2021年03月20日

Ruth Copeland『Self Portrait』

Funkadelicがバックを務めた女性SSWのデビュー作☆Ruth Copeland『Self Portrait』

発表年:1970年
ez的ジャンル:Invictus系女性SSW
気分は... :異種格闘技?

今回はUK出身の女性シンガー・ソングライターRuth Copelandのデビュー・アルバム『Self Portrait』(1970年)です。

Ruth Copelandは1946年イギリス生まれの白人女性シンガー・ソングライター。

60年代半ばにUSに渡り、70年代初めにHolland-Dozier-HollandInvictusから『Self Portrait』(1970年)、『I Am What I Am』(1971年)という2枚のアルバムをリリースしています。

この2枚のアルバムは、白人女性SSWがInvictusからリリースしたことに加え、George Clinton率いる初期Funkadelicがバックを務めたことで再評価が高まっています。

白人女性SSWとFunkadelicという異種格闘技の仕掛け人がMotown RecordsのプロデューサーであったJeffrey Bowen

George ClintonInvictusからParliament名義でのアルバムを勧めると同時に、恋人であったRuth CopelandInvictusからデビューさせようと画策していました。

結果として、Parliamentのデビュー・アルバム『Osmium』(1970年)とRuth Copelandのデビュー・アルバム『Self Portrait』(1970年)が同時並行でレコーディングされることになりました。Ruthは『Osmium』にヴォーカルとして参加するのみならず、3曲の楽曲提供でも貢献しています。

ということで、Ruth Copelandのデビュー・アルバム『Self Portrait』(1970年)です。

実際のプロデューサーはJeffrey Bowenですが、契約上の問題で名前を出すことができず、名目上はRuth Copelandのセルフ・プロデュースということになっています。

レコーディングにはRuth Copeland(vo、g)、George ClintonEddie Hazel(g)、Dennis Coffey(g)、Ray Monette(g)、Tawl Ross(g)、Billy Bass Nelson(b)、Bob Babbitt(b)、Bernie Worrell(key)、Tiki Fulwood(ds)、Andrew Smith(ds)等のミュージシャンが参加しています。

正直、Funkadelicとのタッグという面からの完成度は次作『I Am What I Am』(1971年)の方が高いのでしょうが、異種格闘技的な面白さがこの1stにはあります。

クセのあるアルバムですが、そのクセを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Prologue: Child of the North」
Ruth Copeland作。オープニングは白人女性SSWらしいフォーキー・チューン。ここでのRuthは歌わずに語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=oOSKXu92iGc

「Thanks for the Birthday Card」
Ruth Copeland作。Ruthの女性SSWらしさを尊重しつつ、Funkadelicらしさもチラリを顔を覗かせる面白さがある演奏です。70代初めのラブ&ピース感もありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=AQroT1iHS2g

「Your Love Been So Good To Me」
Ruth Copeland/Tawl Ross/George Clinton作。これはFunkadelic色を打ち出したサイケなファンク・ロック。ここでのRuthはJanis Joplinばりにシャウトします。
https://www.youtube.com/watch?v=BMS6aVO_TRE

「The Music Box」
Ruth Copeland/Ron Dunbar/Edythe Wayne作。子供コーラスをフィーチャーしたポップ・ロック。ピースフルな感じがこの時代らしいですね。楽しげな楽曲なのに終盤にRuthが泣き出します???
https://www.youtube.com/watch?v=ChiCuFp7tJo

「The Silent Boatman」
Ruth Copeland作。Parliament『Osmium』にも別ヴァージョンが収録されています。ゴスペル・フィーリングのバラードですが、サイケな雰囲気もあっていい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=hw_NZGrTaww

「To William in the Night」
Ruth Copeland/Gwendolyn Alexander/Edythe Wayne/Ron Dunbar作。ミュージカル/オペラ風の曲調にFunkadelicな隠し味が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=DUhg75IQKTY

「No Commitment」
Ruth Copeland作。ストリングス入りの感動的なフォーキー・バラード。女性SSWとしてのRuthの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=2y1TixQN2EU

「I Got a Thing For You Daddy」
Ruth Copeland/Eddie Hazel/George Clinton作。Funkadelic色の強いファンク・ロック。格好良さでいえばアルバムで一番。Ruthのパワフルなヴォーカルもサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=5itbQSi-K20

「A Gift of Me」
Ruth Copeland/Edythe Wayne/Ron Dunbar作。アルバム・ヴァージョンはア・カペラです。
https://www.youtube.com/watch?v=Tq09ebTnJf0

「Un Bel Di (One Fine Day)」
プッチーニのオペラ『蝶々夫人』の有名なアリア「ある晴れた日に」をカヴァー。前半はRuthがオペラ調のヴォーカルを披露し、中盤からはロック・ミュージカル調の展開となります。
https://www.youtube.com/watch?v=GGgL737KNJ0

ここから3曲はCDボーナス・トラック。

「The Music Box (Single Version)」
「The Music Box」のシングル・ヴァージョン。謎の号泣パートが短い分、こっちの方が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=nDS2KZ4F82k

「A Gift of Me (Single Version)」
「A Gift of Me」のシングル・ヴァージョン。ア・カペラであったアルバム・ヴァージョンに対して、こちらはストリングス入りのバッキングありです。
https://www.youtube.com/watch?v=IGHKE0dnoI8

「No Commitment (Single Version)」
「No Commitment」のシングル・ヴァージョン。アルバム・ヴァージョンのエディットです。
https://www.youtube.com/watch?v=Y-0io3J7TeU

もう1枚の『I Am What I Am』(1971年)もチェックを!

『I Am What I Am』(1971年)
posted by ez at 02:10| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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