録音年:1959年
ez的ジャンル:伊達男ハードバップ
気分は... :Grazie!
今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini(tp)の双頭コンボQuintetto Basso-Valdambriの『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)です。
サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini(1924-1997年)を双頭リーダーにしたイタリアン・ジャズの至宝コンボについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。
Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
Quintetto Basso-Valdambri『Walking in the Night』(1960年)
Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボであると同時に、今日のクラブジャズに多大な影響を与えたBasso-Valdambri。
クラブジャズ世代からBasso-Valdambriへのリスペクトは、イタリアのクラブジャズ・ブームの立役者であるマエストロNicola ConteがプロデュースしたBasso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)に象徴されています。
本作『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)は、この双頭コンボの第一弾アルバムとなる作品です。
レコーディング・メンバーはGianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini(tp)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、Gianni Cazzola(ds)の5名。
他の作品同様に、今聴いても全く色褪せないスタイリッシュで格好良い演奏に魅了されます。
次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲「Lotar」をはじめ、「Come Out Wherever You Are」、「Parlami D'Amore Mariu'」といったスリリングな演奏に魅了されます。
リリカルなバラード「Everything Happens To Me」、落ち着きが魅力の「Fan-Tan」、「Like Someone In Love」、開放的でスタイリッシュな「Gone With The Wind」あたりも僕のお気に入りです。
伊達男たちのハードバップ、格好良すぎます!
全曲を紹介しときやす。
「Come Out Wherever You Are」
Jule Styne作。Basso-Valdambriniの素敵なアンサンブルと共にアルバムは幕を開けます。このコンボらしい格好良いハードバップを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=DTsAarcSY08
「Fan-Tan」
Russ Freeman作。落ち着いたオトナ・ジャズといった感じです。Valdambrini〜Basso〜Sellaniと続くソロも紳士な雰囲気でグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Rg6Pa0LqQ8E
「I Wanna Be Kissed」
Harold Spina作。ミュージカル『Good Boy』(1928年)のために書かれた曲をカヴァー。リラックスした演奏で聴く者を和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qJQ52HI2BL0
「Parlami D'Amore Mariu'」
Cesare Andrea Bixio作。このコンボお得意のスリリングに疾走するアフロ・キューバン調のハードバップが格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=lOVH-qKs368
「Everything Happens To Me」
Matt Dennis作。Frank SinatraをフィーチャーしたTommy Dorsey Orchestraヴァージョンがオリジナル。Chet Baker『It Could Happen To You』(1958年)ヴァージョンでも知られる1曲。Basso-Valdambriniのリリカルなプレイを満喫できるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9q9GUKiY1o0
「Lo Struzzo Oscar」
Oscar Valdambrini作。Azzoliniのウォーキング・ベースが牽引する緩急をつけた演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=eQPQ-y41pN0
「Lotar」
Oscar Valdambrini作。前述のSchema Sextetのカヴァーでも知られ、次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲。あえて比較すれば、スタイリッシュな『Walking in the Night』ヴァージョンに対して、本ヴァージョンはパッションを感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=MrlWFhTM0DE
「Lotar」(From 『Walking in the Night』)
https://www.youtube.com/watch?v=RIb36PVE-LU
「Like Someone In Love」
Jimmy Van Heusen作。映画『Belle of the Yukon』(1944年)のために書かれたポピュラー・スタンダードをカヴァー。今聴いても全く古さを感じないこのコンボのセンスの良さを感じる落ち着いた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=BrPvFMG1ydU
「C'Est Si Bon」
Henri Betti作。フレンチ・ポピュラーのスタンダードをカヴァー。軽やかなスウィングで聴く者の心も軽やかにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3i4xnR8mhJw
「Gone With The Wind」
Mack David/Max Steiner作。開放的でスタイリッシュなアンサンブル、ソロで楽しませてくれるハードバップ。後味スッキリなのがこのコンボの演奏の魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JCDJCZSgHuM
「Ballad Medley(「I Can't Get Started」/「Lover Man」)」
「I Can't Get Started」
Vernon Duke作。バラード・メドレー1曲目はValdambriniのリリシズム溢れるソロに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_s8Uk0m9no
「Lover Man」
Jimmy Davis作。バラード・メドレー2曲目はBassoのジェントルなテナーが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l63-Jh-_wME
「I Can't Get Started」に関して、当ブログではAnita O'Day、Cybill Shepherdのカヴァーも紹介済みです。
「Lover Man」に関して、当ブログではPatti LaBelle、Jose James、Maria Muldaurのカヴァーも紹介済みです。
「Chet To Chet」
Oscar Valdambrini作。ラストはChet Bakerに捧げられた Valdambriniのオリジナルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=F8HfgfD4Tus
他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!
『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
『Walking in the Night』(1960年)
『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
『Exciting 6』(1967年)
ご興味がある方は、Basso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)も併せてチェックを!
Schema Sextet『Look Out』(2000年)