発表年:1965年
ez的ジャンル:アメリアッチ・ミュージック
気分は... :ANN!
今回は60年代に人気を博したHerb Alpert & The Tijuana Brassの大ヒット・アルバム『Whipped Cream & Other Delights』(1965年)です。
Herb Alpert & The Tijuana Brassは、A&Mの共同設立者であり、トランペット奏者のHerb Alpertが結成したユニット。
メンバーはHerb Alpert(tp、vo)、Tonni Kalash(tp)、Bob Edmondson(tb)、John Pisano(g)、Nick Ceroli(ds)、Lou Pagani(p)、Pat Senatore(b)。
マリアッチ×アメリカン・ポップな"アメリアッチ"スタイルで一世を風靡したHerb Alpert & The Tijuana Brass。
シングル・ヒットという面では、本作収録の「A Taste of Honey」(USチャート第7位)、1968年のNo.1ヒット「This Guy's in Love with You」程度ですが、アルバム・チャート面では本作『Whipped Cream & Other Delights』(1965年)を皮切りに、『Going Places』(1965年)、『What Now My Love』(1966年)と三作連続でUSアルバム・チャートNo.1になるなど大ヒット連発でした。
そんなHerb Alpert & The Tijuana Brassを代表するアルバムといえば、やはり本作『Whipped Cream & Other Delights』(1965年)ですかね。
前述のヒット曲「A Taste of Honey」が収録されていますが、それ以上に多くの日本人にとっての青春ラジオのテーマ曲「Bittersweet Samba」収録というのが大きいですね。
それ以外であれば、アメリアッチな「Green Peppers」、ムーディーなボッサ・ジャズ「Tangerine」、The Stokesのカヴァー「Whipped Cream」、楽しげな「Butterball」、ポップに疾走する「Lollipops and Roses」あたりがおススメです。
独特のアメリアッチ・ワールドを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「A Taste of Honey」
Bobby Scott/Ric Marlow作。元々はミュージカルのために書かれた楽曲であり、The Beatlesがカヴァーしたことでも有名になりました。そんな楽曲をHerb Alpert & The Tijuana Brassがカヴァーし、USチャート第7位となった大ヒット曲。The Beatlesヴァージョンの哀愁モードの印象が強い楽曲ですが、本ヴァージョンは哀愁マリアッチ・モードはアクセントで全体的に軽やかに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NC38-qqiVgg
Busta Rhymes「Intro Part Two: Dolemite Interlude」、K.A.S.T.A. Squad「Peryferie」のサンプリング・ソースとなっています。
K.A.S.T.A. Squad「Peryferie」
https://www.youtube.com/watch?v=VGbyOLbTEow
「Green Peppers」
Sol Lake作。アメリアッチを楽しめる開放的な仕上がり。軽やかなトランペットがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Zr2xYyKZDnE
Wes Montgomeryがカヴァーしています。Emma Bunton「Take Me to Another Town」のサンプリング・ソースとなっています。
Emma Bunton「Take Me to Another Town」
https://www.youtube.com/watch?v=5LTFK1AQiNU
「Tangerine」
Johnny Mercer/Victor Schertzinger作。1942年、Jimmy Dorseyが歌いNo.1ヒット曲となったポピュラー・スタンダード。The Salsoul Orchestraのディスコ・ヒットでもお馴染みですね。当ブログではStacey Kent、Eliane Eliasのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンは僕好みのムーディーなボッサ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DejuUCwDOqw
「Bittersweet Samba」
Sol Lake作。ニッポン放送「オールナイトニッポン」のテーマ曲としてあまりにも有名ですね。みんなの青春のテーマ曲といった感じでしょうか。軽快なエキゾチック・ジャズ・サンバは一度聴いたら忘れられないサムシングがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZesDEsgJKEM
The Evolution Control Committee「Rebel Without a Pause」のサンプリング・ソースとなっています。
The Evolution Control Committee「Rebel Without a Pause」
https://www.youtube.com/watch?v=zcJTioKULCQ
「Lemon Tree」
Will Holt作のフォーク・ソングをカヴァー。当ブログではSandie Shawのカヴァーを紹介済みです。スパニッシュ風のギターの音色が印象的なバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=MWLIArRuJ0I
「Whipped Cream」
The Stokesのカヴァー。Naomi Neville(Allen Toussaint)作。ビートを効かせつつ、何処となくユーモラスな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=8VGSzdftTI4
「Love Potion No. 9」
The Searchersのヒット曲としてお馴染みの楽曲をカヴァー(Jerry Leiber & Mike Stoller作)。オリジナルはThe Cloversヴァージョンです。ここでは少しテンポを落としたビッグバンド・ジャズ風の演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mb1hUrsGEX4
「El Garbanzo」
Sol Lake作。マリアッチ・テイスト全開の少し長閑な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=EwhQoU2QNVM
「Ladyfingers」
Toots Thielemans作。トランペットの響きがよく似合うバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=jH5eTJ80Jws
「Butterball」
Mike Henderson作。ポップ・フィーリングに溢れた楽しげな演奏ながらも、小粋なホーン・アンサンブルがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5U_5zSzMwzQ
「Peanuts」
Luis Guerrero作。コメディ映画のBGMにフィットしそうなマリアッチ・テイストの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=KhdTFKmDxng
「Lollipops and Roses」
グラミー受賞のJack Jonesのヒットで知られるTony Velona作の名曲をカヴァー。当ブログではLaurindo Almeida & The Bossa Nova Allstarsのカヴァーを紹介済みです。最初ユーモラスな印象を受けますが、よく聴くと軽快ポップな疾走感がなかなか格好良い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=zLZmeyJ2KRY
CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「Rosemary」
Herb Alpert作。トランペットの伸びやかな音が映えるロマンティック・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=BZGLehFQVCU
「Blueberry Park」
Herb Alpert作。ボッサ調のメロウ・バラードはモロに僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=dlp309gw2Ak
Herb Alpert & The Tijuana Brassの他作品もチェックを!
『The Lonely Bull』(1962年)
『Volume 2』(1963年)
『South of the Border』(1964年)
『Going Places』(1965年)
『What Now My Love』(1966年)
『S.R.O.』(1966年)
『Sounds Like』(1967年)
『Herb Alpert's Ninth』(1967年)
『The Beat of the Brass』(1968年)
『Christmas Album』(1968年)
『The Brass Are Comin'』(1969年)
『Warm』(1969年)
『Summertime』(1971年)