発表年:1984年
ez的ジャンル:オトナ・オルタナ・ポップ
気分は... :ナンバー2じゃダメですか
ジャンルに枠に縛られないサウンドで人気を博したJoe Jacksonの代表作の1つである『Body And Soul』(1984年)です。
1954年UK生まれのミュージシャン/ソングライターJoe Jacksonの紹介は、大ヒット・アルバム『Night And Day』(1982年)に続き2回目です。
『Night And Day』を紹介したのが2006年なので、約15年ぶりのJoe Jackson作品のエントリーとなります。
USアルバム・チャート第4位となった前作『Night And Day』(1982年)の大ヒットの後で、大きな期待を持って迎えられたのが本作『Body And Soul』(1984年)です。厳密には2枚の間に彼が手掛けたサントラ『Mike's Murder』(1983年)がありますが。
前作『Night And Day』(1982年)は、僕が高校生のときの作品dえすが、Donald Fagen『The Nightfly』(1982年)と並んで、少し背伸びしたオトナ気分を味わえるアルバムという印象がありました。
そして、ちょうど高校生から大学生になる時期にリリースされたアルバムが本作『Body And Soul』(1984年)です。『Night And Day』以上にオトナ・アルバムになった印象がありましたね。
何よりジャケが格好良くて大好きでした。
ご存知の通り、本作のジャケは当ブログでも紹介したジャズ名盤Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』(1957年)へのオマージュです。
Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』(1957年)
このような雰囲気だとジャズへ思い切り舵を切ったアルバムと思いきや、中身はジャズのみならず、クラシック、ラテン、ファンク、ソウル、ロック、ポップなどさまざまな音楽のエッセンスを取り入れた作品となっています。
プロデュースはJoe JacksonとDavid Kershenbaum。
楽曲はすべてJoe Jacksonのオリジナルです。
Joe Jackson(vo、p、sax)、Graham Maby(b)、Vinnie Zummo(g)、Ed Roynesdal(key、violin、guiro)、Tony Aiello(sax、fl、claves)、Michael Morreale(tp、flh)、Gary Burke(ds)、Ellen Foley(back vo)、Elaine Caswell(vo)
USチャート第15位となったヒット曲「You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want)」をはじめ、Elaine Caswellとのデュエット「Happy Ending」、ピアノ・バラード「Be My Number Two」というシングル3曲や、マツダ・ファミリアのCM曲にもなったオープニング「The Verdict」あたりが目を引きます。
個人的には『Night And Day』の流れを汲むラテン・タッチの「Cha Cha Loco」が一番のお気に入り。
また、今回久々に聴き直して美しいインスト「Loisaida」や感動的なジャズ「Heart of Ice」という2曲の魅力を再発見できました。
聴き重ねるほど、Joe Jackson独自の音世界に魅せられるはずです。
全曲紹介しときやす。
「The Verdict」
日本ではマツダ・ファミリアのCM曲としてもお馴染みだったオープニング。重厚なホーン・サウンドが印象的なドラマティックな仕上がりです。クラシックの素養があるJoe Jacksonらしい1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=1Iqfk0jaJx0
「Cha Cha Loco」
僕の一番のお気に入り。『Night And Day』の流れを汲むラテン・タッチの1曲。彼のお洒落なピアノも満喫できます。ラテン色を前面に出しつつ、しっかりポップ・ミュージックとして成立させているのがJoe Jacksonのセンスの良さだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=PTc_RQiG0Do
「Not Here, Not Now」
哀愁バラードを切々と歌います。Michael Morrealeのフリューゲルホーン・ソロがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ASgHpt_8tH0
「You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want)」
アルバムからの1stシングル。USチャート第15位となったヒット曲。本作といえば、まずこの曲ですね。伸びやかなホーン・サウンドとファンク・グルーヴの組み合わせがいいですね。Graham Mabyのファンキー・ベース、Vinnie Zummoのジャズ・ギターが活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=qjUwoALt2qI
「Go for It」
60年代モータウン調のビートを効かせた確信犯的なポップ・ソウル。こういうのを真顔でやってしまうのもJoe Jacksonらしさかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=DmW37GRFq_Y
「Loisaida」
美しいインスト。感動ストーリーの映画を観ているような気分になります。インスト曲のせいか昔は全然響かなかったのですが、今回久々に聴いてたらグッときました。
https://www.youtube.com/watch?v=qiobAbX6PJo
「Happy Ending」
アルバムからの2ndシングル。Elaine Caswellとのデュエット。サウンドも歌詞もハッピーなのにハッピーじゃないビミョーな感じが本曲の魅力だと思います(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=v1rXFl2tE1g
「Be My Number Two」
アルバムからの3rdシングル。美しくも物悲しいピアノ・バラード。ナンバー1じゃなくてナンバー2になって!というのがJoe Jacksonらしいですね。ただし、ナンバー2になって!はナンバー1の彼女の次という意味ではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=NNn9pnytT7M
「Heart of Ice」
ラストは、心の氷を割って太陽に向かって歩く様を音に託した素晴らしいジャズ・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=b9eBCGseStw
Joe Jacksonの他作品もチェックを!
『Look Sharp!』(1979年)
『I'm the Man』(1979年)
『Beat Crazy』(1980年)
『Jumpin' Jive』(1981年)
『Night And Day』(1982年)