発表年:2021年
ez的ジャンル:新世代男性ジャズ・シンガー
気分は... :コロナ禍のライヴ・・・
新作から当ブログでもお馴染みの男性シンガーJose Jamesの最新作『New York 2020』です。
1978年ミネアポリス生まれの男性ジャズ・シンガーJose Jamesについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の8枚。
『The Dreamer』(2007年)
『Blackmagic』(2010年)
『No Beginning No End』(2013年)
『While You Were Sleeping』(2014年)
『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
『Love In A Time Of Madness』(2017年)
『Lean On Me』(2018年)
『No Beginning No End 2』(2020年)
昨年末の『ezが選ぶ2020年の10枚』でも『No Beginning No End 2』をセレクトしたことに象徴されるように、この10年位で僕が最もよく聴いているアーティストはJose Jamesかもしれません。
本作はタイトルの通り、ロックダウン下のNYCで収録されたCD2枚組のライヴ・アルバムです。
Disc1が2020年8月13日のLive at Levon Helm Studios、Disc2が2020年10月3日のLive at (Le) Poisson Rouge での無観客配信ライヴを収録したものです。
メンバーはJose James(vo)、Marcus Machado(g)、Ben Williams(b)、Jharis Yokely(ds)、Big Yuki(p、el-p、org、syn)、Taali(vo、p)、J. Hoard(vo)。
楽曲はすべて過去のスタジオ・アルバム収録曲。『The Dreamer』(2007年)から1曲、『Blackmagic』(2010年)から5曲、『No Beginning No End』(2013年)から3曲、『No Beginning No End 2』(2020年)から5曲という構成です。
基本的には、最新スタジオ作『No Beginning No End 2』で聴かせてくれたR&B/ソウル寄りのアプローチですが、要所で彼の原点であるジャズのエッセンスもしっかり聴かせてくれます。
「Blackmagic」と「Park Bench People」の2曲はDisc1/2の双方に収録されており、ライヴならではのその日、その場の演奏を楽しめます。
どちらかといえば、ファン向けの1枚ですが、ジャズの枠を飛び越えたJose Jamesらしいライヴを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
(Disc1:Live at Levon Helm Studios)
「Blackmagic」
『Blackmagic』収録曲。Jharis Yokelyのドラムを効かせたライヴならではの「Blackmagic」を楽しめます。Big Yukiの鍵盤もいい雰囲気を醸し出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kO7V0UDhBCs
「Turn Me Up」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じく開放的なファンキー・グルーヴで盛り上げてくれます。大好きな曲なので嬉しいライヴ・ヴァージョンです。
https://www.youtube.com/watch?v=D_BB97iqcfs
「Come To My Door」
『No Beginning No End』収録曲。Emily King作。オリジナルは穏やかなアコースティック・ソウルでしたが、ここではセミアコを使ったメロウ・ソウルでグッド・ヴァイヴを届けてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=E3xzVp_IsHY
「I Found A Love」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じく奥方Taaliをフィーチャー。オリジナルのときにもコメントしましたが、Stevie Wonderの名バラードに通じる感動バラードですね。ライヴでもその感動は変わりません!
https://www.youtube.com/watch?v=4u9u6nlHQqs
「Saint James」
『No Beginning No End 2』収録曲。コロナ禍で傷ついた人々の心を癒してくれるようなジェントル・バラード。この曲の良さを再認識できました。
https://www.youtube.com/watch?v=uTPS0HOlFaU
「Do You Feel」
『No Beginning No End』収録曲。オリジナルと同じくソウルフルなバラードで聴かせてくれます。11分半近い長尺であり、各プレイヤーのソロも楽しめます。Ben Williamsのベース・ソロがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uaUCVA0qdrA
「Trouble」
『No Beginning No End』収録曲。オリジナルのネオ・ソウル+Sly Stone調ファンクの雰囲気をライヴ仕様にパワー・アップしています。Machadoのギターがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sLx_5Rx0r3g
「Park Bench People」
『The Dreamer』収録曲。90年代に活躍したL.A.のHip-HopグループFreestyle Fellowshipのカヴァー。ここでは12分近くの長尺で聴かせてくれます。オリジナルよりも早いテンポでライヴならではの演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=IufEgb3MhG8
(Disc2:Live at (Le) Poisson Rouge)
「Code」
『Blackmagic』収録曲。オリジナルの雰囲気を受け継いだメロウな演奏ですが、ライヴならではのメリハリで楽しませてくれます。
「Save Your Love For Me」
『Blackmagic』収録曲。ジャズ/ブルース・ピアニストBuddy Johnson作のスタンダード・カヴァー。オリジナルと同じくジャズ・フィーリングに溢れた演奏ですが、Joseがよりエモーショナルなヴォーカルを聴かせてくれます。
「Blackmagic」
Disc1でも演奏していた楽曲をDisc2でも収録しています。同じ楽曲でも日によって演奏の雰囲気が異なるライヴの魅力を実感できます。こちらの演奏ではMachadoのギターが印象的な演奏となっています。
「Promise In Love」
『Blackmagic』収録曲。元々はDJ Mitsu The Beats『A Word To The Wise』(2009年)でJoseがゲスト参加した楽曲。ここでも冒頭でJoseがDJ Mitsu The Beatsへのリスペクトを示しています。ここでは今のJoseのスタイルらしくソウルフルな雰囲気で聴かせてくれます。
「Made For Love」
『Blackmagic』収録曲。オリジナルはFlying LotusプロデュースでL.A.ビート・ミュージックのエッセンスを取り入れたトラックでしたが、ここでは生演奏ならではのメロウな雰囲気で聴かせてくれます。後半には生ヴォーカルでオリジナルあったようなサウンドを再現しているのが面白いです。
「I Need Your Love」
『No Beginning No End 2』収録曲。同作のオープニングを飾ったオリジナルはLedisiとChristian Scott aTunde Adjuahをフィーチャーしていました。ここでは女性ヴォーカルもトランペットもないせいか、より哀愁ムードが漂ったソウル・チューンに仕上がっています。
「Park Bench People」
「Blackmagic」と同じくDisc1でも演奏していた楽曲をDisc2でも収録。16分半近い演奏で本作の中で一番の長尺です。ジャズ・ヴォーカリストならではのJoseのテクニックやMachadoの白熱ギターなどでDisc1の演奏とは異なる見せ場を作ってくれます。
「Baby Don't Cry」
『No Beginning No End 2』収録曲。オリジナルと同じくJ. Hoardをフィーチャー。オリジナルはMarvin Gayeを意識した雰囲気のセクシー&メロウなソウル・グルーヴでしたが、ここでもその雰囲気を受け継ぎつつ、ライヴならではの臨場感が加わった軽快な演奏で楽しませてくれます。
Jose Jamesの他作品もチェックを!
『The Dreamer』(2007年)
『Blackmagic』(2010年)
Jose James & Jef Neve『For All We Know』(2010年)
『No Beginning No End』(2013年)
『While You Were Sleeping』(2014年)
『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
『Love In A Time Of Madness』(2017年)
『Lean On Me』(2018年)
『No Beginning No End 2』(2020年)