発表年:1970年
ez的ジャンル:ニューソウル系女性ソウル・シンガー
気分は... :第2章も感動的!
今回は70年代ニューソウルを代表する女性ソウル・シンガーRoberta Flackの2ndアルバム『Chapter Two』(1970年)です。
1937年生まれの女性ソウル・シンガーRoberta Flackについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Roberta Flack & Donny Hathaway』(1972年)
『Feel Like Makin' Love』(1975年)
『I'm The One』(1982年)
『Chapter Two』(1970年)は、『First Take』(1969年)に続く2ndアルバム。『First Take』収録の「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」が1972年に大ヒットする以前のアルバムであり、静かな佇まいのバラード中心のアルバムです。
ソウルフルな歌唱法ではないにも関わらず、ニューソウルを感じる点、楽曲はすべてカヴァーであるにも関わらず、まるでオリジナルのように歌いこなしてしまう点にRoberta Flackというアーティストの魅力があるのでしょうね。
プロデュースはJoel Dorn。
Donny Hathaway、King Curtis、Eumir Deodatoがアレンジを手掛けています。
レコーディングにはDonny Hathaway(p)、Eugene Mcdaniels(back vo)、King Curtis(back vo)、Eric Gale(g)、Marshall Hawkins(b)、Chuck Rainey (b)、Ray Lucas(ds)、Bernard Sweetney(ds)、()、Warren Smith(per)、Hubert Laws(fl)、Corky Hale(harp)等のミュージシャンが参加しています。
ゴスペル・フィーリングのニューソウル・グルーヴのオープニング「Reverend Lee」を除くと、バラードがズラリと並びます。
The Impressionsのカヴァー「Gone Away」、Jimmy Webb作品のカヴァー「Do What You Gotta Do」、Bob Dylanの名曲カヴァー「Just Like a Woman」、The Everly Brothersのヒットで知られる「Let It Be Me」、Buffy Sainte-Marieの名曲カヴァー「Until It's Time for You to Go」あたりが僕のおススメです。
初期Roberta Flackのプリミティヴな魅力を存分に満喫できるアルバムです。
知らぬ間に感動で胸が一杯に・・・
全曲紹介しときやす。
「Reverend Lee」
Eugene Mcdanielsのカヴァー。オリジナルは『Outlaw』(1970年)収録。ゴスペル、ブルースのエッセンスを取り込んだニューソウルなアレンジ、グルーヴにグッとくるオープニング。Robertaの歌声もアルバムで最も躍動しています。
https://www.youtube.com/watch?v=YKimovJj4EI
Fat Jon「Where?」のサンプリング・ソースとなっています。
Fat Jon「Where?」
https://www.youtube.com/watch?v=lqsajJpkCY8
「Do What You Gotta Do」
Johnny Riversのカヴァー(Jimmy Webb作)。オリジナルはアルバム『Rewind』(1967年)収録。当ブログではClarence Carterのカヴァーも紹介済みです。初期Roberta Flackらしい深遠な味わいのバラード。普通に聴いているだけでも感動が込み上げてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ekb_2NT_xFI
Todd Edwards「God Will Be There」、Dela feat. Reach「Go On」のサンプリング・ソースとなっています。
Dela feat. Reach「Go On」
https://www.youtube.com/watch?v=HbC2iDB67tQ
「Just Like a Woman」
Bob Dylanの名曲カヴァー。オリジナルはアルバム『Blonde on Blonde』(1966年)収録。この曲がこんなビューティフル・バラードになるなんて!Bob Dylan作品を完全にRoberta Flack色にしているのが素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w8J2P38P5tk
Rafael Lechowski「Caviar」等のサンプリング・ソースとなっています。
Rafael Lechowski「Caviar」
https://www.youtube.com/watch?v=R8yGRrmnBwo
「Let It Be Me」
Gilbert Becaud/Mann Curtis/Pierre Delanoe作。The Everly Brothers、Betty Everett and Jerry Butlerのヒットで知られる名曲をカヴァー。英語ヴァージョンのオリジナルは1957年Jill Coreyヴァージョン。初期Roberta Flackらしいピアノの弾き語りの魅力を堪能できるバラード。Robertaの感動的な歌声が聴く者を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l2Cw-ayAaJw
The Four Owls feat. DJ Premier「100%」のサンプリング・ソースとなっています。
The Four Owls feat. DJ Premier「100%」
https://www.youtube.com/watch?v=0MPCUoDtOlw
「Gone Away」
The Impressionsのカヴァー(Donny Hathaway/Curtis Mayfield作)。オリジナルは『This Is My Country』(1965年)収録。素晴らしいストリングス・アレンジをバックに、陰影に富んだRoberta Flackならではのニューソウル・バラードを聴かせてくれます。1曲の中にドラマを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=uCwlVODTi58
T.I.「What You Know」等のサンプリング・ソースとなっています。
T.I.「What You Know」
https://www.youtube.com/watch?v=pMXN9-9MgjY
「Until It's Time for You to Go」
カナダの女性SSW Buffy Sainte-Marieの名曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Many a Mile』(1965年)収録。当ブログではClaudine Longet、Lill Lindfors & Marcus Osterdahls Orkesterのカヴァーも紹介済みです。SSW的な佇まいのバラードを少し寂しげに歌います。セピア色のバラードといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eSqhme7SKVU
「The Impossible Dream」
ミュージカル『Man of La Mancha(ラ・マンチャの男)』の名曲カヴァー(Joe Darion/Mitch Leigh作)。ここでも、どんな歌でもRoberta Flack流にしてしまう彼女の魅力を確認できます。曲名を伏せて聴いたら、この曲のカヴァーだと気づかないかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=H24wcLTj0BQ
「Business Goes on as Usual」
Chad Mitchell Trioのカヴァー(Fred Hellerman/Fran Minkoff作)。オリジナルはアルバム『Violets of Dawn』(1966年)収録。アメリカ民謡「ジョニーが凱旋するとき」を引用しているあたりに、社会的なメッセージが込められているのでは?Robertaの哀愁ヴォーカルにも訴えるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=zbRN8knFoHM
Roberta Flackの過去記事もご参照ください。
『First Take』(1969年)
Roberta Flack & Donny Hathaway『Roberta Flack & Donny Hathaway』(1972年)
『Killing Me Softly』(1973年)
『Feel Like Makin' Love』(1975年)
『Blue Lights in the Basement』(1977年)
Roberta Flack Featuring Donny Hathaway『Roberta Flack Featuring Donny Hathaway』(1980年)
『I'm The One』(1982年)
Peabo Bryson/Roberta Flack『Born to Love』(1983年)