジャズ・ロック的な作品でしたが、本作『The Man Incognito』は都会的でファンキーなジャズ・ファンク/フュージョン作品に仕上がっています。
Alphonse Mouzon(ds、per、vo、syn)以下、Gary Grant(tp)、George Bohanon(tb)、Ray Pizzi (ts、as)、Tom Scott(ts、bs、lyricon)、David Benoit(p、el-p)、Dave Grusin(p、el-p、clavinet)、George Duke(Dawilli Gonga名義)(syn)、Ian Underwood(syn)、David T. Walker(g)、Lee Ritenour(g)、Tim DeHuff(g)、
Charles Meeks(el-b)、Emil Richards(cymbals、per)、Victor Feldman(congas、bongos、per)、Marty McCall(vo)、Jackie Ward(vo)、Caroline Willis(vo)がレコーディングに参加しています。特にDawilli Gonga名義で参加しているGeorge Dukeの貢献が大きいと思います。
個人的には「Mouzon Moves On」、「Take Your Troubles Away」といった爽快フュージョンや、メロウ・ミディアム「You Are My Dream」がお気に入り。
主役Mouzonのドラミングを楽しむのであれば、「Snake Walk」、「New York City」あたりもおススメです。「Before You Leave」はサンプリング・ソースとして人気です。
豪華メンバーにふさわしい聴きどころの多い1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Take Your Troubles Away」
アーバンでキャッチーな爽快フュージョンがオープニング。中盤からはヴォーカルも加わり、華やかな雰囲気が増します。
https://www.youtube.com/watch?v=6GvdLWzCnbM
「Snake Walk」
Mouzonのタイトなドラミングが映える開放的なファンキー・グルーヴ。George Dukeがシンセ・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OOCj3AHBbuY
「Before You Leave」
力強く疾走するフュージョン・チューン。ケバケバしいシンセの音色がこの時代らしいのでは?リリコン・ソロはTom Scott。
https://www.youtube.com/watch?v=kHvGYyQtXyI
Black Market Militia feat. Dead Prez「Audobon Ballroom」、LMNO「Work Ethic」、General Steele feat. Young Coke, VVS Verbal and Mantecha Music「Hometown」、Blaq Poet feat. Teflon「Let Em Have It」、Psycho Les feat. Jack and Sonny P.O.D「Oh My!」、Nesby Phips feat. Smoke DZA and Push! Montana「King Me」、The Stuyvesants「Thunderbird」のサンプリング・ソースとなっています。
「Just Like The Sun」
ドラマチックな展開の演奏です。ドキュメンタリーのエンディング・テーマとか似合いそう。ギター・ソロはTim DeHuff。
https://www.youtube.com/watch?v=rY0cut5t1_8
「You Are My Dream」
女性ヴォーカル入りのメロウ・ミディアム。Tom Scottのテナー・サックスも大きくフィーチャーされています。アーバンな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eHWzPFZOGfI
「New York City」
Mouzonの格好良いブレイクと共に始まる都会的なジャズ・ファンク。ギター・ソロはDavid T. Walker。後半はヴォーカルも加わります。
https://www.youtube.com/watch?v=PeE1jPYfSD8
「Without A Reason」
George Dukeが駆使するシンセが印象的です。ブラジリアン・フレイヴァーの隠し味もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=oNtDkYCeGnY
「Mouzon Moves On」
個人的には一番のお気に入り。George Duke作品がお好きな人は気に入るであろう爽快ファンキー・チューン。そのGeorge Dukeがシンセ・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lL1GPQVaqVs
「Behind Your Mind」
ラストはMouzonの力強いドラミングで締め括ってくれます。。さらにLee Ritenourがアコギ&エレクトリック両面で素晴らしいギターを存分に聴かせてくれるのも嬉しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UTV3PR1xwDo
Alphonse Mouzonの他作品もチェックを!
『The Essence of Mystery』(1973年)
『Funky Snakefoot』(1974年)
『Mind Transplant』(1975年)
『In Search of a Dream』(1978年)
『By All Means』(1981年)
のアルバムが配信で出ます。後からCD
も出るかもしれませが、なかなかいいですよ。bandcampで全曲視聴できます。
ありがとうございます。
Ben Westbeech絡みということで興味があります。
チェックしたいと思います。