発表年:1988年
ez的ジャンル:UKソウル・ディーヴァ
気分は... :歩き続けよう!
今回はUKソウル・ディーヴァMica Parisのデビュー・アルバム『So Good』(1988年)
1969年ロンドン生まれの女性R&BシンガーMica Parisについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚(発売順)。
『Contribution』(1990年)
『Whisper a Prayer』(1993年)
『Black Angel』(1998年)
UKチャート第6位、US R&Bチャート第29位となったデビュー・アルバムである本作『So Good』(1988年)の発売時、彼女は19歳。そんな年齢を感じさせない風格・大物ぶりを感じさせます。
Sheena Eastonなどで知られる人気ソングライティング・チームMiles Waters/Peter ValeがL'Equipe名義でプロデュースしています。
ソングライティングもMiles Waters/Peter Valeが中心です。
アルバムにはCourtney Pine(sax)、Will Downingがゲスト参加しています。
それ以外にレコーディングにはL'Equipe(key、org、prog、g、b、ds、back vo)、Milton McDonald(g)、Pete Wingfield(key)、Steve Ferrera(ds、per、prog)、Paul Powell(b)、Paul Johnson(back vo、元Paradise)、Candy McKenzie(back vo)、Janice Hoyte(back vo)、Katie Kissoon(back vo)、Neil Lockwood(back vo)等が参加しています。
ハイライトはUKチャート第7位のヒットとなったデビュー・シングル「My One Temptation」。
それ以外にCourtney Pineをフィーチャーした「Like Dreamers Do」、Will Downingをフィーチャーした、Roberta Flack & Donny Hathawayの大ヒット曲のカヴァー「Where Is the Love」、Mike Leeson/Peter ValeのRuss Taff提供曲をカヴァーした「Breathe Life Into Me」という3曲がシングル曲。
「Sway (Dance The Blues Away)」、「So Good」といったバラードもゴスペル仕込みの歌唱力で聴き応えがあります。
「Nothing Hits Your Heart Like Soul Music」、「Great Impersonation」あたりも、その後のMica Parisを予感させる感じでおススメです。
10代のデビュー作とは思えない、風格のある1枚をご堪能ください。
全曲紹介しときやす。
「Like Dreamers Do」
Miles Waters/Peter Vale/Sue Shifrin作。Courtney Pineのサックスをフィーチャー。2ndシングルとしてUKチャート第26位となっています。アーバン・コンテンポラリーなミディアム・グルーヴ。Courtney Pineのサックスがムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fN5VIUpUEqY
「My One Temptation」
Mike Leeson/Miles Waters/Peter Vale作。UKチャート第7位のヒットとなったデビュー・シングル。鍵盤によるダンサブル・サウンドをバックに、Micaが艶やかなヴォーカルを聴かせてくれる魅惑のミディアム・グルーヴ。フリューゲルホーンによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=3OyiB-EJ1cc
「Nothing Hits Your Heart Like Soul Music」
Mike Leeson/Peter Vale作。Linda Ronstadt「You're No Good」のエッセンスを使った妖艶なミディアム。甘く危険な香りがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KxXo6QKNArQ
「Sway (Dance The Blues Away)」
Mike Leeson/Peter Vale作。哀愁バラードを19歳とは思えない、大人びた雰囲気と風格さえ感じる堂々としたヴォーカルで聴かせてくれます。彼女の器の大きさを感じる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=bTpnCSZUPEU
「Don't Give Me Up」
Mica Paris/Paul Powell作。アーバン・ナイトな哀愁バラード。ここでも彼女の妖艶な歌いっぷりにメロメロです。
https://www.youtube.com/watch?v=YNZutzhToZ0
「Breathe Life Into Me」
Mike Leeson/Peter Vale作。元々はRuss Taffへ提供曲。Russ Taffヴァージョンはアルバム『Russ Taff』(1987年)収録。3rdシングルとしてUKチャート第26位となっています。Mike Leeson/Peter Valeコンビらしい楽曲ですが、Micaが歌うことでUKソウルの香りがしてくるのが不思議ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zSQ8bRUE0L8
「I'd Hate To Love You」
Mike Leeson/Peter Vale作。Eddie Kendricks「Keep on Truckin'」を引用したイントロのベースが印象的です。プログラミングを駆使したこの時代らしいダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=wBLXr7Owe5w
「Great Impersonation」
Mike Leeson/Peter Vale作。セクシー・モードのダンサブル・チューン。妖艶なMicaの魅力をうまく引き出した僕好みの1曲。UKソウルらしい雰囲気もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=xEsqeNCSuhQ
「Where Is the Love」
Roberta Flack &
Donny Hathawayの大ヒット曲をカヴァー(Ralph MacDonald/William Salter作)。オリジナルはアルバム『Roberta Flack & Donny Hathaway』(1972年)収録。ここではWill Downingをフィーチャーし、デュエットしています。Will Downingはプロデュースにも参画しています。4thシングルとしてUKチャート第19位となっています。お馴染みの名曲を80年代後半ならではのアーバン・コンテンポラリー感覚で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kPN9Dr6qRB4
※盤によっては本曲の代わりに「Words Into Action」が収録されているのでご注意を
「So Good」
Miles Waters/Peter Vale/Sue Shifrin作。ラストはオーセンティックなバラードのタイトル曲で締め括ってくれます。ゴスペル仕込みの歌唱力を存分に披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z-SDKavDdoM
Al Jarreauがカヴァーしています。
Al Jarreau「So Good」
https://www.youtube.com/watch?v=L3BXpRYRJ6A
Mica Parisの他作品もチェックを!
『Contribution』(1990年)
『Whisper a Prayer』(1993年)
『Black Angel』(1998年)
『If You Could Love Me』(2005年)
『Soul Classics』(2005年)
『Born Again』(2009年)
『Gospel』(2020年)