発表年:1979年
ez的ジャンル:AOR系男性SSW
気分は... :日本人好み!
今回は日本独自のAOR名盤として知られる1枚、Dick St. Nicklaus『Magic』(1979年)です。
Dick St. Nicklausはワシントン州ヤマキ出身の男性シンガー・ソングライター。
60年代にはロック・バンドThe Kingsmenのドラマーとして活動していました(Dick Peterson名義)。
1969年のThe Kingsmen解散後はシンガー・ソングライターとして活動するようになります。
そして、1979年に1stソロ・アルバム『Magic』をリリースします。そして、タイトル曲「Magic」と共に大阪の輸入レコード店で人気となり、1980年1月には国内盤が関西限定でリリースされ、3月には全国販売されるに至りました。
日本独自のAOR名盤としてお馴染みですね。リリースされた当時僕は中学生でしたが、ラジオで「Magic」が盛んに流れていたので、自然によく聴いていました。
正直言えば、タイトル曲「Magic」を聴くためのアルバムですが、アルバム全体としてもAOR作品として楽しめます。
プロデュースはDick St. NicklausとVelton Ray Bunch。
レコーディングにはLeland Sklar(b)、Steve Schaeffer(ds)、Mitch Holder(g)、Bill Mays(key)、Ian Underwood(syn)、Gary Coleman(per)、Chuck Findley(horns)、Ernie Watts(horns)、Steve Madaio(horns)、James Horn(horns)、Sid Sharp(strings)、Lisa Roberts(back vo)、Scherrie Payne(back vo)等が参加しています。
「Magic」以外であれば、ブルーアイド系AORな魅力のある「Help Yourself」や「Born To Love You」が僕のお気に入り。バラード系であれば「Our Goodbye」がおススメです。
AORに拘らなければ、爽快ポップ「Can't Give Up」やピアノ・バラード「What's The Reason」もおススメです。
日本独自のAOR名盤を楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Magic」
Mackenzie Colt/Dick St. Nicklaus作。Bobby Caldwell「Special To Me」が流行った日本だからこそ、この曲も受け入れられたのかもしれませんね。AORだけど歌謡曲っぽくもあるところがポイントですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tyE_KS3pmOA
「Help Yourself」
Heidi Peterson/Dick St. Nicklaus作。ブルーアイド・ソウル的な魅力を持った僕好みのアーバン・ミディアム。
「What's The Reason」
Mackenzie Colt/Dick St. Nicklaus作。ストリングスを配したピアノ・バラード。このあたりは王道ポップ路線ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2PURr1Nb-kU
「Can't Give Up」
Harold Pruett/Dick St. Nicklaus作。疾走感が心地好い爽快ポップ。これもAORというよりアメリカン・ポップですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CvTLTF2vbwA
「Our Goodbye」
Harris R. Sherline/Dick St. Nicklaus作。素敵なストリングス・アレンジの感動バラード。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=BPtFLS5T8PA
「Born To Love You」
Harris R. Sherline/Dick St. Nicklaus作。僕のお気に入りの1曲。派手さはありませんが、都会的なファンキー・メロウは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=7IJwum5WI78
「Sad Price To Pay」
Harris R. Sherline/Dick St. Nicklaus作。オーセンティックなバラードですが、ソウルフルな女性コーラス隊が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tOXF8RBzbZ0
「She's My Music」
Dick St. Nicklaus作。躍動するポップ・ロック。商業ロックの一歩手前で寸止めしている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zn3c8UurNX0
「Changing」
Michael Huedobro/Dick St. Nicklaus作。ラストもしっとりとしたバラードで締め括ってくれます。
本作に続き、1980年には2ndアルバム『Sweet and Dandy』がリリースされています。
『Sweet and Dandy』(1980年)