2021年01月20日

The RH Factor『Distractions』

ジャズ×R&B/Hip-Hopプロジェクトの第二弾☆The RH Factor『Distractions』

発表年:2006年
ez的ジャンル:ジャズ×R&B/Hip-Hop
気分は... :気晴らし!

人気ジャズ・トランペット奏者Roy HargroveによるプロジェクトThe RH Factorの第二弾アルバム『Distractions』(2006年)です。

テキサス州出身のトランペット奏者で、音楽コレクティヴSoulquariansのメンバーでもあったRoy Hargrove(1969–2018年)がジャズとR&B/Hip-Hopの接点拡大を図ったプロジェクトThe RH Factorの紹介は、第一弾アルバム『Hard Groove』(2003年)に続き2回目となります。

第一弾『Hard Groove』(2003年)には、D'AngeloErykah BaduQ-TipCommonPino Palladino(b)、James Poyser(key)というSoulquariansメンバーが大挙して参加したアルバムとして大きな注目を浴びました。

それ以外にもAnthony Hamilton(vo)、Renee Neufville(元Zhane)(vo)、Meshell Ndegeocello(b)等が参加していました。

この豪華メンバーの名前を眺めただけでも必聴のアルバムが『Hard Groove』(2003年)でした。

それに対して、第二弾となる本作『Distractions』(2006年)は、目立ったゲストはD'Angeloのみであり、豪華ゲストの名前ではなく、音楽の中身で勝負する姿勢が打ち出された1枚に仕上がっています。

本作におけるThe RH Factorメンバーは、Roy Hargrove(tp、flh、vo)以下、Renee Neufville(元Zhane)(vo、key)、Keith Anderson(sax)、現Snarky PuppyBobby Sparks(key)、Charles McCampbell(key)、Bobby Sparks(g)、Lenny Stallworth(b)、Reggie Washington(b)、Jason Thomas(ds)、Willie Jones III(ds)という面々。

さらにゲストとして、D'AngeloDavid "Fathead" Newman(sax、fl)が参加しています。

プロデュースはRoy Hargrove自身。1曲のみD'Angeloとの共同プロデュースです。

やはり一番目立つのはD'Angelo参加&共同プロデュース&ソングライティングの「Bullshit」ですね。D'Angeloファンも満足するはず!

それ以外であれば、Renee Neufvilleがヴォーカル&ソングライティングで参加した「On The One」「Family」「A Place」「Hold On」The RH Factorらしいファンク・グルーヴを楽しめる「Can't Stop」「Distractions 4」あたりがおススメです。

『Hard Groove』(2003年)のような華やかさには欠けるかもしれませんが、このプロジェクトらしいジャズ×R&B/Hip-Hopな演奏を楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Distractions (Intro)」
Roy Hargrove作。タイトル曲はパート1からパート4まで収録されていますが、パート1はそのイントロ。短いながらもファンキー&スリリングな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=t3y3ETGh5tw

「Crazy Race」
Roy Hargrove作。元ZhaneのRenee Neufvilleがジャズ・フィーリングのヴォーカルを聴かせてくれる1曲。ビバップ調の演奏を楽しめますが、Earth, Wind & Fire「Brazilian Rhyme (Beijo)」調のフレーズが飛び交うホーン・アンサンブルが僕のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=v201PxvQ4qM

「Kansas City Funk」
Roy Hargrove作。エフェクトを駆使したプレイが印象的なジャズ・ファンク。なかなかスリリングな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=RKX6OF51XMk

「On The One」
Renee Neufville作。Renee Neufvilleのヴォーカルが映えるネオソウル。ジャズ×R&B/Hip-Hopの融合をコンセプトとしたThe RH Factorらしいサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=IY_WhS5ShtI

「Family」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。しっとりとしたRenee NeufvilleとHargroveのヴォーカル、さらにHargroveの美しいフリューゲル・ホーンが印象的なミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=amlkzJE3g3E

「Distractions 2」
Roy Hargrove作。「Distractions」のパート2。短い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=piTh4z1lkHQ

「A Place」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。Renee NeufvilleとHargroveがヴォーカルをとるミディアム・ファンク。スペイシーなアクセントが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=6rLHVMes-cw

「Hold On」
Roy Hargrove/Renee Neufville作。この曲でもRenee NeufvilleとHargroveがヴォーカル。J Dilla以降のHip-Hopの影響を感じる演奏は、Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)に繋がっているかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=h1wOQ3cN7hA

「Bullshit」
D'Angelo参加&プロデュース&ソングライティングの話題曲。D'Angelo好きの人は気に入るであろうスクラッチ入りのダークなデビルR&Bに、本プロジェクトならではのジャズ・テイストをうまく織り交ぜています。
https://www.youtube.com/watch?v=nVXD0ed7u8w

「Distractions 3」
Roy Hargrove作。「Distractions」のパート3。パート4のフル演奏への期待が膨らみます。
https://www.youtube.com/watch?v=fyxzGK7xBH0

「Can't Stop」
Roy Hargrove作。70年代ファンクを2006年仕様にアップデートさせたようなファンキー・グルーヴ。ファンク好きの人も十分に楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=JXEUarvRFyM

「Distractions 4」
Roy Hargrove作。いよいよパート4でフル演奏を披露してくれます。躍動感のあるダイナミックなジャズ・ファンク・グルーヴをバックに、Roy Hargroveが素晴らしいトランペット・ソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aqebBQeTIdk

未聴の方は、『Hard Groove』(2003年)やその未発表トラック集『Strength』(2004年)もチェックを!

『Hard Groove』(2003年)
ハード・グルーヴ

『Strength』(2004年)
『Hard Groove』セッションの未発表トラック集
posted by ez at 02:59| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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